中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

麗江への旅(4) 納西族

2010-03-18 09:35:06 | 中国のこと
 麗江で最も人口が多い納西(ナシ。ナーシーとも表記)族は麗江を中心に集中的に居住しているチベット系の少数民族である。ナシ語を使用しているが、古くから漢族との交渉もあったので大多数が漢語(中国語)も話せる。

 農業を主としていて、水稲、トウモロコシ、ジャガイモ、小麦、豆類、綿花、麻などを栽培している。麗江古城のナシ族は外部からの移住者に自分の土地を賃貸している者が多いようだ。

 ナシ族の女性達。胸で交差した白い帯と星を象った円板をつけたベルトが特徴。










 ナシ族の老人。2001年4月。麗江近郊の東河村で。


 古くから東巴(トンパ)文字という文字を持っている。これは「生きている象形文字」と言われ、世界で現在使われている唯一の象形文字だそうだが、普通のナシ族の人は使うことが出来ず、彼らの民間信仰であるトンパ教の儀式を司るシャーマンであるトンパによってわずかに伝えられているに過ぎない。

 トンパ文字。約400文字があり、1つの文字は使い方によって違う意味となることもあるようだ。




 トンパ経。ナシ族の古代文明の集大成で、過去の各社会段階での社会生活の諸側面がトンパ文字で記述されている。7世紀ごろに興り、千年の歴史を経ているが、例の文化大革命の時に多くは焼き捨てられた。このような貴重な文化遺産が、人為的なことで失われたのは残念なことだ。


 大トンパの和学文師。2001年に訪れた時に会ったが、故人となった。