麻生副総理は21日、首相官邸で開かれた社会保障制度改革国民会議で、終末期医療の患者を「チューブの人間」と表現し、「私はそういう必要はない、さっさと死ぬんだからと(遺書を)書いて渡してある」と語り、その上で「死にたいなと思って、生かされるのはかなわない。政府の金で(延命治療を)やってもらうなんてますます寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらわないと解決しない」と述べたようです。
麻生氏はその後、財務省内で記者団に対し、「私の個人的なことを申し上げた。終末医療のあるべき姿について意見を申し上げたものではない」と釈明し、「公の場で発言したのは適当でない面もあった。当該部分について撤回し、議事録から削除するよう申し入れる」とするコメントを発表したそうです。(YOMIURI ONLINE)
またぞろ閣僚の失言癖が始まったのかと不愉快になり、本当に軽率だと思います。「綸言汗の如し」と言いますが、彼は君主ではなくとも要職にある政治家ですから、口に出したことばは、議事録から削除しても元には戻りません。公の場で個人的なことにせよ、発言には責任を持つべきです。長く国会議員をしていると公私のわきまえの感覚が鈍ってきて、「チューブの人間」などという当事者にとっても家族にとっても残酷なことが平気で言えるのでしょう。まして「政府の金で(延命治療を)やってもらうなんてますます寝覚めが悪い。さっさと死ねるようにしてもらわないと解決しない」などとは、たとえ個人的なことであっても暴言も甚だしいもので、釈明ではなく、はっきり陳謝するべきです。