中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

徒然雑草

2012-11-06 07:33:16 | 身辺雑記

11月3日

 ○沖縄でまた米兵が不祥事を起こした。先月2人の米兵が浮上暴行事件を起こしたばかりで、外出禁止令が出ているのに、2日の午前1時頃空軍所属の兵士が、飲酒して暴れ、ビル3階にある民家に侵入して寝ていた中学生の男の子の顔を殴って、テレビを壊した。米兵は民家の窓から侵入して転落、負傷したので、米軍基地内の病院に収容された。

 たび重なる米兵の暴挙に沖縄県民は激しく怒っている。日米両政府は再発防止策を講じると言っているが、まったく役に立たず、県民にとっては「絵空事」という思いがある。事件のあった読谷村(よみたにそん)の61歳の元教員の男性は「こうした事件が繰り返される根底には米軍の占領意識から来る差別構造がある。戦後67年経過しても、そうした構図を引きずっているのが沖縄の現状で、絶対に許せない」と言ったそうだが(『毎日』2日付夕刊)、その通りだと思う。最近の米軍の質が悪いということもあるだろうが、何よりも、いまだに占領軍意識があり、沖縄を領土くらいに思って、沖縄人を見下しているのではないか。 

11月4日

 ○コーヒーチェーン大手のスターバックスコーヒージャパンが来春、山陰地方で初めて松江市に出店するそうだ。日本でスターバックスの店舗がない県は、鳥取県だけになるという。テレビ局から感想を求められた鳥取県の平井伸治知事はこう切り返した。「うちには大きなスナバ(砂場)がありますから」(『東京』4日付けコラム「点滴」)。

 スタバ(スターバックス)などなくてもスナバ(砂丘)があるという気概を示したのだろうが、つまらない質問をするテレビ局に対して気のきいた回答だ。だいたい日本の政治家や首長などの発言は味気ないものが多いが、この知事のようなウイットのある発言は愉快だ。

 

 ○田中文科相がまた話題になるようなことをした。既に文科省の指導を受けて建物の増設や教員の採用などの基準をクリアし、大学設置・学校法人審議会からも開設許可の答申を受けていた、札幌保健医療大学(札幌市)、愛知・岡崎女子大学(岡崎市)、秋田公立美術大学(秋田市)の3校の新設を不認可にした。「大学が多過ぎるし質も低下している。今後の大学設置認可のありようについて、将来のために全体的に抜本的に見直しをするということを決めた」と言っているようだが、不許可にされた大学は寝耳に水で、入学希望の学生や採用予定の教職員に混乱が広がっている。もちろん地元の県市では憤慨している。

 きちんと手続きを踏んで新設の方向に向かっていたのに、これを文科相の一存で覆すということなどできるものだろうか。権力の乱用という気がする。田中氏は小泉内閣の外務大臣の時にも外務官僚と衝突して騒ぎになったことがある。唯我独尊、独善の性向がある人物なのか。これでまた野党は追及し、場合によっては辞任も要求するのではないか。野田末期内閣はまた紛糾の火種を抱え込んだことになる。 

11月5日

 ○2時頃に昼寝をして、4時近くまでぐっすり眠った。醒め際に階下で何か人の気配がしたと思ったら妻がそばに来て、「おとうさん」と呼びかけた。ああ、いるのだなと思ったとたんに目が醒め、やはり夢だったのかと寂しくなってしまった。「おとうさん」と呼んだその声は確かに妻の声だったし、柔らかいその声音が懐かしく、しばらくぼんやりしていた。何か物悲しかった。

 人によっては、きっと奥さんが訪ねて来たのだと言うだろう。そんなことはとても信じられないが、それでも、もしそうだったらと思ったりもする。

 


カワセミ

2012-11-05 07:32:37 | 身辺雑記

 これまでにも紹介してきましたが、私の弟は定年退職後野外観察をして動植物の写真を撮っていますが、なかなかうまいと思います。最近、カワセミの写真を出していました。

 

 カワセミは用心深い鳥だそうで、弟のコメントによると、「カワセミは人影に敏感です。この時はこちらとの距離が15mほどと近かったのですが金網のフェンス越しに背後から見ていたので気が付いていないようでした。しばらくして川に飛び込み小魚を捕獲し別の石に戻ってきました」とあります。メスだそうです。

 前に紹介した、白井明大『日本の七十二候を楽しむ』(東邦出版)で見ますと、冬の「小雪」の項に次のような説明があります。

 「『渓流の宝石』と呼ばれ、また『翡翠(ひすい)』と書いてかわせみと読ませるほど、その美しい姿は人の心を魅了します。サーッと水に飛び込み、くちばしで小魚や虫を捕まえますが、繁殖期には雄が雌にえさを捧げてプロポーズします。青い鳥の姿が印象的で、構造色と言って、光の加減で青く見えるのだそう」 

 以前この辺りの農業用水池にもいて、動物好きの次男が小学生の頃観察に行っていましたが、私は見たことがありません。


リンゴの皮をむく

2012-11-04 07:13:46 | 身辺雑記

 果物は好きですが、どうも皮をむくのが面倒くさくて、リンゴや梨、柿などは食べたくてもつい億劫になります。ゆっくりと皮を剥いていけばいいのですが、こういうところが年をとって短気になったのかとも思うことがあります。それでも思い立ってリンゴなどの皮をむいているとふと父のことを思い出します。

 まだ私が中学生か高校生だった頃、あるいは小学生の頃だったかも知れないのですが、父が母に昔(と言っても大正の頃か昭和初期の頃かは分かりません)、リンゴの皮むきの、今で言うコンテストがあったという話をしていました。橋の上で水面に向かってリンゴの皮を切れないように細く長く垂らしながらむいていったそうですが、これはなかなか難しいことだと思います。父もその場にいたのではなかったらしく、どういう結果になったのか、父が言ったことは覚えていませんが、ただその話をした時父が母に「昔はのんびりして良かったねえ」と言った、その優しい声音と笑顔は今もはっきりと思い出します。夕食の後で母が食後のリンゴをむいていたのかも知れませんが、その時の雰囲気を思い出すと懐かしくなり、何か温かい気持ちになります。

 その頃の灯りはもちろん蛍光灯ではありませんし、テレビもなく家の中は静かなものでした。今では明るい蛍光灯の下で、テレビを見ながら夕食を食べる家庭が少なくないようですが、それに比べると昔は何か一家がまとまった団欒というものがあったように思います。もちろん今でも食事中や食後の団欒というものがあるのでしょうが、きっと昔とは様変わりしているのではないかと思います。こういうことにも、父ではありませんが「昔はのんびりして良かったねえ」と言えるのかも知れません。

 


徒然雑草

2012-11-03 10:30:13 | 身辺雑記

 11月1日

 ○今日は「古典の日」だそうで初めて知った。そのはずで、今年の3月に超党派の議員連盟「『古典の日』推進議員連盟」が国の制定する記念日とする法案を議員立法で提出し国会の超党派議員立法で法制化され、8月29日に成立したばかりだ。源氏物語に関する記述が紫式部の日記に初めて登場した寛弘五年十一月一日(1008年12月1日)にちなみ定められたという。

 前にも書いたが、私の高校時代には古典(古文)という教科があって、源氏物語など様々な古典を学んだ。今では教えていないのではないか。私は高校生の時代に古典に親しむことは大切ではないかと思っている。

 今日付けの『東京』紙のコラム「筆洗」には、「古典といわれる文学や芸術が生き残っているのは、時代が変わっても人々を感動させる力があるからだ。呪文を暗記させる入試向けの授業が、若い世代から古典への興味をどれだけ奪ってきたことか。愛国心教育よりも、先にやることがあるはずだ」とあった。

 戦後間もない私の中学、高校時代には「筆洗」氏が言うような古典文法の助動詞の活用を羅列した「呪文」を暗記させられた記憶は残っていないが、いろいろ「竹取物語」「枕草子」「平家物語」などの古典を一部ではあっても、各学年でひたすら教えられたことは覚えている。それで今でも古典に惹かれるのかも知れない。先生たちも熱心で良かったと思う。 

11月2日

 ○米国東海岸を襲ったハリケーン「サンディ」はニュージャージー州などに大きな被害を与えたが、大統領選挙を控えたオバマ大統領が被災地に出かけて、被災者を抱きしめて慰めている写真を見た。

 

                         2012年10月31日、AP 

 公衆の前で抱いて慰めるなどという習慣は日本ではまずない。彼我の風習の違いと言えばそれまでだが、日本の政治家、例えば首相などはどうするだろうか、そもそも被災地にすぐさま飛ぶようなことをするだろうかと考えた。オバマ氏の行動も選挙のためのパフォーマンスだと切り捨てる向きもあるかも知れないが、政治家は、選挙民を「票」とみなして握手したり手を振ることだけするのでなく、やはり国民との間に温かい絆があることを見せてほしいものだ。

 


楽しい本

2012-11-02 07:25:59 | 身辺雑記

 白井明大『日本の七十二候を楽しむ―旧暦のある暮らし―』(東方出版)という本を買いました。帯には「日本には二十四の節気と七十二もの季節があることを知っていますか」とあります。私は旧暦に興味がありますから、副題の「旧暦のある暮らし」に惹かれましたし、帯の最後には「旧暦は心と体で感じる日々の楽しみに満ちています」とあります。

 開きますと春・夏・秋・冬の4部に分かれ、例えば今頃の秋ですと項目が立秋、処暑、白露、秋分、寒露、霜降の6つに分けられ、それぞれがさらに初候、次候、末候に細分されています。初候、次候、末候はそれぞれ見開き二ページまとめられ、まず「候のことば」があり、その後は「旬の魚介」「旬の野菜」「旬の草花」「旬の野鳥」「旬の行事」などが素朴で美しい絵(有賀一広画)とともに簡潔に解説されています。全編このスタイルで統一されていて、作者の工夫が窺われる楽しい本です。

 今頃の季節に関する記述を拾い上げてみますと、秋の項の最後「霜降(そうこう)」の末候は「楓蔦黄なり(もみじつたきなり」で、「草木が黄や紅に染まることを、もみつと言ったのが語源だそう。(新暦ではおよそ十一月二日~十一月六日ごろ)」とあります。「候のことば」は「山装う」が解説され、旬の魚介は「かわはぎ」。「フグに勝るとも劣らないおいしさのかわはぎ。旬はは秋~冬。シコッと締まった食感味わい深い旨味です。茹でてしょうゆに溶かした肝を刺身にからめて食べると、舌がとろけるよう。煮ても焼いても美味なりです」といかにも味覚をそそります。(以下「旬の野菜(さつまいも)」、旬の草花(紅葉)、「旬の行事(鹿児島県曽於の弥五郎どんまつり」と続きますが解説は省略します。

 このように簡潔な語り口がよく、読み物としてもなかなか面白いものです。旧暦好きの人にはお勧めです。

 

 

 


徒然雑草

2012-11-01 08:37:35 | 身辺雑記

10月29日

 ○大阪管区気象台によると、今日の午前に「木枯らし1号」が吹いたと言う。昨年より4日遅いそうだ。「木枯らし1号」というのは10月半ばから11月末にはじめて吹く風速8メートル以上の強い北寄りの風のことで、今日午前の最大瞬間風速は、大阪市で9.8メートル、神戸市で11.5メートルだったようだ。私は午前中出ていたが強い風が吹いたという印象はなく、穏やかな暖かい日だった。「木枯らし1号」は、季節が秋から冬に移る目安なので、気象庁は関東地方と近畿地方についてだけ発表しているそうだ。まだ寒いという感じはないが、これから急に寒くなるのかも知れない。 

 

 ○民主党の衆議院2名が離党届を出した。両名とも「減税日本」に合流するらしい。これで「減税日本」所属国会議員が3名から5名となり、政党要件を満たすことになるが、かなりの働きかけがあったのだろう。民主党は先に1名が「みんなの党」に入党するために離党届を出しているから、現有議席248で、後6人が離党したら衆議院で過半数(240議席)を割り、内閣不信任案が提出され可決されたら退陣しなければならない。

 船が沈没する気配になると、船内の鼠どもがそれを察してぞろぞろと逃げ出すそうで、今の民主党の状況はそれを思い出させるが、この鼠達は、あわよくば他党に移って国会議員生命を伸ばそうとしているのだろう。まったくどうにもならない末期的な状況だ。 

10月30日

 ○「木枯らし1号」が吹いたというニュースが昨日あったが、今日は少し寒く、気温は一日中20度を切ったようで、平均して16,7度、最高で19度だった。明後日から11月。今年は11月7日が立冬だ。 

10月31日

 ○10月も今日で終わり。振り返ってみると金木犀の香りで始まったこの月も、あっという間に過ぎ去った。最近は本当に日がたつのが早いと思う。

 半分以上の任期を残して石原東京都知事が辞職した。「そんなにやり残したことはない」、「東京のやってきたことはすべて正しかった」のだそうだ。80歳。私より1歳年上。老醜、老残、傲慢と言う印象だった。

 作家の藤本義一さんが亡くなった。私と同じ年に生まれ、学年は1つ上。「関西文化の中心を失った」と惜しまれている。もう少し元気だったらと思うが、そういう年なのかと我が身を顧みてふと思う。