Mさんは透明感のある空を描かれました。
「悠久の空」 M8 日本画
あたたかい薄紫色の空には薄絹のような雲がかかっています。朝か夕か、
雲の色を見ると太陽の位置は低く、たなびく姿は風の強さを感じさせます。
大胆に入れられたドーム型の屋根は黄金色に輝き、深く鮮やかな瑠璃色は
異国の風情。見る者の遠い記憶を呼び覚ますような、夢のある光景です。
近づいてみました。
細かいところは決めず大下図は作らず、刷毛で大らかに空から
塗りだしました。選んだ色と自らの筆跡からイメージを広げるという
Mさんらしい進め方で、求める何かが見えてくるまで静かに作品と
対話し、独自の物語を紡ぎだされました。遥かな時の流れを感じます。
Mさんの作品はどれも詩のようで、静かに心に語りかけてくるのです。
過去の作品は制作順にHP「上郷の森 日本画教室」内の“作品集”の
中のMさんのページに掲載されています。ぜひこちらもご覧下さい。