Mさんは荒れ狂う海を描かれました。
「海」 日本画 F8
嵐が過ぎ去ったばかりの磯には高低差のある激しい波が打ち寄せ
泡立った白っぽい色から冷たく澄んだ深い色まで、画面全体に様々な
海の色が駆け巡っています。作品に向き合うと腹に響くような波の音や
顔に吹きつける風までも感じて、足を踏ん張ってしまいそうです。
近づいてみました。
粒子の大きさによって16段階に分けられた岩絵の具の中で
とても粗いために使う機会の少ない1~6番を積極的に用いました。
重々しい岩場はもちろん、海の複雑に移ろう捉えどころのない表情を
見事につかみ、余計なものをそぎ落として力強く表現されました。
Mさんの作品と制作姿勢にはいつも俳句の世界に通ずるものを感じます。
なおこの作品は現在『第13回グループ彩雲作品展』に出品されています。
ご覧になられれば岩絵の具という画材の魅力を再発見されるかも
しれません。お近くの方はぜひご高覧下さいませ☆
過去の作品はHP「上郷の森 日本画教室」内の“作品集”の中の
Mさんのページに掲載されています。ぜひこちらもご覧下さい。