去る12月上旬の姪っ子の結婚式で東京へ行った際に、葛飾柴又を訪れ、「寅さん記念館・山田洋次ミュージアム」を観てきた。
そのときに、1969年に第1作が劇場公開された『男はつらいよ』シリーズの50作目となる『男はつらいよ50 お帰り寅さん』が、今年の正月映画として、22年目ぶりの新作として封切られることを知ったので、ぜひ観ようと思っていた。
今年はシリーズ50周年を記念して、TVでも昔のシリーズが放映されている。一昨日も、NHKBSプレミアムで、傑作のひとつとされている7作目の太地喜和子がマドンナの『男はつらいよ 夕焼け小焼け』が放映されていたのを観た。出演者は亡くなっている顔ぶれも多く、非常に懐かしかった。
さて、今日観てきた22年ぶりの新作となる今回のシリーズ50周年作品『男はつらいよ50 お帰り寅さん』は、新撮された登場人物たちの”今“を描く映像と、随所に回想場面で登場して蘇る寅さんのシリーズ映像が見事に紡ぎ合う、新たなる『男はつらいよ』が描かれていた。
ストーリーは、「寅さん」こと車寅次郎の甥・小説家になっている満男(吉岡秀隆)が主人公で、かつて思いを寄せたイズミ(後藤久美子)のその後の物語が展開され、別々の人生を生きてきた2人を軸に、さくらや博、くるまやを囲む人々の姿が描かれる。出演者は倍賞千恵子、前田吟、浅丘ルリ子、夏木マリら。後藤久美子は1989年の42作目「ぼくの伯父さん」に登場している。そのシリーズの場面が多く挿入されているが、当時の可愛さがひときわ懐かしい感じがした。
昔の映像は、4Kデジタル技術で非常に鮮明な映像として修復されていて、古い映像という感じが全くしなかった。それだけに挿入という感じがしなくて、非常に自然な流れになっていた。
山田洋次監督は88歳になるというが、まさに天才である。これまでに49作も作ってきただけに、その中から回想場面として挿入される寅さん登場の場面が、ストーリーとピッタリな感じで非常に自然な流れとして収まっていることに感心しながら観ていた。
寅さんを蘇らせるために、どんな顔ぶれで、どんなストーリー展開にしたら良いかを工夫した、山田洋次監督ならではの傑作といえよう。
最後の場面で、これまでのシリーズのマドンナたちとの名場面が次々と映し出されるのが懐かしかった。亡くなったばかりの八千草薫をはじめ、吉永小百合、大原麗子、桃井かおり、松坂慶子、栗原小巻、都はるみなどなど。本作では、歴代のマドンナの中でも、寅さんと相思相愛だったリリー(浅丘ルリ子)も登場している。
sakagさんがおっしゃっているように、まったく違和感なく過去と現代が融合した映画に山田監督の才能を見た思いがしました。
エンディングでのこれまでのマドンナたちの映像も懐かしかったですね。
「寅さん記念館も山田洋次ミュージアム」も行かれていたのですね。
寅さん=渥美清さんと山田監督が造り出した最高傑作ですね。
そうそう、山田監督製作の大阪府を舞台にした連続ドラマ「贋作 男は辛いよ」がNHKでBS?で放映されます。