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昨日、磯谷川上流の硫黄山に登った後、その下にある磯谷温泉跡地と磯谷発電所を見てきた。
この磯谷温泉は、20代の頃、2回ほど泊まったことがある。
南茅部町史によると、ここ磯谷温泉は、相当古くから知られていた湯治場らしい。
江戸時代末期の1845年、松浦武四郎が訪れていて、彼の著「蝦夷日誌」に「粗末な笹小屋がある湯治場。人家は2軒、アイヌ人の家も1軒。」と書かれている。
また、箱館在の赤川村より「磯谷道」が出来ていた、と江戸時代文化年間(1804~1817)の絵図にも描かれている。その絵図には稲荷社も祀られている。
1872年(明治5年)に熊泊村の川内庄三郎が温泉場を整備した。
1902年(明治35年)後の熊泊鉱山主となる横浜の押野常松が温泉場の家屋を改造し拡張している。
大正時代に入ると、浜谷きくさんが2階建ての温泉旅館「はまや旅館」全11室を建てている。
1932年(昭和7年)磯谷温泉 朝日旅館となる。
1973年(昭和48年)、旅館は東海不動産の所有となり、1985年(昭和60年)解体されている。
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温泉は、道路を挟んだ下の、草地を通り、磯谷川へ流れ落ちている。
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朽ち果てている稲荷社
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道路際にある、物置代わりに使っていたような洞穴
帰宅して、いろいろ検索していたら、この温泉の源泉へ行く道もあるらしい。次回の楽しみに取っておこう。
○磯谷発電所
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北海道電力の磯谷第一水力発電所。歴史が古く、1923年(大正12年)から発電している。
その昔の送電線が、今でも蝦夷松山の登山道に切り倒されて残っている木製の電柱や万畳敷に見られる木製の電柱である。
この発電所の山の上から水を流す太い導水管の標高差は、地形図で見ると180mもある。しかも、この水は、磯谷川の上流と、鹿部町の常呂川の上流から、トンネルで引いている。
いつも思うのだが、発電所の水を流すものすごい長い地中トンネルは、どのようにして掘るのだろうか・・・?日高の山に登ると、あちこちに見られる。
さらに、国土地理院の地形図を見ると、ここで使用された大量の水は、ここからトンネルの中を1.8kmほど海側へ流れて、第二発電所の導水管の上から再利用されている。
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第二発電所の導水管。
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パイプの上を通る林道からその下のパイプと第二発電所を見下ろす
常呂川にもダムがありますね。常呂川もイワナ釣りに入った川です。そこから、磯谷の発電にパイプラインが繋がっているのですね。
ところで、地図の硫黄山が違っています。
HPのGPSトラックログのリンクの間違い、ご指摘ありがとうございました。早速訂正しておきました。
そうそう、昨日のブログにコメントをくださっている青山さんは、旭川分校の山岳部OBで、旭岳の捜索でNiさんのご遺体を発見された方だそうです。今でもご遺族の方とは交流があるようです。yamaさんも捜索で会っているかも知れませんね。
投稿から時間が経ってのコメントすみません。
磯谷温泉について、2010年のみなみ風で紹介されていて、ずっと行ってみたいと思っていました。当時の記事によると車で現地まで行けるようでしたが、現在はどうでしょうか?
これまた、別投稿のコメントをこちらで失礼します。山楽紀行の出版、おおいに期待しています。素敵な写真と文章があれば簡単に出版できる、と思ってました。でも、自費出版だとしても絶対手に入れたいです!道新で出版されたら嬉しいですね。
出版はどんな形になっても絶対やります。
店頭に並べられことが一番ですが、いろいろな対応がありそうですので、ある程度原稿が揃ったら、再交渉してみます。