<1800m付近から紅葉に彩られた尾根の向こうに5回も登っているエサオマン北東カール(左)や右奥に先月登ったばかりのカムイエクウチカウシ山を眺める。右のカールは二股カール?>
GPSトラックログを基にしたコース図
今回は、『北海道夏山ガイド』執筆者の長谷川哲さんの取材に同行し、長い林道歩きが億劫でまだ歩き残していた新冠陽希コース(「日本百名山ひと筆書き登山」の田中陽希さんがこのコースを往復したので、今年の7/8からこのコース名になった)から4回目の幌尻岳に登ることができた。
9/9(土)19km先の新冠ポロシリ山荘までの林道歩き
午後から前線が通過して天候が崩れそうなので、新冠道の駅で早目の7:30に哲さんと合流。
自分の車で、国道から新冠サラブレットロードへ入り、舗装された町道と長いダートの林道(合計62.5km)を1時間40分要して、ゲートのあるイドンナップ山荘まで走った。
9:40、広い駐車場が整備されたイドンナップ山荘をスタート。
以前は、500mほど先の奥新冠発電所前のゲートまで車で入れたが、現在はこの山荘の横にゲートが新しく設置されていた。
まずは、今年の7/8に設置されたばかりの「幌尻岳新冠陽希コース」命名のモニュメントとともに。「イドンナップ山荘~幌尻岳山頂2052mまで23km」「幌尻の山頂へ 自らの脚でさあ一歩を ここから踏み出そう」と刻まれていた。
500mほど先の奥新冠発電所前の右のゲートを潜る。以前は、ここまでまで車で入れたが、現在はイドンナップ山荘の横に新しいゲートが設置されていた。ここから先は北電の管理道路歩きとなる
19km先の新冠ポロシリ山荘までの距離表示が5kmごとに設置されている
新冠川の上のゲートの回転柵を潜る。「自転車の使用は絶対許さない」と言った感じの頑丈なゲート
足元から高度感のある新冠川を覗く
岩崖を削って造った道路を行く。良くこのような急な崖の途中に道路を造ったものだ・・・。
アーチ式の奥新冠ダム(幌尻湖)~国道から約80kmもある全道一奥深いところにあるダム
ここから2kmの林道歩きで新冠ポロシリ山荘。
14:20、4時間30分で、この日のゴール新冠ポロシリ山荘到着。先着のグループや山から下りてきた先客が10名ほど。
この30分後には、こちらの天候の読みがみごとに当たり、スコールのような雨が降ってきた。
後続のグループは、ずぶ濡れになって到着。
この日の泊りは18名ほどで、広い2階建ての部屋でゆったりとくつろぐことができた。
ウィスキーの水割りで酔って、夕食を終えたら、18時には眠りに就いてしまった。しかし、21時半ごろトイレに起きたら、その後、朝まで眠ることができず悶々とした長い夜となった。
9/10(日)、幌尻岳往復
昨夕からの雨がずっと小雨状態でずっと降り続いていた。朝になって、再びスコールのような雨になった。その中を登頂を目指すほかのグループや単独行の人たちが出て行く。凄い勇気だ。
自分たちは、写真撮影と取材目的なので、雨やガス中登山はゴメンである。天気予報は、前線が抜けると晴れるはずなので、回復待ちでのんびりしていた。しかし、9時を過ぎても雨は止まない。半ば諦めて停滞を覚悟する。10時になって窓の外を見たら、太陽光が照り、青空が広がり頂上稜線も見えていた。「今からでも、明るいうちに下山できるはず」と急いで支度をする。
10:10、スタート。小屋の左側の幌尻沢沿いの登山道を進む。
最初は、大千軒岳の知内川コースと似た感じで、幌尻沢の右岸を何度も高巻きながら進む。
幌尻沢左股沢の渡渉地点から上を見上げると、青空の下に紅葉に彩られた頂上稜線(頂上は右上)
が見え、心がはやる。
幌尻沢左股沢を渡渉すると、右股沢との間の直登尾根の登りとなる。下の方は笹やぶを掻き分けながら進む。
遅いスタートはどうしてもペースが速くなる。この急登で息が上がってしまう。
それでも、撮影ポイントではこちらがモデルとなっての撮影で一息入れながら登り続ける。
中間点を過ぎた辺りから、大雨の中をスタートしたグループの人たちとすれ違う。
以降は、昨日の記事に続く
13:30、下山開始。途中、大岩の陰で風を避けて昼食タイム。16:10に余裕の下山。登り3時間10分、下り昼食時間を抜くと2時間30分。写真撮影をしながらも、トータルで、ちょうど6時間で往復したことになる。
この日も、持参したビールとウィスキーの水割りに酔い、19時ごろには眠りに着いたが、23時半にトイレに起きてからは、また眠ることができなかった。
9/11(月)イドンナップ山荘までの林道歩きとその日の内の帰宅
4時には起きて、暗いうちに朝食を摂り、下山の準備をする。
5:50、山荘の前で、いつも拙サイトを利用され、拙著も購入していてくださった泊村のAさんとツーショットを撮り、スタート、
彼は、前日一番先に登頂し花畑まで戻ったら、晴れてきたので、再び頂上へ登り返して、七ッ沼の見下ろせる肩まで行ってきたそうだ。気力と体力に敬意を表する。
山荘から出てまもなく発見した熊の足跡。大きさからすると、成獣か?
色付いてきた岩崖の紅葉を見上げる。
新冠川の川面とその崖の上の林道を眺める。
途中で、先に発った東京の5人グループに追いつく。余った手つかずのガスを2個、飛行機に持ち込めないのでもらっていただけないかとのこと。ありがたく哲さんと1個ずついただき、処分する空のボンベも一緒に1個ずつ合わせて受け取った。
10:00、4時間10分で、イドンナップ山荘前到着。それにしても、アップダウンの多い林道だった。
登りも下りも時間的に大差はなかったが、sおれでも下りの方が20分速かった。
前日もこの日も、ここから日帰りピストンする人に出会った。ネット上の記録も多く目にする。田中陽希さんと同じコースと彼の日帰り登山に挑戦する人たちなのだろう。
考えてみたら、自分も重いリュックを背追っての林道歩きと山頂往復のトータルで14時間だった。羊蹄山8の字縦走の思いをしたら、不可能なことではないと思う。
さらに長い林道を走り、新冠道の駅で、哲さんの車を回収。新冠温泉で疲れを癒し、昼食を食べて帰路に就いた。門別から伊達まで高速を利用し、20分ほどの仮眠を2回取った。八雲で夕食を食べて、19:40には無事に帰宅できた。
初めての新冠コースだったが、億劫だった長い林道歩きは話し相手がいたことで気分的に非常に楽だった。単調な登りと思っていた登山道も、急ではあったが、眼下の幌尻湖やイドンナップ、ナメワッカ、二股山などの日高側の山々の展望、角度の違う主稜線上の山々が新鮮だった。また、日高主稜線上では稜線上やカールの花畑は何度も目にしているが、1700mより上の斜面に広がる花畑が新鮮だった。もし、再訪するとすれば、この花畑の花狙いで、日帰りで?などどバカなことを考えている。
もう少したくさんの写真と詳しい山行記録は、下記でどうぞ!
http://sakag.web.fc2.com (アップ完了)
長い林道歩きお疲れ様でした
私の信州の岳友が来年幌尻岳で日本百名山完登予定なんですが、何処から登ろうか考えています。私みたいなサンデー毎日ではないのでこのコースかヌカビラ岳から縦走しようか迷っています。
この山は、日本百名山で最難関の山なので、ここで完登を迎える人が多いです。この日も、東京のグループの一人が「日本百名山完登」を果たしていました。
ヌカビラ岳からのコースは、私の好きなコースですが、テントが必要ですし、途中から水を背負う必要があります。
日程的には同じようなものです。そういう意味では、このコースが楽かも知れません。
日高というと縦走に、林道歩きも含めて一週間は必要でした。長いときは2週間ほど取ったこともありました。
ヒグマ、自宅近くのニンジン畑にも出て、オレンジの糞があちこちに見られ、新しい足跡もあります。
今年は思いがけず、日数の必要なカムエクと幌尻岳に登ることができました。
yamaさんが日高の山に登られた頃は、車もないし、大変な時代でしたね。しかも、今より装備も食糧も重く、とても若い頃でないと無理な山行でしたね。
ぜひ見たいものです。写真を撮っていたら、ブログにアップしてください。
それにしても、物騒ですね。函館新道を潜って来たのでしょうね?
梅谷先生、は素晴らしい凧づくりの人生でしたね。
yamaさんも書いていますが、熊の糞は、季節ごとにいろいろ食べているものが良く分かり面白いですよね。
木の実などはほとんど消化されていないのに、栄養が摂れているのでしょうか?