日常散策

日々の記録とその他のこと

わたしの大阪

2013年01月13日 | 町あるき
 名建築ガイドマップの大阪駅周辺案内で、著者の円満字さんが新装なった大阪駅のことを「なぜ大空間の真ん中にデッキを置いたのだろう」と書かれていました。
 それを読んでから最近週に一回は通っているこの駅の景観が気になっておりました。

 確かにデッキが端っこにないため、見どころはどこなのだろうか、とあちこちとうろついて考えてみると。
 結局、ここかな。。と。



 端っこにもう少し高いデッキを通して、線路に向かって階段状に下ろして行ったら、京都駅の階段の先にホームや電車が見える感じになったかもしれませんね。
 読む前はこれで満足だったのになあ。



 次の気になっているのが、御堂筋の端っこにある阪急ビル前の例の建造物です。



 これです。梅田換気塔(1963年)。あの村野藤吾設計の換気塔にして、オブジェでございます。村野さん以外の方が同じものを設計していたらどう評価されていたのかと、これはこれで気にならなくもない。。

 最近古本屋さんで買った小松左京さんの「わたしの大阪」に記載がありました。小松左京さんと云えばわれらの世代が小、中高校生だった頃の読書の入り口に鎮座されていたSFの大御所です。

 この本に収録されている、1965年10月に毎日新聞掲載の「大阪」に梅田換気塔のことが出て来ます。

 ―御堂筋のはじまる阪急前ロータリーにつっ立つ、うす汚れた銀色の、巨大なキノコのような構築物の酷怪さ・・・大阪の玄関口に、麗々しくおっ立った、ガスタンクのと長靴のアイノコみたいな、酷悪な銀色の塔・・・―

 と、書かれていました。

 もちろん、換気塔のことだけを書いているのではなく、非人間的な地下街の様子の一つとして書かれてはいるのですが。

 65年と云えばまだ万博前で、この通りにも市電も走っていて、駅前ビルも完成していなかったと思いますが、当時はよっぽど違和感があったのだと想像いたします。

 今となっては、この位でないと目立たないでしょうが。

 小松さんは中之島の景観で、堂島川に写る裁判所(旧大阪控訴院)の美しさをたたえていらっしゃいます。本当に見たかったです。

 その他、例の大阪に対する「ど根性」だの「やったるでえ」と云うことばが嫌いだとあって、これにはわたしも同感で、今でも大阪出身と称するタレントが、たまに使っていますが、イヤになります。もっと出身地に(今、流行りのことばで云うと)リスペクトを持てと言いたいです。

 大阪の人は切りつけるマネをすると「切られたあ。」ってお返しをするって、しないですよ。そんなこと。(えっ。するって。。何か自信なくなって来たな。。)

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2 コメント

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Unknown (もろもろ)
2013-01-14 14:47:33
〈梅田換気搭〉うーん。あんなに大きいのに、いまいち注目されてませんな。
岡本太郎あたりが設計してたら、もっと人気がでたかもしれませんな。
返信する
村野さん (sakitaka)
2013-01-14 19:31:53
 こんにちは。
 村野さんってその筋では超有名な方なので、好きな人は好きなんですよ。
 確かに岡本太郎さんに依頼していたら、色々装飾が付いて面白かったかもしれません。
返信する

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