ストーンサークルの殺人(M.W.クレイブン ハヤカワ文庫)
イギリスの北西部カンブリア州のストーンサークルで焼死による殺人が相次ぐ。カンブリア警察出身の国家犯罪対策庁(アメリカのFBIみたいな組織)のポーは不祥事により謹慎中だったが呼び戻されて、数学の天才ティリー・ブラッドショーとともに捜査に乗り出す・・・という話。シリーズ第1作。
事件解決のいくつかのポイントにおいて、ポーのひらめき?に頼っていたりして、ミステリとしては弱点があるのかもしれないが、事件の不可解性が強烈だし、ポーやティリー、上司のステフなどのキャラ造形が抜群にいいし、本筋とは関係ないが、ポーやティリーの生い立ちに関するエピソードもよくできている。
だが、なんといっても本作のキモは動機の設定にある。「そんなことがあったら連続殺人したくなるわな」と納得??できるもので、犯人に同情したくなるほど。
シリーズ3作目の「キュレーターの殺人」から読み始めてしまったせいで、犯人だ誰か序盤でわかってしまって(3作目で本作の犯人が表明されているわけではないが、ある理由からわかってしまう)後悔した。
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