蛙と蝸牛

本の感想。ときどき競艇の話。

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら(映画)

2024年10月23日 | 映画の感想
あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。(映画)

高三の加納百合(福原遥)は、シングルマザーの母と進路をめぐってケンカし家出する。近所の洞窟?で雨宿りしているうち昭和20年6月の鹿児島?へタイムスリップする。そこで知り合った佐久間彰(水上恒司)は特攻に志願し出撃命令を待つ若い軍人だった・・・という話。

あまりに安易すぎるタイムスリップによる時空往還、ご都合主義がすぎるストーリー展開、ありえないような特攻志願者たちの生活ぶり、と欠点をあげつらえばキリがないけれど、そもそもいまや「特攻って何?」という人も多くなったらしいので、そういった若者向けのソフトな入門編と考えればよいのかも。

建前上ですら生還可能性が全くない作戦を長期に渡って組織的におこなった正規軍は当時の日本軍だけだろう。
まさに狂気の沙汰としかいいようがないのだが、それは平和な時代にのほほんと生きている私だからこその感想にすぎない。
その犠牲になった人たちには言葉もないが、つい数十年前までわたしたちの社会はそれを受容していた、という事実を噛みしめなければならないと思う。

本作を(レンタルDVDで)見てみようと思ったのは、映画館でみた予告編で、主題歌の「想望」がとてもよく聞こえたから。クライマックスでこの歌がかかるんだろうなあ、と期待していたら、エンドロールのみでちょっと残念。DVDでよく聞くと彰の行動を肯定する歌詞ではあったが。。。。

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