平成16年10月20日

2009年10月19日 | その他
             (市の中心部、台風23号の浸水を示す看板です)

平成17年の初め、アトム電器チェーンに加盟した頃ですね、社長会に出席するといつも尋ねられました。
「お店は豊岡ですか、あの台風で被害のあった豊岡ですか」と被害の様子や、テレビやエアコンなど電気製品の点検や修理、やむなく買い替えの状況について詳しく聞かれましたね。
毎月毎月、誰からも尋ねられ、豊岡のイメージがしばらくは、「台風でえらい被害のあった町」で凝り固まっていましたね。
堤防が決壊し、泥の海になった豊岡の市街地や、濁流の中、バスの屋根で助けを待つ乗客の姿をテレビニュースで放送したわけですから、皆さんは「大変だったね」と強く思われたのでしょう。
台風23号は、伊勢湾台風を上回る未曽有の被害を、豊岡市全域に及ぼしました。
その日の朝、メーカーの商品説明会を聞くため福知山に出発、夕刻帰り道、国道も県道も全てがものすごい増水で危険・危機一髪、店に帰ることができません。
非常に危ない、途中引き返して福知山市内に一泊する羽目に陥りました。
次の日が悲惨です。
昨日走って来た国道9号線も、但東町への山越えも、丹波方面からの山越えも、道という道は全て完全に不通、
一日中、ぐるぐる回り回って店に到着が夕刻なのです。
途中の町も、帰り着いた日高町も、もちろん豊岡市も、見渡す限り泥・泥・泥の風景、あらゆるものが泥やごみで覆われている惨状です。
こんな怖い一日はありませんでした。
商品説明会の帰りの夕刻、真っ暗な道の山越え、途中、山からの濁流に私を含め多くの車が流されそうになったことを思い出しますとゾッとします。
私が山越えをしようとしている頃、日高町に入った橋では車ごと濁流にのまれて死者も出ていたようです。
福知山に引き返し一泊して命拾い、そんな恐ろしい台風23号の襲来の日が、5年前の明日、10月20日なのです。