(うひゃ~、なんちゅう格好で前が開くのよ、試運転を眺めてばあちゃん叫ぶ)
ばあちゃん二人暮らしのKさん宅へ、エアコン工事に出かけます。
ばあちゃんは、日高町の実家へ数年前に都会から帰ってきまして住んでます。姉妹どちらも80過ぎた、とても高齢な二人連れでいつも仲良く暮らしてますね。
詳わし~い事情は聞いてませんが、実家の兄さんが亡くなったのを機会に、それなりの資産を持っての二人して、ふるさとに住むことになったようなお方です。
ひょんなことから数年前に、ごひいき始まりなんでも相談「アトムさ~ん、エアコンがおかしいのよ~、少しも暖ったまらないのよ」と依頼がありました。
『そんなに古くはないので直しましょうな、コンプレッサーって云ってねとても大事で高くつくとこ傷んでいます』、「エアコンが動かないと寒くって、年寄の私らは凍え死ぬわよ、どうにかしてよ」とやり取りします。
『分かりました。死なれたらいけません。大き目の石油ファンヒーターをお貸ししましょう』となって、あれから半月経ちました。
と云うのは、パナソニックのサービスマンが、修理が可能かどうか、どれくらい高い修理代になるかの最終点検済ましてばあちゃんに、判断仰いで相談します。
どうしよう、こうしようと迷いに迷って半月過ぎる、やっと本日新品を取り付け工事にまいります。リビングの広さは8畳ですが、寒いふるさと但馬の冬はちょっと大き目取付けますね。
雪をかき分け車を寄せてパラパラ雪降り寒い中、ばあちゃん病院行ってる合間せっせと工事をいたします。
「留守中でも工事やっといて~」、80才ちょっの妹のばあちゃんが、転んで骨折しました姉のばあちゃんを病院に連れて行きます留守ですね。
『帰ってこられましたか、エアコンが付きましたよ。試運転しますよ見ておいてね』と、二人のばあちゃんに話します。
「うひゃ~、なんちゅう格好で前が開くのよ、このエアコンは」、『日立の最新型ですよ。ばあちゃんに云っても分からんでしょうが、RAS-SX28Bっていう機種なの、日立のエアコンの一番いい機種なのよ、これより上の機種はないのよ』、『あのね、凄い格好で前が開くでしょ、暖房がバッチリの最高機種はね、どのメーカーのエアコンもこんな格好で前が開くのよ』なんて説明いたします。
半月の間に、高い修理をどうしよう?、もしも買うならどのメーカーの?、傷んだパナソニックはやめときましょか?、どうしてこんなに高いのこの機種は?、寒い但馬は暖房が安い機種では効かないの、なんて相談延々と、高齢ばあちゃんでも懇切丁寧な説明長くてこうなった、やっと本日工事です。
『Kさん、外は凍えるほどに寒いのに、こんなに温風出てますよ。それに静かでしょう風は自動でいいですよ。リモコンはこのボタンで切り、点けるときはこのボタン、あとはお任せ簡単ですよ』、
『そうそう、すまんね~。貸してましたファンヒーターは朝一番は便利だったそうですが、持って帰るね、返してもらうね。おばあちゃんは油をよう入れんと云うから、そのたんびに灯油持って来たげたね。すまんけれども返してもらうわ、今日からはエアコンで暖まってね』とお話しします。
(ドアチェーンを追加して、全部で3本のチェーンが、ばあちゃんのドアをガッチリ守りますよ)
ばあちゃん二人で心配だって、玄関ドアのドアチェーン、あと二本付けてと頼まれました。
一本は付いているのですよ、太いチェーンのドアチェーンです。上と下へあと二つ付けてと取り寄せて、垂直キッチリ頑丈に取り付けましたね安心ですよ。
『ありがとうございました。来月でいいって云うのにすぐ代金いただいて。本当にありがとうございました』と挨拶します。
交差点に面していますばあちゃんの家は、車に乗ってスタートしても信号赤です止まります。ばあちゃん二人がドア開けて、道路に面して玄関先で並んで見送る今日もです。
Kさんのばあちゃん姉妹二人とも、いつもです用事を済ませ帰る私をずっとです。じっと立って見送りますね。
信号赤です止まります。私の車も止まります。その間もじっと二人の姉妹のばあちゃんは、雪の中ですじっとです。車を見つめて並びます。車に乗った私と息子、目の行き場がありません。
青です信号変わったホッとしましてバイバイと、姉妹のばあちゃんに『ありがとうございました~~』と大きな声出し、やれやれですね最後の「さようなら」をいたします。
《ばあちゃんは じっと見送り 今日もです》