「すくも」

2014年05月28日 | ふるさとの話
(パズルの6月号が出来ました。作りながらふるさとの方言を想います)


毎月作りますクロスワードパズルが出来ました。
四十九の枠にピタリと言葉が埋まって完成します。

完成した後は、タテ・ヨコのヒントを考える分です。
ヒントって云うものも、答えがすぐに分かるヒントじゃいかん、難し過ぎるヒントでもいかん、なかなか良いヒントを考えるのも大変ですよ。

ヒントを考える前に、基本的には意味を正確に知るために、国語の辞書を開きます。

タテのヒントの7番です。
「但馬の方言で、もみ殻のことをこう言います。」
答えは「スクモ」です。

「スクモ」って「もみ殻」のことです。子供のころから誰でも知っています。
「スクモ」は、お米の籾(もみ)の袋の皮のこと、「もみ殻」のことですね。

「スクモ」は、全国共通の標準語と今日の今日まで普通に信じてました。

辞書を開きました。
「すくね:宿祢」、「すくまる:竦まる」、「すくみあがる」、「すくむ:竦む」、「ずくめ:尽くめ」、「すくめる:竦める」、「すくよか:健よか」、「スクラップ」と、どこにも「すくも:スクモ」なんて出てきません。

おかしいな?と、別の辞書で調べても、ネットで検索しても出てきませんよ。
「スクモ」なんて言葉はないようですね。

ガ~~ン、昔から普通に使っていた「スクモ」って言葉がありません。
昔々、ずっと昔のことです。18歳のころに社会人になって寮生活します。
みんなが集まったところで、普通に「ながたん、なつべる」と云った時に、誰にも意味が通じなかったことを思い出しました。

「スクモ」も、「ながたん」も、「なつべる」もふるさと但馬の方言だったのです。

ふるさとの方言って、「ようきんさった」と云う風な挨拶言葉によく特徴が表れます。
言葉の最後尾に、「な~あ」なんて付く言葉の抑揚で、方言の癖ってなものが分かります。

ところが方言の名詞です。
物の呼び名そのものの名詞の方言となりますと、これは分からない者にとってはチンプンカンプンですね。

ふるさと但馬の方言の、その物の名前で五つ六つ、いや十(とお)程あげてみてみます。


「スクモ」・・・もみ殻

「ながたん」・・・包丁

「こうこ」・・・漬物

「おなめ」・・・雌牛

「こって」・・・雄牛

「べーこ」・・・子牛

「がんど」・・・ノコギリ

「ぐべ」・・・ノロゲンゲ(魚)

「ちこにこちん」・・・ビー玉

「とっちんば」・・・イナゴ


何十も何百もある、ふるさと但馬の懐かしい方言のほんの一部です。

方言は昔の思い出、ふるさとのあたたかい母の言葉です。



《「スクモ」って 但馬の言葉 知りました》