嬉(うれ)しさは 修理の説明 フムフムと 生徒が先に 礼を言うとき
但東町はやはりまだ雪の中でした。
先週預かっていました。
業務用ブルーバーナーの修理品を、但東町の資母小学校へ届けに行きました。
まだまだ但馬の冬は寒かろう、
豊岡市の東のはずれの雪深い里は寒かろう。
修理を早くして使っていただこうと、
曜日が明けた月曜一番に走って届けにまいります。
台車に載せた修理品のストーブを、
渡り廊下で、事務の女性職員さんに説明します。
『なにかの拍子にコードが引っ張れたのです。基板から半分抜けた状態になってたのでしょう。
基板も、コードの付け根も、真っ黒焦げに焼けてしまってました』と説明します。
説明している時です。
体育館の方から教室に向かって列を組んで歩いて来る生徒たちです。
体格から想像して六年生の子供たちでしょう。
「こんにちわ、こんにちわ」と、行儀正しいあいさつをいたします。
少しぽっちゃりと、太めの体格のいい男の子が立ち止まります。
『電源基板とコードを交換しました』、
フムフムと男の子はうなずきます。
『16年も経っていました。それでも部品があってよかったです』、
職員さんも「そうでしたか」、男の子も「フムフム」。
『燃焼用の吸気ファンモーターの音が、ほんの少しですが油切れのような雑音が出ます。使うには大丈夫です』、
『次に何か大傷みしたら、寿命と思っておいて下さい』、
職員さんは「そうですか、ハイ」、
男の子も「フムフム、そうですか、ハイ」と言った後、続けて「ありがとうございました」と先に礼を言うのです。
なんちゅう男の子ですか。
事務員さん慌てて「修理ありがとうございました。遠い所ありがとうございました」、
「日高はもう雪消えたでしょ、資母は雪すごいでしょ」とお礼のあいさつ返します。