
ブクログより
今世の中で、もろもろの事情で親に恵まれていない子供達、そういう子供達の気持ちで、子供達に成り代わってこの本を読んだ。
最初はなんの予備知識もなく、井上ひさしの遺稿ということで手に取った本で、すごくつらくて重いできごとが次々と起きるわけだが、悲壮感がない。それが井上ひさしの作風というか良いところで、奇想天外なできごとも、それほど現実離れしたことでもなく、そんなこともあるかもしれない、と思ってしまう。
先物取引や相場の説明を丹念に読めば、すぐにでも始められるほど詳しく書いてあるが、そこらはさらりと読んで、さあいよいよ最後の仕上げだ!華々しいフィナーレだ! というところで終わっている。
そう、未完なのだ、この本。昭和63年から新聞に連載されているのに
どうしてそんなに放っておいたの?
文中で、相場の手じまいのやりとりで、「ヘミングウェイが亡くなったといって、誰が続きを書けるだろう・・・」というくだりがある。
これってまさにあなたに言えることですよ、ひさしさん。
もう~一番いいところがねぇ、もう唖然ですよ最後のページに(未完)ですもん。
だから★四つです。
黄金の騎士団 / 井上ひさし 著
★★★★☆