
ブクログより
夏場は朝早く目が覚めるので、夜台所の片付けを終えて、さてと腰を下ろし本を開いても、すぐにまぶたがくっついてしまい、無理に逆らわず、寝床に直行の健康的な生活の私は、全然読書がはかどりません。
そんな中で、日数をかけて読んだ本。
おんなの私が言うのもなんですが、吉原に関してはずいぶん落語で勉強させてもらいました。
志ん生の言うところの「学校じゃ教えない(おせえない)こと」です。
どういう演目があるかというと、明烏、文違い、三枚起請、お見立て、お直し、五人廻し、吉原が舞台ではないけれど、品川心中、居残り佐平次など、いわゆる廓ばなしといわれるものです。
本書は、身請けが決まった売れっ子花魁が、ある日客を殺害して姿を消してしまう。その謎をひとりの男が解くべく、関係者に話を聞いて歩く、聞き語りです。
楼主、牛太郎、新造、遣り手、禿、幇間などが語る吉原の様子、まさに落語の世界です。
吉原手引草 / 松井今朝子
★★★★☆