ブクログより
題名や、装丁が印象的でずっと気になっていたので読んでみた。
舞台はイギリスのどこか、施設か寄宿舎のようなところで子供達が過ごしている。その中のひとりが語る話は現代から昔にさかのぼり、子供達が過ごす日常が淡々とひたすら淡々と語られる。
それは「細部まで抑制が利いた」と賛辞されてきたそうだが、私には退屈だった。誰かが誰かにいじめられた。仲間はずれにされた。あるいはある日の授業の様子等々どこにでもありそうな日常が延々と語られる。
ではなぜ読み続けたかというと、登場人物が子供達と彼らを指導する保護官と呼ばれる大人のみ。舞台はほとんどその施設内のみ、子供達の親が出てくることもなければ、帰省することもない。そしてところどころに出てくるキーワード。それらが気になって謎解きのような気持ちで読み続けた。
そして中盤になりやがてその謎がうっすらとわかってきた・・・
ソウイウコトダッタンダ・・・ わかった途端、背中がすっと寒くなるような気がして読むのがイヤになってしまった。が止められなかった。
衝撃的な結末に無評価です。
わたしを離さないで / カズオ・イシグロ