体そのものに痛みを感じていると、「気分がユウツ」になりがちです。痛いから寝ていよう、それも急性期のうちは重要な治療方法です。しかし慢性期や長引く場合は、そうもいきません。
痛みのプロセスは患部の外傷でも、長引く場合は理的障害がくわわっていくことがあります。心理的不安は障害をさらに悪化させ、長引かせることもあります。注意(ここでの痛みは、疾患、内蔵の問題は含みません)
痛みが身体的な障害と同時に精神的なダメージも加わった場合、体が緊張状態となり、交感神経が緊張し、障害期間が長くなればなるほど、体も心もダメージを受けると考えられます。
ダメージを受けた体
まず外傷、障害のほうですが・・・・・・損傷(体の痛み「腰痛、肩こり、首の痛み、肩の痛み」)などは固くなった筋肉や、それを回避するための姿勢とり、損傷部分には筋の断裂や筋肉の緊張、(拘縮)が起こり血流障害も起こります。それから酸欠→発痛物質→痛み→回避姿勢→損傷→血管圧迫→血流障害→交感神経緊張→筋収縮→筋拘縮→血流障害→酸欠
痛いのサイクルは、まわります。
精神的ダメージ
さらに精神的ストレスが加わった場合、障害を受けたことの不安(先行き、情けなさ、悲嘆、怒り)です。この問題がストレスと発展することで、筋収縮を起こし筋肉の拘縮、酸欠、などを起こし、発痛物質が増え、交感神経が高まり、障害と同じパターンで傷みを起こさせます。
これは単なる日常のストレスだけでも起こります。
ストレス→筋拘縮→血管圧迫、血流障害→酸欠→発痛物質→痛みいたみを回避する姿勢→筋肉のアンバランス→損傷→筋拘縮→交感神経緊張→ストレス(筋拘縮)
傷だけで治癒する場合は問題なしですが、外傷、+精神的ダメージで障害を受けると、身体的ケアだけでは、悪循環サイクルから脱出は困難です。かといって痛みに対して、不安、怒りはつきものです。
急性期を過ぎているならば、まず気分を一新することが大切です。痛みに対してのイメージを変えていくのが、治癒の早道です。 簡単な方法として景色を見てみる、気分転換してみる、コルセットをしながらでも動いてみるなど無理をしない程度から動き始め、体に対するイメージを変えていき、自分のできた行動に対してほめたり、励ましたりしながら、がんばる体、心に対して感謝することが、治す方法に結びつきます。 さらに痛みに対して、痛くなかったと理由を脳に記憶させ、痛くなかった条件を体に教えます。何時も痛かった動きに痛みがなくなれば、少しずつ体を慣らしながら、今までの痛みの悪イメージを修正していきます。まずは痛みが歩ける状態なら、気分転換を兼ねた散歩から始めてみてもいいかもしれません。
これは行動療法と認知療法をプラスした認知行動療法と呼びます。心理的アプローチも加えながら体と心をともに治癒させる痛みのプログラムです。 私のオフィスでも、慢性化し痛みは時々行動療法も取り入れて行います。