2095冊目はこの本。
柴田純『日本幼児史―子どもへのまなざし』(吉川弘文館、2013年)
教育学あるいは他の領域の子ども論でもよく使われた「七歳までは神のうち」という言葉を疑い、それが日本の伝統社会の子育て観というよりは、中世までの子どもに対するおとな世代の無関心の時期を経て、近世以後に登場した比較的新しい子育て観を物語る言葉ではないか、と論じた一冊。読んでみて「なるほどな~」と思った。これはうちの大学の歴史専攻や、社会専攻で教育・子どもを論じたい学生に読ませたい本でもある。
2095冊目はこの本。
柴田純『日本幼児史―子どもへのまなざし』(吉川弘文館、2013年)
教育学あるいは他の領域の子ども論でもよく使われた「七歳までは神のうち」という言葉を疑い、それが日本の伝統社会の子育て観というよりは、中世までの子どもに対するおとな世代の無関心の時期を経て、近世以後に登場した比較的新しい子育て観を物語る言葉ではないか、と論じた一冊。読んでみて「なるほどな~」と思った。これはうちの大学の歴史専攻や、社会専攻で教育・子どもを論じたい学生に読ませたい本でもある。
2094冊目はこの本。
遠藤美幸『「戦場体験」を受け継ぐということ ビルマルートの拉孟全滅戦の生存者を尋ね歩いて』(高文研、2014年)
大学で歴史学を学んだ女性がいったん就職したあと、たまたまビルマ戦の経験者に出会ったところから、再び歴史研究に立ち戻り、拉孟全滅戦の生存者にできる限り会い、現地にも足を運び、さまざまな資料と聴き取りの記録とをつきあわせながら書いたのが、この本。うちの歴史専攻の学生に読んでほしいな、と思った。
2093冊目はこの本。
大阪ソーシャルワーカー協会編『大阪の誇り 福祉の先駆者たち』(晃洋書房、2013年)
社会福祉の歴史研究系の本を読んで気づくのは、たまたま読んだ本がこの本も含めてそうだったのかもしれないが、「人物」や「運動・実践」から話がはじまること。制度史・政策史研究みたいなものはないのかな? あるいは、ある人物がはじめた運動・実践からどのような制度・政策が生まれたのか、そこにこだわった研究とか。その点がちょっと、気になる。
2092冊目はこの本。
中山徹・大阪自治体問題研究所編『雇用・くらし・教育再生の道 大阪都構想・カジノからの転換』(自治体研究社、2014年)
「大阪都構想」という名の「大阪市解体・5特別区設置」構想による経済効果は怪しいし、かえって住民生活に負の影響を及ぼしかねないことは、すでにもう1年以上も前から自治体施策の研究者から、この本などで指摘されてきたこと。だから、いい加減、「都構想」賛成派も「橋下さんがあんじょうやってくれる」なんて幻想から目を覚ませばいいのに・・・と、この本を読むとあらためてそう思う。
2091冊目はこの本。
冨田宏治・森裕之・梶哲教・中山徹・大阪自治体問題研究所編『大阪市解体それでいいのですか?―大阪都構想 批判と対案―』(自治体研究社、2015年)
「大阪都構想」なるものは、実質的に「大阪市解体・5特別区設置」構想。
やっぱり、この本に書かれていることのほうが、維新の会の説明よりも妥当な気がするんですが。
2090冊目はこの本。
大阪の自治を考える研究会編『いま一度考えたい 大阪市の廃止・分割』(公人の友社、2015年)
いま何かと話題の「大阪都構想」ですが、あれは大阪維新の会が勝手に使っている呼称。より本質的に言えば「大阪市の廃止・5つの特別区の設置」構想なのだということ。そのことがよくわかるブックレットです。大阪維新の会関係者、特に橋下市長がテレビ経由、あるいは説明会などで言っていることのどこにまちがいがあるか、知りたいと思う方にはおすすめです。