午後から少し昼寝して、さきほどようやく8月25日放送分のプリキュアの録画を見ました。関西圏では26日に放送されたものですね。これで録画で3回分、プリキュアをまとめて見たかたちになります。
さて、8月分4回のプリキュアは結局、地球からララちゃん(キュアミルキー)のロケットにのって、ララちゃんの故郷・惑星サマーンに行く話でおわることになります。この8月25日分は、惑星サマーンに到着したときの出来事が主な内容ですね。
ただ、前回8月18日放送分のラストで、サマーンに行くことをあまり喜んでいないララちゃんの表情が描かれていました。その理由が今回、分かりました。
まず、サマーンに到着すると、ララちゃんの上司と名乗る人物が「報告書を出せ」と言います。ララちゃんはどうやら、惑星サマーンでは宇宙デブリを担当する最下級の調査員のようです。また、他のプリキュアたちは、「宇宙星空連合の規則にのっとって漂流中に保護をした人びと」という扱いになりました。地球は宇宙星空連合に加盟していないので、惑星サマーンに居るためにはそういう扱いにしないといけないようです。それはララちゃんの宇宙船のAIが決めました。
それから、どうやらこの惑星サマーンでは、人びとはマザーAIが決めたとおりに過ごしている様子。ララちゃんの兄・ロロは最上級の調査員、父はAIの研究者、母はロケットの研究者のようですが、そういう仕事もすべてAIが決めたようです。毎日の食生活で誰がどんなものを食べるかもAIが決めるようで…。そして、個人の持っているAI(ララちゃんだと宇宙船のAIですが)とサマーンにあるAIは、定期的にデータの共有を行うのだとか。ララちゃんは兄のロロから「もっとララもAIを使いこなせるようになれたら…」なんてことを言われていました。
一方、今回ララちゃんが呼び戻されたのは、宇宙星空連合の表彰式のため。兄・ロロがプリンセスカラーペンを見つけたことで、星空連合のトップから表彰されることになったとのこと。星空連合でもプリキュアが現れて、プリンセスの力を取り戻そうとしていることが話題になっていて、先々、プリキュアを星空連合のなかに入れようとしているとか。
そういう話を聴いて、ララちゃんは悩みます。自分たちがそのプリキュアであることを、正直に、惑星サマーンの調査員として報告すべきかどうか。報告すれば、他のプリキュアたちは地球に戻れないかもしれない…。
そういうララちゃんの姿を見て、まどかちゃん(キュアセレーネ)が声をかけます。まどかちゃんの父は、地球で宇宙人対策(=実際は宇宙人追放)にとりくむ政府高官。だから、父にノットレイダーのことやララちゃんのことを伝えるかどうか迷った。でも、自分の直感に従って、言わなかった。それは思ったことに素直になるという、ひかるちゃん(キュアスター)の言葉に従ったから。だから、まどかちゃんはここで「ララはどうしたいの?」と聴きます。
そんなときにプリンセスカラーペンを保管している惑星サマーンの研究所に、テンジョウとノットレイダーが現れ、ペンを奪おうとします。当然、5人のプリキュアは変身して、テンジョウとノットレイダーを追い払います。特にキュアミルキーは、自分の兄が見つけて、父母も喜んでいるのがこのプリンセスカラーペンだから、何があっても守ると。
ところが…。テンジョウたちによって破壊されたあとの研究所で、ペンをもっているララちゃんたちの姿が目撃されます。テンジョウたちが来る前までにマザーAIに残っていたデータから、ララちゃんたちがペンを奪おうとしたにちがいないと誤解され、今度は5人のプリキュアたちがみんな、惑星サマーンで「おたずねもの」になってしまいます。そんなところへ、またまたアイワーンが現れて…。
というところで、8月25日分のプリキュアはおわりました。この調子だと、9月1日放送分まで惑星サマーンでの物語は続きそうですね。
それとともに、AIにいろんなことが決められてしまう社会に対して、すっかりなじんでしまって何も考えていないララちゃんの家族+惑星サマーンの住民と、そういう社会にすんなりとなじめないララちゃんの姿(=さらにはプリキュアたちと出会って、AI全盛の社会になじめない自分こそ本当の自分なんだと思い始めているララちゃん)に、なんだかいろんなことを考えさせられてしまいます。
私たちの暮らす日本社会も、これからいろんな分野にAIが入り込んできます。そのAIにいろんな面で頼って「快適だ」「楽ちんだ」と思う人びとも増えてくるでしょう。でも、それによって何か無くしてしまったり、気付かなくなったりすることもある。本当にAIに何でも頼り切る社会になっていいの…? そのことを、今年のプリキュアはララちゃん=キュアミルキーの姿を通して問いかけているようにも思いました。