できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

今日(5月27日)のプリキュアの話です。

2018-05-27 09:52:46 | プリキュア話

おはようございます。

いや~今朝のプリキュアも、なかなか奥が深いですね~。

今日も基本的なストーリー展開自体は、フレッシュプリキュアとかスイートプリキュア、プリンセスプリキュアといった過去のプリキュアと同じく、「かつて敵だった存在とプリキュアたちが和解して、その敵が仲間になる」という流れなのですが。

ただ、今回はその基本的なストーリー展開に、今年のプリキュアの敵・クライアス社のつくったアンドロイド、ルールーちゃんの物語が加わるので、より一層、物語に深みがでています。そこで、どんな展開だったのか、今日のプリキュアをふりかえっておきましょう。

まず冒頭ですが。先週、クライアス社の課長・パップルに引き取られて会社に連れ戻されたルールーが、プリキュアたちとの交流の記憶を消されて、戦闘用アンドロイドに改造される場面からはじまります。

どうやらルールーは、クライアス社が実現した理想の環境、つまり人間らしい感情の消えた喜びも悲しみもない世界、過去も未来もない世界で、人間をただ管理するためにつくられたアンドロイドのようです。また、ルールーに埋め込まれたプログラムでは、こういう喜びも悲しみもない世界が理想で、当然、そこには人間のこころが「バグ」のようなものとして設定されているってことになっています。

ただし、パップルはルールーを改造をするときに、プリキュアたちとたたかわせるために、ルールーが持っていたプリキュアとの戦闘用のデータだけは消しませんでした。また、ルールーも記憶を消されるプロセスで、なぜかはな(キュアエール)の一家との写真だけは消さないようにしました。ここが後々、いろんな展開につながってきます。

一方、プリキュアたちの側はどうか。「ルールーは敵だ。自分たちはだまされていたんだ。連れ戻された以上、今までのようなルールーじゃなくなる。クライアス社のすることだから」と、イクメン風のハリーはプリキュアたちに語ります。でも、はなたちは「だまされていたわけじゃない。ルールーは敵じゃない。どこかに私たちと同じ心がある」と言って、ルールーを迎えにいこうとします。

ここでふと、「なぜ、ハリーはクライアス社のことをそんなにも知っているのか?」という疑問がわくのですが…。これもきっと、後々、何かのストーリー展開につながるのでしょう。

そして、ルールーを探しに行ったプリキュアたちは、戦闘用アンドロイドに改造されたルールーと、その様子を見に来たパップルに出会います。当然ながら、ルールーはプリキュアたちを攻撃します。戦うこと以外の方法ではルールーとまともに話し合えないとわかったプリキュアたちは、すぐに変身。ルールーと真正面からぶつかります。このあたりは過去のプリキュアたちと同じような展開ですね。また、ルールーは戦闘用のデータにもとづいて、キュアエール・キュアエトワール・キュアアンジュの弱点を正確に攻撃してきます。

ただ、それでも3人のプリキュアは、あきらめない。3人の力をあわせてルールーの攻撃を跳ね返したあと、巨大な竜巻のなかに居るルールーのところへ、アンジュ・エトワールのアシストによって、キュアエールが飛び込みます。その竜巻のなかでキュアエールとルールーが素手でぶつかりあうなかで、まずはルールーの戦闘用スーツが壊されます。次に、ルールーが急に苦しみだし、「胸が痛い…」と言い始めます。

どうやらルールーとキュアエールがこうして一対一で、素手でぶつかりあうなかで、ルールーのなかで消去されずに残っていた戦闘用データやはな(キュアエール)の一家の記憶がよみがえってきて、新たに書き足された戦闘用アンドロイドとしてのデータと激しくぶつかりあったようです。戦闘用データといってもやはりプリキュアの記憶。プリキュアたちとルールーとの出会いからこれまで間の出来事の記憶、特によかった記憶までは、完全に消し去ることができなかったようです。それだけに、ルールーは苦しみます。

この消したくても消せない記憶がよみがえって苦しむ…というルールーの様子は、どことなくPTSDのことを思い出させます。ただ、ルールーの場合はむしろ、新たに追加された戦闘用プログラムにとって、プリキュアたちとのよかった記憶がよみがえることが「バグ」になるわけですが。

一方、ルールーは竜巻のなかで、自分はプリキュアたちをだましたこと、本当はクライアス社のアンドロイドだということ、自分に近寄ったらだめなんだということを、ルールーはキュアエールに伝えます。でも、キュアエールは「だまされてなんかいない。そんな風に思っていない」と言って、さらにルールーに近寄ります。そして「自分もルールーと同じように、胸が奥の方から痛い。ルールーのことがだいすきだから、嫌いになんかならない」と、キュアエールがルールーの手を握って伝えたとき、竜巻がどこかへ消えます。

その竜巻が消えたあと、なんと不思議な赤ちゃん・はぐたんがルールーのそばにハイハイしていき、「よしよし」とルールーをなでます。そうするとルールーは大声で泣き出すとともに、「私のプログラムは上書きされました」といって、パップルを攻撃して追い返します。

ラストのシーンでは、ルールーが「なんだか胸が今はあたたかい」といい、「このプログラムのバグを修正したい」というのですが、さあや(キュアアンジュ)やほまれ(キュアエトワール)に「それはバグじゃない。私たちと同じこころだよ」と言われます。そして、「おかえり、ルールー」というはなと抱き合います。その様子をなぜか木の陰から、プリキュアたちにあこがれる小学生のえみるちゃんが見ていました。このえみるちゃんのことは次週の予告編につながるところで、次週はえみるちゃんとルールーの関係が軸になるようですね。

こんな感じで、クライアス社がつくりだしたアンドロイドとしてのルールーにも、プリキュアたちはとうとう「人間としての感情」特に「良心」を創り出してしまいました。こうなってしまいますと、アンドロイドと人間との境界は、ますますわからなくなってしまいますね。これってけっこう、奥深い話ですよね。

しかも、その「人間としての感情」「良心」というものは、毎日の何気ない楽しかった出来事の記憶、人と人との間で起きたよかったこと・うれしかった出来事の記憶の積み重ねから生まれてくるし、それはそう簡単に消したりはできないということ。そういうことも、今回のプリキュアの物語にはメッセージとして込められているように思いました。

それにしても、クライアス社はなぜ人間の感情の世界を消そうとしているんですかねえ? かつてフレッシュプリキュアのときも、メビウスというホストコンピューターに支配されたパラレルワールドでは、人々が感情を失って、ただぷろぐらむに沿って生きている環境が描かれていたんですが。そして、そこからメビウスのしもべとしてやってきた敵・イースが、プリキュアたちと出会って徐々に感情をとりもどし、やがてキュアパッションになっていったんですが…。


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昨日(5月20日)のプリキュアの話です。

2018-05-21 19:17:16 | プリキュア話

先週金曜日(5月18日)から昨日(5月20日)まで、2泊3日で札幌に出張していました。全私教協(一般社団法人全国私立大学教職課程協会)の定期総会・研究大会が、この土日に、札幌市内のホテルと酪農学園大学を会場として行われていたためです。

それにしても、連日30℃近くまで気温があがるようになった京阪神と、まだ夜は一桁台の気温(到着した日の新千歳空港で、確か6℃って表示見ました)の札幌界隈との寒暖差が大きくて、なんだか体調が変です。

そんなわけで、昨日のプリキュアは今日(5月21日)に録画で見ました。

今回のプリキュアは、いよいよルールーちゃんの正体がプリキュアたちにバレてしまうという展開。そういう展開に至るには、プリキュアたちの敵・クライアス社の課長・パップルが一役からんでいます。

基本的な物語の流れとしては、まず、プリキュアたちのクラスメイトのあきが、ほまれ(キュアエトワール)に「弟子入りしたい」と言って、なにかとほまれにまとわりつきます。これに対して、あきの親友で風紀委員のじゅんなが、何かとあきのじゃまをしにきます。ほまれはなんとかあきとじゅんなを仲直りさせようとするのですが、でもうまくいかず、かえって落ち込みます。

ほまれは気分を変えようと、不思議な赤ちゃん・はぐたんの居る「ビューティーハリー」に行って、はぐたんと遊びます。日頃と様子のちがうほまれのことを、イクメンに変身したハリーが心配して声をかけます。でも、「なんでもない」といって、雨のなか、ほまれはビューティーハリーを飛び出してしまいます。

一方、パップルはプリキュアたちの学校に潜入し、そこにルールーがいることをつかみます。ルールーは自分がプリキュアたちの秘密を潜入して調査しているのだとパップルに言いますが、パップルはルールーがプリキュアが変身に使うアイテム・プリハートを奪えば、プリキュアはたたかえないと伝えます。

さて、雨のなか飛び出して行ったほまれを探しに、はな(キュアエール)・さあや(キュアアンジュ)が傘をさして出かけます。そのときに、前にも登場した不思議なオジサンがでてきて、「空模様と人の心は似ている。晴れていても気づけば雨が降ることもある」のような、かなり意味深なことを言います。

また、ハリーは公園の屋根付きの滑り台の上で寝転んでいるほまれを見つけ、傘を渡します。自分がずぶ濡れになっても傘を渡して帰ろうとするハリーを、ほまれは追いかけようとするとき、なぜかルールーが登場して、ドキッとします。ルールーはどうやらこのとき、寝転んでいるほまれからプリハートを奪ったようです。

その後、雨宿りしているところでけんかしているあきとじゅんなのトゲパワワを使って、パップルがオシマイダーを発注します。そのオシマイダーにキュアエール・キュアアンジュが挑みますが、苦戦します。そこでほまれはキュアエトワールに変身しようとするのですが…そこで初めて、プリハートがなくなったことに気づきます。

でも、ほまれはハリーが止めるのも聞かず、プリハートが手元になく、変身できなくなってもなお、あきとじゅんなのこと、また、ふたりのプリキュアのことを助けたくて、オシマイダーに挑もうとします。そんなほまれの姿を見て、なぜかプリハートを一度は奪ったルールーが「私にはたたかえない」といって、ほまれにプリハートを返します。ここから先はまぁ、お察しのとおり。キュアエトワールの活躍であき・じゅんなは仲直りして、トゲパワワの弱ったオシマイダーを3人のプリキュアが力を合わせて…という展開です。

そしてラストの場面。当然、プリキュアたちからルールーに「なぜ、あんなことを?」という疑問が投げかけられるのですが、そこにパップルが現れて「機械仕掛けの人形」としてのルールーの動きが止められ、連れ去られてしまいます。ここではぐたんが「ルールー!ルールー!」って声を出して泣いていたのが印象的です。これはきっと、何か次につながる伏線なのでしょう。

ちなみに次回予告を見る限り、どうやらルールーはパップルたちに改造されて、再びクライアス社の手下としてプリキュアたちを攻撃してくるようです。ただ、そういうルールーに対して、プリキュアたちはいろんな戸惑いを隠せないようでもありますね。

前々から書いているとおり、このルールーちゃんの存在によって、「AIとかロボットには人間の気持ちが理解できるのか?」「ロボットには人間のような感情が芽生えるのか?」という主題が、どうやら今年のプリキュアの物語のなかにちりばめられているようにも思います。ここまでの展開では、ルールーはプリキュアたちの調査と称して、人間の世界にどんどん溶け込んでいく。そのなかで少しずつ人間的な感情を示し始めてきましたが…。次回以降は逆に、ロボットとして存在している以上、作り手の命令にどうしても従ってしまう側面を描くのでしょうか。もしもルールーちゃんの「作り手の命令にどうしても従ってしまう」側面を今後何回か描くとしたら…。それをプリキュアたちがどのようにひっくり返して、ルールーちゃんに人間的な感情を見出していくのか、そこが楽しみになりますね。



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大阪市の公立保育所職員対象の事故防止研修をやってみて思ったこと

2018-05-13 09:35:11 | 私の「仲間」たちへ

これから書くことは、おととい金曜日(5月11日)のことで、実はフェイスブックにも書いたことでもあるのですが。でも、大事なことだと思うので、ブログにも書いておきます。

さて、おとといの午後から、私は大阪市保育・幼児教育センターで公立保育所の職員対象の事故防止研修で講師を務めてきました。

まあ、例の保育事故防止や発生時の対応に関するマニュアルができたので、これを周知徹底する第一歩ですね(あらためて画像を貼りつけておきます)。ちなみに、5月は公立保育所職員対象(といっても全員ではなく、まずは所長さん・主任さんあたりが来るわけですが)、6月は民間施設の職員対象で、まずは「こんなマニュアルができたから、ちゃんと読んでね」(=「知らんかったとは、言わせないぞ」という意味でもありますが)という研修をやる予定になっています。

それで実際にどんな研修をしたかというと…。

まあ、1時間程度私の方から「こんな趣旨のマニュアルですよ」という説明をして、そのあと30分くらい4~5人でのグループ討論。そして残り時間で3つくらいのグループからどんな意見がでたか報告してもらって、その意見をもとに私がまとめの話をするという流れですね。

ただ、こちらとしては、できるだけ保育現場の職員のみなさんの気持ちをつかみながら、事故防止の取り組みに意欲・関心を高めていただくことを念頭において話をしました。

なので、たとえば…。

(1)「毎日朝から晩まで子どもや保護者と向き合って、ヘトヘトになっているときに、こんな難しいことばばっかりのマニュアル渡されたら読む気起こらんわ、なんていう人、いるでしょ?」とか、「文字を学ぶ前の子どもたちの世界にどっぷりとつかりこんで仕事しているから、そこからおとなの文字の世界に戻るのにハードルがいくつもあるでしょ?」という話を織り交ぜたり…。

(2)「マニュアル読めとか、マニュアルにもとづいて保育現場で職員間の事故防止についての話し合いをしろとか言われても、いったいどこにそんな時間があるの?って思うでしょ」という話を入れてみたり…。

(3)グループ討論の時間についても、「忖度とか飾りごととかいらないから、今の各保育所の事故防止の取り組みのありのまんまを話そう。できてないことは、できてない。やる気もおきないなら、やる気でない。まずは、それでいいです」というところから話をしていただくとか…。

まあ、そんな感じで、こちらは運営を心がけました。

また、折にふれて、うちの妻の民間保育園での調理場(妻=管理栄養士+調理員)と保育室(保育士)さんとの誤嚥やアレルギー事故防止をめぐるバトルの話も織り交ぜておきました。

そして、こういう話をひととおりした上で…。

(4)「マニュアル読めとか話し合いしろとかいわれても、もう、そんなの忙しくて無理…って思うかもしれない。でも、保育という営みが本来、養護・福祉、つまり子どもの命を守り育むという営みと、教育、つまり子どもが新たなことにチャレンジし、いろんなことを学び成長することを助ける営みとの両立によって成り立つのであれば、この事故防止の取り組みはまさに保育の本質である「子どもの命を守り育む」という部分にかかわる話です。だから、事故防止の話をすればするほど保育への理解も深まるはずです。そう考えたら、マニュアル読むなんて忙しいから無理…と思う時ほど、何が保育の本質かわからなくなってるときかもしれない。なので、仕事の優先順位を考えて、まずは事故防止の方に目が向けられるようにしてくださいね」

という形で、私からの話をしめくくりました。

要するに、保育現場に居る人たちの「良心」というか「矜持」というか、そこに訴えかけることを意識した終わり方にしたわけです。

すると、小グループ討論がめちゃくちゃ盛り上がりまして…。研修終わってからも保育・幼児教育センターのあちこちで続きやってる方見かけましたね。続きの話し合いが保育現場でできるような「サロン」がほしいと言って帰った人もいました。

なので、「ああ、いかに普段、この保育現場の人たち、ホンネで事故防止について話せる機会が持てていなかったのか」とか、あらためて実感した次第です。

ちなみに、上記(1)~(3)はそのまんま、今の保育事故防止に関する研究の抱えている課題であり、同時に学校事故防止に関する研究にもあてはまることです。すなわち…。

(1)事故防止のマニュアルつくったり解説本を書いたりしている研究者・専門職+保育・教育行政関係者は、「保育や教育の現場に届くことば」がなんなのかにあまり意識が向いていなかったのではないかと。だから、何も考えずにいると、研究者・専門職+保育・教育行政関係者は自分たちの専門領域のことば(あるいは行政のことば)をそのまんま、こうしたマニュアル類に書きこもうとする。なので、なかなか伝わらない。「これを理解するのには高度な知識が必要…」と、保育・教育の現場にいる人々に思わせてしまう。でも、実際はそうではなくて、保育や教育の現場で働く人々の感性、発想、思考のパターンに沿うように事故防止のメッセージを発信するということが、むしろ研究者・専門職+保育・教育行政関係者に求められているということでは?

(2)(1)と同様に、研究者・専門職+保育・教育行政の関係者は、事故防止のメッセージを発するときに、それを受け取る側の置かれている状態を考慮していない。いくらまじめに事故防止について考えようと思っている人でも、他の仕事に追われてクタクタになっていたら、考える気力すら起きない。また、事故防止についてまじめに保育・教育の現場で話し合おうとしても、その時間すらとれないくらいカリキュラムが過密化していれば、やはり話し合いは促されない。事故防止の取り組みを行うための「条件整備」として、こうした課題の解消が必要不可欠。

(3)「事故防止はかくあるべき」という理念、たてまえ、規範意識はとても大事。でも、それが強すぎると、「でも、それがなかなかできていない」という現状から出発する議論に、なかなかつながらない。「お前らかくあるべきなのに、できていないやないか!」と怒鳴られて、「はい、申し訳ありません、改善します」というだけのコミュニケーションに終わりがち。でも、ほんとうに大事にしなくちゃいけないのは、「かくあるべき」と思いながらも「なかなかできていない」現状を見つめて、「どこからだったら手がつけられるか?」を考え、地道にこつこつ改善していくこと。だとしたら、時には「かくあるべき」という話をいったん脇において、「いま、どうなっているの? できていないことはできていないでいいし、怒鳴ったりしないから、まずは正直に話をしてほしい」というところから議論をすすめたほうがいいのでは? でも、研究者・専門職+保育・教育行政の関係者は、「かくあるべき」の話をこれまで中心的にしてきたのではないか?(しかも、場合によれば「お前ら、こんなこともわからんのか!」みたいな怒りも込めながら…)

(4)そして、その研究者・専門職+保育・教育行政からの「かくあるべき」の話も、保育や教育の現場で働く人々の「誇り」とか「矜持」「良心」に訴えかけるような語り方ができていたのかどうか。「よし、現場は毎日いろいろあってしんどいけど、それでも自分はこの仕事に携わっている以上、この方向を大事にしてもう一度、がんばってみよう」と思えるような、そんな語り方になっていたのかどうか。

…というようなかたちで、「やっぱり、これまでの保育事故や学校事故研究の領域で語られてきた『ことば』の点検、吟味って大事だよなあ」ということ。そのことをあらためて今回の大阪市の公立保育所職員研修では思ったのでした。


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今日(5月13日)のプリキュアの話です。

2018-05-13 09:33:32 | プリキュア話

おはようございます。今日も日曜日なんで、いつものとおりプリキュアの話を書いておきます。

さて、今日はなんとまぁ「あまりプリキュアたちが登場しないお話」でしたねぇ。なにしろルールーちゃんとえみるちゃんがメインの回でしたから。これって、新しいパターンだなぁって思いました。ただ、ストーリー展開自体はお笑い入りですけど、中身にはけっこう骨がありました。

まず、はな(キュアエール)の家に居候しているルールー・アムール(=実は敵のクライアス社のバイト。なんでも杓子定規に扱うので、「機械仕掛けの人形みたい」と課長のパップルに言われている)が、近所のスーパーに大安売りの卵を買いに出かけます。

その通り道で、「プリキュアにあこがれてヒーローになりたい」という大金持ちのお嬢様・えみるちゃん(小学生)に出会います。このえみるちゃんも、今年春先のプリキュアに登場した子。えみるちゃんは超こわがりで、みんなをさまざまな危険から守りたいと思うのですが、いろんな場面でなにかと空回りする子です。でも、ルールーはそんなえみるちゃんのまわりにいる人たちが笑顔で、アスパワワに満ちていることを知ります。

一方、ルールーは誘われて、えみるちゃんの家に行くことに。えみるちゃんの家はお城みたいな大豪邸で、バイオリンやピアノもあります。でも、自分がほんとうに好きな楽器はギターなんだというと、ルールーは「音楽ってなんですか?」と。そこでえみるちゃんがギターをかなで始めると、ルールーは心に衝撃を受けます。「もっと聴かせてほしい」と。そしてギターの音を聞きつけてえみるちゃんの兄がやってきて、「この家のお嬢様にギターは似合わない。女の子らしく…」と言うと、ルールーは怒って「あなたはなに様なのか?」と言ってしまいます。

どうやら先週の放送分で保育園の赤ちゃんたちを守るためにオシマイダーの前に立ったり、今週はえみるちゃんのために怒ったり、音楽に感動したり…と。「機械仕掛けの人形みたい」だったはずのルールーには、だんだん「人間らしい感情」が芽生え始めつつあるようです。

そしてクライアス社の課長・パップルがオシマイダーをつかって街を攻撃し始めたとき、本物のプリキュアではないけど放っておけないと思って、「キュアえみーる」と名乗って、逃げ遅れた子どもをえみるちゃんは助けようとします。そこへ本物のプリキュアたち3人がかけつけて、オシマイダーをやっつけるわけですが。オシマイダーが去ったあと「こんな危ないことをよくやった…」というえみるちゃんに、ルールーは「私もそんなことをした」という話をします。

まあだいたい、今日のプリキュアはこんな展開でしたね。

そんなわけで実際にはな(キュアエール)、さあや(キュアアンジュ)、ほまれ(キュアエトワール)の3人が出てきたのは…。

・冒頭のはなの家の場面。「誰が安売りの卵を買いに行くか?」というところ。

・途中でさあやにほまれが演劇のオーディションのことを聴き、ほまれにさあやがフィギュアスケートの技のことを聴いて、「お互い、うまくいかないよね…」みたいな会話をする場面。

・ハムスターみたいな妖精がイクメンになって経営しているファッションのお店で、不思議な赤ちゃん・はぐたんと3人で過ごしている場面。はぐたんが「ほまれ」「さあや」と初めて言えるようになったシーンですね。でも「はな」とは言えなくて…。

・実際にオシマイダーを退治している場面。

・エンディングでルールーとえみるちゃんがいっしょにいるところに、プリキュアたちが「2人はどんな関係?」と聴く場面。

とまあ、この程度の場面でしかプリキュア、出てこなかったんですよ。意外でしょ?

それと、前にプリキュアたちがお泊り会(パジャマ・パーティー)をしたときに、プリキュアは4人居るという話をハリーがしていたかと思います。どうやらえみるちゃんはプリキュアになれそうもない(今日、ルールーのデータ解析ではそうなっていた)ので、あらためて「誰だろう?」ということになります。私は前々から「人間らしい感情に目覚めたルールーでは?」と思っているのですが…(敵だった存在がプリキュアに近づき、やがて何かのきっかけでプリキュアになるパターンは過去にもあったので)。

あと、クライアス社の課長・パップルが、プリキュアたちやえみるちゃんと一緒にルールーが居る場面を見てしまうところで今回、話が終わりました。この場面が今後の展開のなかで、どんな物語の流れにつながっていくのか、楽しみです。


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大川小訴訟での石巻市側「上告」に関して

2018-05-09 00:38:47 | 受験・学校

寝る前にひとことだけ、大川小訴訟のことで、今日(実際には日付かわったので5月8日(火)のことですが)、石巻市が最高裁への上告を決めた話について書いておきます。

下記2つの画像は、拙著『新しい学校事故・事件学』(子どもの風出版会、2017年)のなかでも使っている「AB図」と「ハの字図」です(写真で「図1」となっているのが「AB図」。「図2」が「ハの字図」です。このブログ記事では、「ハの字図」「AB図」の順に上から並んでいます)。

この大川小訴訟って、もう、このAB図とハの字図のモデルがぴったりくる形になってきて、正直なところ脇で見ていてつらいです。

たとえば、AB図は常に語っているとおり、多くの学校での重大事故・事件に際して、「これを機会に問題点を洗い出して学校を立て直そう、再出発しよう」という動き(=A)と、「一日も早くこのことは忘れて、事態を沈静化させよう」という動き(=B)とが、地域社会においていろんな形でうごめいている様子を示したもの。このBタイプの人々が地域社会に満ち溢れれば、当然ながら、学校での悲しい事故・事件でお子さんを亡くされた遺族や、重い後遺症のあるお子さんと暮らす家族は孤立を深めていくことになります。

また、ハの字図は、「事実を知りたい」と願う遺族・家族側が初期段階では学校の対応で遮られ、不信感をもつ。その次の中期段階では調査委員会に対して遺族・家族側が「事実を明らかにしてほしいと願う」が、その調査委員会がうまく対応しきれないこともある。そして、最後に訴訟の段階が来て、「法廷で事実を明らかにしたい」と遺族・家族側が願っても、訴えられた学校・行政側はますますそっぽを向いて、遺族・家族の願いからは遠ざかっていく。そのプロセスを、カタカナの「ハ」の字のような過程だと表現したのが、この「ハの字図」です。

このAB図もハの字図も、もともとはいじめ自殺とか熱中症死亡事故とか、そういう他の学校事故・事件の遺族・家族の置かれてきた状況を念頭においてつくったものなのですが…。でも、あらためて大川小訴訟の様子をマスメディア等で見聞きしたり、あるいは直接面識のあるご遺族や支援者のみなさんから話を伺ったりしていると、ほんと、このAB図・ハの字図の構図がくっきりと見えているように思えてなりません。

今日の石巻市議会臨時会で、市長の上告方針をうけての市議の意見の分かれようなんて、まさにAB図の構図ですよね。また、今日の臨時会での市長の説明や、その市長の出した上告方針に賛成する市議の意見とかを聴くと、ますます訴訟原告やその支援者たちは、「ハの字」の広がりを実感することになるでしょう。

そして、こういうハの字図・AB図の構図がくっきり見えるような状況に陥れば陥るほど、私は「いったい日本の学校事故訴訟って、何を問うているのだろうか?」と思ってしまいます。

もちろん、法的な手続き論からいえば、被告側には最高裁にまで上告する権利はあるわけです。ですから、そこは全部だめとは言い切れない面があります。

でも、その地裁・高裁・最高裁と訴訟が段階を踏むにつれて、訴訟という場を通して何らかのかたちで学校・行政に「道義的なもの」を問いたかった原告と、「まずは法的責任さえ免れたらそれでいい。なりふりかまわない」とすら思っているかのようなふるまいを見せる被告との間に、大きな意識のギャップが広がっていくように思えてなりません。

〔追記〕

報道陣からの電話取材は「原則お断り(=忙しくてとてもつきあってられない)」の住友ですが、きちんと大学や自宅近くまで来ていただいたら、こういうコメントはすぐにできます。いちばんありがたいのは、拙著『新しい学校事故・事件学』を読んで取材に来られる記者さんですね。こういう方は、ほんと、こちらの話の理解が早い…。


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大阪市こども青少年局作成の保育事故防止のマニュアルをいただきました。

2018-05-08 23:56:01 | 私の「仲間」たちへ

2017年度の大阪市こども青少年局の取り組みとして、民間の保育施設で使うことを念頭においてつくった「事故防止及び事故発生時対応マニュアル」の「基礎編」と「マニュアル作成の手引き」。そして、民間の保育施設で掲示していただくための事故防止の呼びかけのポスター(画像はその3つです)。

ようやくカラー印刷ができあがったようで、今日(といっても日付変わってしまいましたね。5月8日(火)のことです)、こども青少年局から大学宛てに届きました。

ちなみに私は2017年度、このマニュアル(基礎編・手引き)をつくる大阪市こども青少年局内の会議のアドバイザーを務めていました。これからこのマニュアル基礎編・作成の手引きを周知徹底するための研修・啓発活動に、大阪市こども青少年局のみなさんと取り組んでいくことになります。

さて、実際にこの両冊子の中身を考えて、保育現場のみなさんが読みやすくイラスト入れたり、レイアウトを工夫したりしたのは、全部、大阪市こども青少年局の保育士・管理栄養士・看護師・技能職員・事務職員のみなさんです。しかも、公立保育所の現場から市役所に移ってきたような、そんなスタッフさんたちばかりです。

私はそういう市役所のスタッフさんたちに、「みなさんの考えていることまちがってないから、自信もってやったらええ」という話と、「保育現場の人たちのたましいに呼びかけるような冊子にしましょう」という話をしただけです。

なので、これは、大阪市の公立保育所の現場にいるみなさんの「良心」と「底力」でつくったようなものです。

また、だからきっと、民間の保育施設の現場にいる人々にも、何か訴えかけるメッセージをもっていると思います。

たぶん近々、大阪市の市長さんが定例記者会見でこの冊子のこと発表されると思うんですが…。

でも、そのときには、「この冊子には、大阪市の公立保育所の現場で長年、働いてきた人々が大事にしてきたことがいっぱい、詰まっているものなんだ」と思って、定例記者会見の様子を見守ってください。

そして、もしも大阪市の市長さんに本気で保育事故防止に取り組む気持ちがあるなら、ぜひとも「各保育施設に1冊ではなくて、公立・民間のすべての保育施設職員に1冊ずつ、せめて基礎編だけでも配布できるくらいの印刷費の予算をつけてください」と、この場をお借りして訴えておきます。


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今日(5月6日)のプリキュアの話です。

2018-05-06 09:25:25 | プリキュア話

おはようございます。連休最終日ですが、日曜日でもありますので、いつものとおり今朝のプリキュアの話から書いておきます。

まず、今日はプリキュアたちの職場体験活動の日。はな(キュアエール)・さあや(キュアアンジュ)・ほまれ(キュアエトワール)の3人は、近所の保育園の1歳児クラスで1日保育士体験をするわけですね。そこへ不思議なあかちゃん・はぐたんとイケメン風に変身した妖精ハリー、そして、はなの家にホームスティしているルールーちゃん(プリキュアの敵・クライアス社のバイト)もついていく、という展開です。ただ、その1日保育士体験の様子をはなの母親(タウン誌記者)が取材する予定だったけど、急遽別の取材が入ったので「あとで話を聞かせてね」ということになりました。

さて、1日保育士体験に先だって、お勉強が大好きなさあやは保育士のテキストを一晩かけて熟読。その知識をつかって子どもたちとかかわろうとします。一方、そのさあやがもっていたテキストをルールーちゃんはこっそり速読し、すぐに暗記。ルールーちゃんもその読んだテキストの内容を使って、子どもたちとかかわろうとします。なにしろルールーちゃん、実は「機械仕掛けの人形」で、クライアス社のデータ解析と情報収集担当という設定ですので…。そして、そんなルールーちゃんとさあやはどっちが子どもとかかわるのが上手か、保育園で張り合ってしまいます。「意外と負けず嫌いなんだ」とつぶやくほまれ…。

でも、テキストどおりにはなかなか子どもたちとかかわれないもの。お昼寝の時間に一斉に1歳児たちが泣きだして、おろおろするプリキュアたち+ルールーちゃんに対して、保育士さんたちが子守唄を歌って寝かしつける…なんて場面もありましたね。

そんななか「園児たちの泣き声がうるさい。デザインのアイデアが消えるじゃないか」とクレームをつけてきたファッションデザイナーと、そのクレームに応対している保育士のトゲパワワをつかって、ルールーちゃんがオシマイダーを発注します。その様子を、クライアス社の課長・パップルが見ています。

当然、プリキュアたち3人は変身してオシマイダーとたたかうわけですが、泣いている赤ちゃんたちが気になってうまくたたかえません。特にはな=キュアエールは、ある赤ちゃんのおむつ交換のために、オシマイダーとのたたかいはふたりのプリキュアに任せて、保育室にもどってしまうわけで…。

でも、そんな苦戦するプリキュアたちを前に、お昼寝から目がさめてごきげんのはぐたんが、プリキュアの応援をはじめます。それにつられて、他の赤ちゃんたちも応援をはじます。そうすると赤ちゃんから生まれたアスパワワで、プリキュアたちがパワーアップします。

そしてなんと、今回最大のびっくりですが…。

プリキュアたちにとどめをさそうとやってきたオシマイダーの前に、なんと「やめて」とルールーちゃん割って入ります。ルールーちゃんのうしろには、たくさんの赤ちゃんが居ます。当然、そこですきができたので、プリキュアたちは反撃し、オシマイダーを追い返すわけですね。

こんな展開を見ておりますと、なんかプリキュアたちとかかわるなかで、「機械仕掛けの人形」だったはずのルールーちゃんにだんだん「人間の心」が備わってきて…。そのうちにプリキュアのひとりになるんじゃないか、なんて展開が見えてきました。もしもそうだとすると「敵からプリキュアが生まれる」という点で、かつてキュアパッションやキュアビート、キュアスカーレットがたどったのと同じ流れになっていきますね。たぶん5月~6月は、このルールーちゃんがプリキュアになるのかどうか、その物語でひっぱるような気がしております。

でも、実はもうひとり、先々、プリキュアになるのかどうか気になる子が居りまして…。それは「えみるちゃん」という小学生。春先の回でプリキュアたちに助けられた小学生です。この子も今後、どうなるんですかねぇ。来週の予告編では、ルールーちゃんとえみるちゃんが絡むようですが…。


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