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「不登校対策法案」は今国会の衆議院文部科学委員会で審議されないことになりました
(2016年05月25日 不登校・ひきこもりを考える当事者と親の会 ネットワーク)
上記のブログでていねいに経過報告がなされているとおり、例の「教育機会確保法案」(このブログでは「不登校対策法案」と呼んでいますが)は、今の国会では審議されないことになりました。
ただですねえ・・・。
この法案が5月上旬に衆院に出され、一度、衆院の文部科学委員会での審議を先週17日あたりに見送ったあとも、法案推進派が巻き返しをはかろうと、あるフリースクール関係者の呼びかけに応じて連日、関係する国会議員のところにファックスを送ったりとか、いろんなゆさぶりをかけようとしていたようです。そんな噂話が、私のところにまで届いてきています。
なので、この法案が今国会で審議されないことになったとしても、法案成立を推進したい側は夏の参院選後、秋頃に開かれる臨時国会あたりで、再び何かしかけてくることが予想されます。
ですから、今後もこの法案については、要注意。
法案成立を強く推進する側が秋までの間に何をしかけてくるかをあらかじめ想定しつつ、こちらからブログやSNSなどを活用して、積極的に「こんなもん、いらない」ということを言い続けていく必要があるな、と思いました。
それにしても・・・・。
もはや不登校の子どもたちの「当事者」団体は、法案推進派の側の団体だけとは限りません。
そのことは、この間の法案成立阻止の取り組みのなかで、明確になったことです。
また、今、法案推進派の団体が「子どもの最善の利益」とか「子どもの人権の尊重」を「錦の御旗」のようにして、法案の成立を急ごうとしていますが、同じように「子どもの最善の利益」や「子どもの人権の尊重」という観点から、法案は不要、急いで成立させる必要はないと主張する団体も出てきているわけです。
ですから、従来の法案推進派の側の主張は、この間の法案阻止の取り組みのなかで批判され、相対化されてしまったものでしかありません。
なにしろ、この間の動きのなかで、法案推進派がいう不登校の子どもの「最善の利益」や「人権の尊重」ということだって、そもそも「複数の考え方がある」ということ自体が明確になってしまったわけですから。
だから法案推進派が従来と同じことを主張して、超党派議連というルートを使って法案を通そうとしても、もはや「それって一部の人の声(それも、議員と仲良しの「声の大きい人」の声)を取り上げただけでしょ?」と言われて終わりです。
これから変わらなければならないのは、法案推進派の不登校の問題への認識ではないでしょうか。
「あなたたちだけが、不登校の子どもたちの利益や、その子どもたちの人権の諸課題を論じているわけではない」
このことをあえて、ここで強調しておきたいと思います。