さきたま自然日記(別館)

埼玉中心になんでもありの写真日記です。
花鳥風月、自然を中心に撮ってます。

ゼフィルスの仲間・ミドリシジミとウラナミアカシジミ

2015年06月07日 | 昆虫
テングチョウに続いて、今回はミドリシジミ(緑小灰蝶)とウラナミアカシジミ(裏波赤小灰蝶)です。

この日は、通称「ゼフィルス」という愛称で人気のある樹上性のシジミチョウの内、ミドリシシジミとウラナミアカシジミが同じ日に見る事が出来ました。

そう云えば、もう6月、ミドリシジミが羽化する季節に入っていたんですね。

フクロウ観察の合間に、Mさんから「ミドリシジミが出てましたよ!」と聞き、林を歩くと、早々にミドリシジミ(緑小灰蝶)が登場。



ミドリシジミの事は、過去何度かこの季節になると取り上げてるのですが、何度見てもきれいな蝶です。

ミドリシジミの雄は、翅表の表面がコバルトグリーンですが、光の具合によって、コバルトブルーにも見えます。

雄は、夕方に活発に活動し、樹上で縄張りをつくることも有名で、雄同士が、もつれ合って飛ぶ場面をよく見かけます。



反対に雌は、翅裏の模様は雄と同じようですが、翅表は黒茶色で地味です。

ミドリシジミの食草は、ハンノキ、ヤマハンノキ、ミヤマハンノキなどですが、この林にはたくさんのハンノキがあるため、埼玉でも有数の繁殖地なんです。



さて、面白いのは、雌の翅表には、赤い紋や青い紋、紋の無いものなど、個体変異があり、6種類の形があるんです。

それぞれ、紋の形や色によってA型・B型・AB型・O型・OA型・OAB型に分けられます。

(以前書いた時は、4種類の分類で書いたのですが、厳密には、その混合体もあるようで、6種類に分類されることもあるようです)

まるで、人間の血液型のようですが、血液型によって、性格が違うのでしょうかね。(笑)

この雌は、A型でしょうか。薄いオレンジ色の紋が2つ見えますね。

分かり辛いので、角度を変えたものも載せてみました。



参考までに、以前撮った他の形も載せてみました。(2012年在庫から)

画像を並べる為、写真を小さくしましたが、紋が無い左が「O型」、ブルーの紋が入った右が「B型」でしょうか。

上の個体と比べて、紋の色や形が違うのが分かりますか??

   

このミドリシジミは、各都道府県でも、レッドリストに指定されてるところが多く、埼玉県でも準絶滅危惧種に指定されています。

もちろん、埼玉県の県蝶なんですよ






さて、次は同じくゼフィルスの仲間、ウラナミアカシジミ(裏波赤小灰蝶)です。



この林で、ミドリシジミと同時に見つけたのは初めてで、ラッキーでした。

初めはヒラヒラと派手なオレンジ色だったので、蛾かな?と思ったのですが・・・・・・・

鮮やかなオレンジ色が綺麗です。



この蝶も、ゼフィルスの仲間で、昼間は、葉に止まってジッとしてるので、早朝か夕刻の方が見つけやすい蝶です。



食草は、クヌギ、アベマキ、ウバメガシなどで、ミズナラ、コナラ、ナラガシワも食草とすることがあります。

翅裏は、ハデハデ模様で良く目立ちますね。

何とか翅を広げてくれないかと期待したのですが、せいぜいここまで・・・・・

翅表は鮮やかなオレンジ色です。





次回は、ミドリシジミの雄をもう少し取り上げてみたいともいます。


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テングチョウ(天狗蝶)

2015年06月05日 | 昆虫
鳥見の合間に、林の中を歩いてみると、きれいな蝶たちの出会うことがあります。

今回は、そんな合間に見つけた蝶の内、懐かしいテングチョウ(天狗蝶)の事を書いてみます。

テングチョウとの出会いは、はるか昔の高校生の頃でしょうか。

その頃、友達の中に昆虫好きがいて、見よう見まねに始めた昆虫採集。

このテングチョウには、昆虫採集に出かけた大阪の「箕面の滝」で出会ったのが最初なんです。

その当時は、特に珍しい蝶でもないのに、この不思議な鼻を持ったテングチョウにときめいたものです。



林の中を歩いてると、2頭のテングチョウが、傍らの花が咲く小ぶりの樹の周りを飛んでいます。



テングチョウ(天狗蝶)

タテハチョウ科テングチョウ亜科に分類される蝶で、テングチョウ亜科は全世界に10種類ほどが知られてますが、日本に分布するのは1種類だけです。

全国に分布し、食草はエノキなどです。

さて、名前の由来は、見ての通り頭部の触角の内側に前方に伸びる突起が天狗の鼻のように見えることからこの名前が付けられました。



分かりやすいように、写真を大きくトリミングしたものを載せてみました。

この突起はパルピ(下唇ひげ)という器官で、ほかの蝶にも見られますが、テングチョウのパルピは、長くてよく目立ちます。



低山地の雑木林に多く、時々集団発生することがありますが、成虫のまま越冬し、早春から飛びはじめ、秋まで見る事が出来ます。

冬でも、暖かい日に、陽だまりなどで時々見かける事もありますね。







そしてもう一種類は、ヒメジャノメ??

実は、ヒメジャノメとコジャノメ、見分けがつきにくいんです。

まず、悩んだのは、ヒメジャノメは後翅裏面の大きな目玉模様の上に並ぶ小さな目玉模様の数が3つ(コジャノメは4つ)のはずなのに・・・・

よく見ると、4つありますよね。

しかし、今回は、裏面の縦に走る白い線が直線的で、幅が狭く、全体に明るい色なので、ヒメジャノメ・・・・ということで・・・・

もし、間違ってたらご指摘くださいね。



次回は、可愛いゼフィルスを載せますね。




おまけは、カイツブリの雛です。

小さな池には4羽ほどの雛が、だいぶ大きくなってました。1番子かな??

一生懸命、羽ばたきの練習中だったので、チョコッとお邪魔してみました。





例年観察してたO公園のカイツブリたちも、順調に子育てが進んでるようです。
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オオヨシキリ(大葦切)2015

2015年06月03日 | 野鳥
いよいよWindows10の発売日が7月29日に決まりましたね。

Windows 7/8.1向けの無償アップグレードについても、ダウンロード提供が開始されるようなので楽しみです。

我が家のPCは「Windows7 SP1」、アップグレードの対象になってるのですが・・・・・昨日PCを開いてみると・・・・

画面の下にあるタスクバーには、Windouws10を入手するためのアイコンが表示されてます。

定例のWindows Update時に、自動的にダウンロードされていたようです。

まだ試していないのですが、ここをクリックして、手順通り予約をすると、順次自動的に無償でアップグレードしてくれるようですね。

詳しいことはこちらのサイトを見て下さい。

バージョンアップされると、新しい機能が追加されて、慣れるまで大変そうです。

ただ、ちょっと心配なこともあります。

◎今まで使っていたソフトが、そのまま使えるか?

◎もしバージョンアップに失敗したら、旧バージョンに戻せるのか?

どちらにしても、自己責任で、試すことになりそうです。

もう少し、状況を調べてから、実行してみようかな!!



話が、冒頭から脱線してしまいましたが、本題に入りますね。

オオヨシキリの写真をアップする予定だったのですが、いつものように、うっかり忘れてました。

そこで、今回はオオヨシキリです。

夏の風物詩として有名で、昔から日本人にはお馴染みの野鳥。

でも最近は、皆さん、綺麗な鳥や珍鳥には興味があるようですが、なかなか鳥撮りさんたちの対象にはならないようです。

オオヨシキリ(大葦切)

もともとウグイスの仲間ですが、ヨシキリは日本ではオオヨシキリとコヨシキリが有名です。

大きさによって区別してるんでしょうね。



「鳥名源」によると

どちらも葦原を棲みかとしていますが、オオヨシキリとコヨシキリは、混群となるのではなく、葦原の内部と外周部で棲み分けをしてるようです。

また、オオヨシキリは複雑な囀りが「ギョギョシ、ギョギョシ」と聞こえる事から、その名称を漢字では「行行子」とも書かれ、珍しがられて、俳人、歌人に人気があったそうです。





それにしても、大きな声は賑やかで、葦原で一斉に鳴く声はうるさいほどです。



口ばかりでなく、背中姿も見て下さいね。



日本に渡来したと同時に、お嫁さんを迎え入れる為の縄張り確保が大変!!

あちこちの高い所で、自己アピールを始めますが・・・・まずは穂先で…



次は、ちょっと珍しい、高い木の枝で囀ってます。



次の写真は、辺りを見渡しながら、自分の縄張りを確認中???



折角飛び出してくれたのに、後ろへ・・・・



でも、このオオヨシキリが可愛そうなのは、カッコウの仲間たちが、このオオヨシキリの巣へ托卵するんです。

托卵されたオオヨシキリは、自分より大きなカッコウなどの子供を育てることになります。

もちろん、自分の子供と思って育ててるんですが・・・・
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