アガサ・クリスティの同名のミステリーを、ケネス・ブラナーの監督、製作、主演で映画化。ジョニー・デップ、ミシェル・ファイファーら、豪華キャストが共演しています。
オリエント急行殺人事件 (Murder on the Orient Express)
ホリディシーズンらしい華やかな雰囲気を楽しみに見に行ってきました。アガサ・クリスティはその昔、大流行しましたが、私は原作も、1974年の映画も見ていないのです。で、禁じ手ですが、映画を見る前に結末(犯人)だけチェックしておきました。こう言うと、人からびっくりされますが...^^;
既に名作として、人々に知られているこの作品。私にとっては学校の理科の実験と同じで、結果がわかっていた方が、過程を楽しめるのでは?という読みがありました。実際、登場人物など詳しい情報はほとんど入れていなかったので、ポアロのアプローチや犯人の反応など、違う視点から新鮮に楽しめたように思います。
キャストも、ケネス・ブラナーとジョニー・デップが出ている...くらいしか知らなかったので、デイジー・リドリー、ペネロペ・クルス、ジュディ・デンチなど、思いがけないメンバーが続々登場してわくわくしました。久しぶりに見たペネロペは修道女という役どころで、いつもと雰囲気が全然違って途中までまったく気がつきませんでした。
それから一番のサプライズは、バレエダンサーのセルゲイ・ポルーニンがアンドレニ伯爵役で出演していたこと。キレやすいバレエダンサーという役どころは当て書きでしょうか。セリフはほとんどありませんでしたが、序盤にキレキレの足技を見ることができてうれしかった。
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オープニングがエルサレムの嘆きの壁というのは、トランプの問題発言があったばかりの今、あまりにもタイムリーでした。盗難事件が起きて、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教の聖職者3人が容疑者として衆人の前に出されるのです。そこでポアロの推理が始まって... 結果次第では洒落にならないと思ったら、絶妙のところに落ち着いてほっとしました。=3
そして本作の魅力はなんといっても、1930年代の豪華列車の旅。登場人物たちの華やかなファッションや、車内の贅沢な設え。雪深い山の中を列車が煙を上げながらぐんぐん進む姿は、まるでポーラー・エクスプレスみたい。列車が脱線して動けなくなったのは、急峻な山腹に高く組まれた橋の上。スリリングな展開を盛り上げていました。