セレンディピティ ダイアリー

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菜香新館 :横浜中華街で飲茶

2018年11月11日 | グルメ

横浜中華街の菜香新館さんで飲茶を楽しみました。週末の中華街は大賑わいなので、駐車場から本通りを通らずに直接お店に向かいました。予約をしていなかったので待つのは覚悟の上でしたが、30分くらいだったでしょうか。意外と早く感じられました。

点心を中心に食べたいものをあれこれと。といいつつ、いつも定番のお料理ばかり選んでしまいますが、どれもおいしくいただきました。

にらまんじゅう。皮の焼き目がたまりません。

青菜の炒めもの。たしかタアサイだったかな...?

小籠包。熱々のスープがこぼれないように、慎重にレンゲに乗せていただきます。^^

ほっかほかのチャーシューまんじゅう。甘辛く味つけたチャーシューが最高です。

次々と蒸籠が運ばれてくるとわくわくしてきます。お茶はプーアル茶にしました。何度もお代りの差し湯をしてたくさんいただきました。

春巻き。パリッとした皮、揚げ色が美しい。

干し貝柱の入った大きめの焼売。大好きです。

ハスの葉に包まれた中華おこわ。

葉を開いて、ごはんをくずしたところ。骨ごとたたいた鶏肉が入っているので、小骨に注意して。おなかいっぱい、おいしくいただきました。

売店でおみやげも買いました。チャーシューまん、肉まん、胡麻あんのミニ月餅。瓶に入った油辣椒は食べるラー油です。悟空さんのプーアル茶もありました。

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Il Figo Ingordo :六本木の路地裏イタリアン

2018年11月10日 | グルメ

美術展の後に、六本木の裏通りにある隠れ家的イタリアン Il Figo Ingordo (イル・フィーゴ・インゴルド)にお昼を食べに行きました。以前、偶然お店の前を通ってから気になってチェックしていたお店です。

(お店のサイトからお借りしました)

茶系を中心とした温かみのあるインテリア。飾らない雰囲気がほっと落ち着きます。人気のお店で席はほとんど埋まっていましたが、すぐに座れてラッキーでした。私たちはパスタに前菜、パン、エスプレッソがつくコースをいただきました。

こちらのお店、とにかく前菜がすごいのです。カウンターに10種類以上のお料理が並んでいて、お皿に好きなだけとっていただけます。イタリアの家庭のお惣菜風のお料理はどれもとってもおいしそう! 欲張らないように少しずつ取りましたが、それでも全部のせるとお皿がいっぱいになりました。

白身魚のエスカベッシュ(南蛮漬け)、イタリアンサラミ、白いんげん豆・トマト・赤たまねぎのサラダ、マスタードの入ったロシア風ポテトサラダ、青海苔を混ぜ込んだふわふわの揚げもの、鶏肉の唐揚げ風のお料理、生ハム、豚肉の角煮風のお料理、クスクス、茄子のグリル、ブロッコリーのソテー

こうして書き並べてみると、味付け・調理法はイタリアンですが、日本のお惣菜にも近いものを感じます。

パスタは5種類くらいある中から選びます。名前をきいただけではわからないパスタもありますが、お店の人が注文の際に見本を見せてくれます。これは、パッパルデッレという幅広パスタ。ラグー(ミートソース)であえてあります。

私は、赤海老とエリンギのリングイネをいただきました。海老の頭と味噌が入っていて濃厚なお味が楽しめました。エリンギは手で細く裂いてあって、ソースがよくからみます。私はいつも包丁で切ってましたが、これからこうしようと思いました。^^

5種類のパスタの中にグラナパダーノというチーズのリゾットがあり、注文する時はあまり食指が動かなかったのですが、これがすごいのです。樽のような大きなチーズをくり抜いたところにリゾットが入っていて、お客さんの目の前でサーヴしてくれます。他の方が頼んでいたのですが、目が釘付けになりました。

(お店のサイトから。夜もすてきですね)

お会計の時にスタッフと話をしていたら、自由が丘のBAKE SHOP (IDEEの上) と、北参道のシーフードイタリアン Bogamari (ボガマリ)も系列店だそうです。そういえば、どちらも気さくな雰囲気がどことなくこちらのお店に似ています。前菜を楽しみにまた訪れたいと思います。

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ピエール・ボナール展

2018年11月09日 | アート

招待券をいただいて、六本木の国立新美術館で開催中の「オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展」(~12月17日まで)を見に行きました。オルセー美術館のコレクションを中心に、130点以上の作品で構成される過去最大級の回顧展です。

ボナールは、ナビ派(ゴーギャンに影響を受けた芸術集団)の一員として19~20世紀に活躍した画家。日本の浮世絵に影響を受けて、平面的な装飾絵画や、掛け軸風の縦長の作品、屏風まで作っていて「日本かぶれのナビ」という異名もあるそうです。

【関連記事】オルセーのナビ派展 (2017.3)

私がボナールの作品に何より魅力を感じるのは、彼の作品にあふれる明るさや温かさ、そして豊かさ。例えばゴッホのような、狂おしいほどの情熱には欠けるかもしれませんが、ただひたすらに幸福感を与えてくれる作品でした。

身の回りの世界を愛情深く、親密に描いた作品の数々が、当時の人々に装飾画として人気を集めたというのも納得です。かくいう私も、ワシントンのナショナルギャラリーにある、ボナールの Table Set in a Garden という作品が好きで、長らくポスターを飾っていた時期がありました。

モネ、ルノアール、マティスなどとの華やかな交友関係。ニースに近いル・カネの別荘。当時まだ珍しかった写真や映像といった表現方法をいち早く取り入れる行動力。ボナールが豊かで満ち足りた人生を送ってきたことが、彼の画業から伺えました。

アンドレ・ボナール嬢の肖像、画家の妹 1890年

真っ赤なスカートとかわいいわんちゃんに目が釘付けになりました。ボナールは動物好きで、猫1匹と犬4匹を飼っていたそうです。縦長なのは、ジャポニスムの影響でしょうか。

大きな庭 1895年

妹夫婦の別荘でのひとこま。一面のグリーンが美しい。

フランス=シャンパーニュ 1891年

一見ロートレックみたいですが...^^ 初期の頃のボナールは、リトグラフによるポスターや本の挿絵、版画集の制作に取組んでいたそうです。

化粧室 あるいは バラ色の化粧室 1914-21年

ボナールは妻マルトのヌードをたくさん写真に収めていますが、同じくマルトの裸婦像も数多く残しました。モデルのバラ色の肌と、バラ色の室内装飾がよく調和し、光あふれる美しい作品でした。

ル・カネの食堂の片隅 1932年

ボナールが描く食卓の風景が好きです。これは別荘のあったル・カネの食堂の風景。赤・黄色・ピンクと、色のバランスがすばらしい。

セーヌ川に面して開いた窓、ヴェルノンにて 1911年

マティスの「開いた窓」の影響を受けた作品。マティスはニースに別荘があり、ボナールと交流がありました。印象派の影響を受けた「ボート遊び」という作品もありました。

アンティーブ(ヴァリアント) 1930年頃

アンティーブは、ニースに近い町。太陽がきらめく美しい夏の風景です。

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遊 中川 本店 &茶論 奈良町店

2018年11月06日 | +奈良

三輪山から奈良にもどって、旅の最後に奈良町の「遊 中川 本店」に入っている喫茶「茶論」(さろん)でお茶の時間をすごしました。

「遊 中川」は中川政七商店の中の、主に布製品を扱う和雑貨のブランド。中川政七商店は、享保元年(1716年)に奈良に創業した奈良晒とよばれる麻織物の問屋さんですが、2008年に跡を継いだ13代社長がビジネス感覚に優れた方で、問屋業から生活雑貨の小売業へと業務転換を図り、今では全国展開する人気のお店となりました。

奈良町の本店は、古い商家の風格を残しつつ、洗練されたシックな空間でした。平日に一度訪れたときに、奥に喫茶があるとうかがっていたので、再び足を運んでみました。

喫茶はテーブル席がいくつかある他は、お座敷となっていて、廊下をはさんでこじんまりとしたお庭が見渡せました。こちらでは喫茶の他にお茶室があり、茶道の教室も開かれているようです。

襖にはお店のトレードマークにもなっている鹿さんが描かれていました。お座敷にあわせて古びた絵に見えましたが、ひょっとしたら新しく描かれたものかも?しれません。

私は抹茶ラテをいただきました。濃茶のおいしさが体にしみわたります。鹿の浮彫のついた小さなお干菓子とともに。

フレンチプレスで淹れるコーヒー。

これは抹茶のアフォガード。

温かい濃茶と冷たいアイスクリームとのコンビネーションがたまりません。

お座敷からお店の様子が見渡せます。問屋さんの時の名残りの造りなのでしょうね。

おみやげは平日に来た時に、ほとんどこちらでまとめ買いしました。中川さんは都内にいくつもお店がありますが、これは奈良限定ですよ、とお店の方に上手に勧められ、ついいろいろと買ってしまいました。左奥の缶に入っているのは人間用の鹿せんべいです。^^ 人に差し上げるのにいくつかまとめて購入しました。

奈良旅行記はこれで終わります。最後までおつきあいくださり、ありがとうございました。

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小説「奔馬」の舞台 三輪山へ

2018年11月04日 | +奈良

朝から気持ちよく晴れた最終日、三島由紀夫の小説「奔馬」(ほんば)の舞台となった三輪山に登ってみようと思い立ちました。いつか機会があったら訪れたいと、長らく心の中で温めていた場所です。(三島由紀夫「奔馬」の感想

三輪山は大神(おおみわ)神社のご神体で、山そのものが信仰の対象となっています。そのため入山に際しては、撮影、飲食、トイレ、木の伐採すべてNGと厳しい約束事があるようです。ちょっぴりドキドキしながら、まずは大神神社をめざしました。

大神神社は、JR奈良駅から桜井線に乗って30分弱、三輪駅から歩いて10分のところにあります。小さな駅ですが、この日は大神神社で大きな祭事が営まれていて、屋台が並び、おおぜいの参拝客でにぎわっていました。それでも二の鳥居から参道に入ると、うっそうとした杜に厳かな空気を感じました。

大神神社の境内の奥まったところに、荒魂(あらたま)を祀る狭井(さい)神社があり、三輪山の登拝口は、狭井神社の境内にあります。入山する前には禰宜(ねぎ)の方から注意・説明を受け、登拝申込書を出さなければなりません。

山登りをする物好きがそうそういるとは思わなかったので^^ もっとひっそりとした神秘的な空間を想像していましたが、登拝者がおおぜいいてびっくりしました。といっても「奔馬」とは関係なく、昨今ここはパワースポットとして人気を集めているようです。

***

入山中は撮影禁止で写真がないので、私の下手な説明でご容赦を...。三輪山は、頂上にあたる奥津磐座(おくついわくら)まで片道1時間半の道のりです。それほど急ではありませんが、ぬかるみや滑りやすい場所もあるので、神社にある杖を借りると歩きやすいかと思います。神の山ということで、裸足で登っている方も結構いらして驚きました。

途中の中津磐座(なかついわくら)までは沢や滝があり、せせらぎを聴きながら楽しく登れましたが、後半はやや退屈するかもしれません。でも緑の木々に包まれながら、高みを目指して無心に登ることは、なかなか得難い経験でもありました。

山道の途中に、三光の滝があります。小説の中で狂言回しをつとめる本多が、亡くなった親友 清顕の生まれ変わりを見つけるドラマティックな場面です。ベニヤ板でできた粗末な脱衣所があるだけの場所ですが、「また会おう。滝の下で」という台詞とともに鳥肌が立ったことを思い出しました。

三輪山に登った後に、大神神社を参拝しました。日本最古といわれる由緒ある神社です。小説ではここで剣道大会が開催され、上司の代理で来賓として出席した本多は、ここで本作の主人公である凛々しい少年剣士 飯沼勲に出会います。

さて...三輪といったら三輪そうめん。大神神社の二の鳥居のすぐそばにある そうめん処 森正 (もりしょう)さんでお昼をいただくことにしました。堂々と風格のある門構えが目を引きます。麻の暖簾をくぐって中に入ると、よしずが掛けられ、玉砂利を敷き詰めたお庭で食事ができるよう設えてありました。重厚な旧家の風情を楽しみつつ、ほっと人心地着きました。

そして氷できゅっと締めた冷やしそうめんのおいしいこと! 生き返りました。こちらでは、同じく奈良名物の柿の葉寿司もいただけます。

【関連記事】
「潮騒」の舞台 神島 (2009.5)
「氷壁」の舞台 上高地・徳沢小屋 (2009.8)
「春の雪」の舞台 鎌倉文学館 (2011.11)
「獣の戯れ」の舞台 黄金崎 (2014.1)
「ゼロの焦点」の舞台 ヤセの断崖 (2016.8)

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若草山ハイキング

2018年11月01日 | +奈良

奈良旅行記の続きです。

法隆寺から奈良にもどって、午後は奈良公園に隣接する若草山に登ってみることにしました。標高342m。山というより丘とよびたくなるような、片道50分ほどで登れるなだらかな芝生の山です。

若草山は菅笠を3つ重ねたような形をしていることから三笠山という別名があります。といっても、万葉集に歌われている三笠山は、春日山のことを指しているそうです。ややこしいですが現在は 若草山=三笠山、春日山=御蓋山 と書いて区別されています。

奈良公園の中を通って、若草山の登山口へと向かいます。奈良公園にはこの日も鹿がいっぱいいて、観光客たちを喜ばせていました。凛々しい若鹿の姿に思わずパチリ。ハートのおしりもかわいいな。

若草山に登るには、南・北2つのゲートがあります。開山期間は3~12月で、入山料がかかります。(詳細コチラ) 私たちは北ゲートから入りました。青い空に緑の芝生がきれい~♪ ピクニックが気持ちよさそうです。

北ゲートからの道はこんな感じ。舗装はされていませんが、丸太の階段がついていて上りやすい。少し急なところもありますが、和服に草履の外国人の方も上っていましたよ。この階段を上りきると...

一重目の頂上に着きます。広場のようになっていて、奈良公園から遠く奈良盆地まで見渡せました。

ここにも鹿の姿がそこここに。思わず寝転びたくなるような美しい芝生ですが、落とし物があるのでご注意を。(^_-)-☆

私だけさらに二重目、三重目の頂上まで上ってみました。美しい奈良盆地の眺めです。山裾に広がっている広大な緑は、春日大社の杜です。

再び家族が待つ一重目の頂上にもどりました。日が陰り始めると、鹿が一匹、また一匹と何かに導かれるように広場を離れていきました。どこに行くんだろう?と後について、南ゲートへのルートを歩いていくと...

途中で、山の上から、山の下から続々と鹿が集まってくる場所がありました。どうやらここが鹿たちのねぐらとなっているようです。

中には立派なツノをもつ鹿さんも。

南ゲートへの道は石畳に整備されていて歩きやすかったです。陽当たりがいいので鹿たちもこちらのルートが好きみたい?

南ゲートに着きました。山裾の芝生にもいつの間にかたくさんの鹿が集まっていました。この鹿さんたちはここがねぐらになっているのかな? 穏やかで平和な風景でした。

追記: ところで、これだけの美しい広大な芝生をどうやって維持しているのだろう?と思ったら、毎年1月に若草山では山焼きを行っているそうです。なるほど! あとは鹿さんたちが食べてくれることが、自然と芝刈りになっているのでしょうね。(^_-)-☆

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