横浜焼売(シウマイ)物語2025

ハマっ子のソウルフードは崎陽軒のシウマイ。漫画書き柴犬溺愛落語らぶ晴れ時々ランニング、更新随時

遅夏休みin長野・前

2016-10-29 | 落語ラブ
前回のお話「遅夏休みin長野・序」はこちら

さて、
信州凛語寄席(しんしゅうりんごよせ)は、長野のドンちゃんが有志とともに毎年開催している地方寄席です。
りんごは長野の象徴、そこに長野の空気感を感じさせる『凛』と落語『語』を当ててドンちゃんが名付けました。

今年は『柳家喬太郎&入船亭扇辰」というコアで売れっ子なお二人の共演。
落語好きならもう是非聞きたい!!という素晴らしいコラボ。
喩えて言えば、「シン・ゴジラ」と「君の名は」の二本立て…、
あるいは、鎧塚シェフと道場六三郎氏の共演か…
カープ黒田と日ハム大谷の直接対決…。

会場は、長野市芸術劇場リサイタルホール

タクシーに分乗していざ出発。
へへへ、ここで天国を味わいました。
な、なんと!
恐れ多くも畏くも、
人数と体型?関係で私目が両師匠に挟まれる形(刑事ふたりに連行される犯人みたいな感じ)で
タクシーの後部座席に同乗!!

会場楽屋口前にはすでに喬太郎師匠のファンと思しき女性達がたむろしている中
あの真ん中の女は誰なの?!って視線を感じつつ(あくまで個人の感想です)
会場入りさせていただきましたー。
お姉様方ごめんなさーい(低頭)

師匠おふたりが楽屋に入ると、
みんなで手分けして設営開始。

音合わせ、というか、マイク音響調整中。

わかる人にはわかるコアなツーショットです。

ちょっと複雑なつくりの会場に戸惑いながら機材を設置してきます。

緋毛氈座布団などは持ち込み、
めくりは手作り。


わたしは雑用とテケツのもぎり拝命。
馬車道まつりで鍛えた営業スマイルとご挨拶がここで活きました。

お客様も入場していよいよ本番です。

(続きます。)
前回のお話「遅夏休みin長野・序」はこちら
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<お知らせ1>
今年もやります!清五郎農園の愛媛みかん!!直接販売!!
今年の早生ミカンも美味しいよ♪
場所:馬車道祭り会場
日時:10月31日〜11月3日

赤いのぼりとトナ・カイが目印、ワゴンの場所は多分関内ホール向かい山下眼鏡店の前あたり。

遊びにきてください。
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<お知らせ2>





遅夏休みin長野・序

2016-10-27 | 落語ラブ
ようやく秋の気配ですが、ちょっと前までは『夏か?!』な陽気。
それが理由というわけではありませんが、10月に入ってから遅い夏休みをもらい長野へ出かけてきました。


覚えていますか。去年の軽井沢の落語会を。
その時お世話になった皆さんから再三お誘いを受けていましたもう一つの寄席。
今年は世話人のひとりhさんからの「摂さん、喬太郎師匠と飲めるかもしれませんよ〜」という殺し文句につられてしまったのでございます。

わーい♪長野北陸新幹線だー!かがやきだー!!

お昼を目指して長野入り。

懐かしい皆さんと再会を祝し、さらに今回の寄席に登壇される柳家喬太郎師匠入船亭扇辰師匠とともに

善光寺前の料亭「旬花」さんへ。


こちらのつい立ての文字は、寄席文字の橘右京師匠の手によるものです。

この後、お昼とは思えないめくるめくご馳走の数々。

正面に両師匠がご着席になられて、もうどうしてよいかわからないまま、黙々と箸を運びました。


こ、この煮卵の天ぷらが、んマーーイ!!!


蛸です、蛸。やわらかくって、ホックホク。


待機中の松茸ご飯!!!

ご亭主手打ちの信州そばもあったのに、撮り忘れています。
デザート。

別腹ではないので、ここにたどり着くためには、メインの食べ方を調整しないとはいりません。
今回はドンちゃんに助けてもらいました、ありがとう!!


この器、とても持ちやすくて素敵だなー、と思っていたら
女将(松たか子似の超美人)が
「それね、堺雅人さんの弟さんの作品ですよ、陶芸家でいらっしゃるの。以前こちらで作品展をしていただいたんです。」と教えてくださいました。


お料理が一通りすみ、師匠方はタバコ&お土産購入タイムで中座。
ここで我にかえり、横浜から持ってきた手土産を引っ張り出しました。
ようよう戻られたおふたりに渡すことができた次第。
ちなみにお土産は崎陽軒のシウマイまんじゅう

後日談ですが、大手町での高座で喬太郎師匠が枕にシウマイまんじゅうの話をさりげなく入れてくださって、『まんじゅうこわい』の一席。
この会に臨場していた友人から早速連絡をもらい、ひとりニヤニヤしてしまったのであります。

この日の各自分担打ち合わせもすみ、いよいよ、会場に向かいます。
<続く>
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<お知らせ1>
今年もやります!清五郎農園の愛媛みかん!!直接販売!!
今年の早生ミカンも美味しいよ♪
場所:馬車道祭り会場
日時:10月31日〜11月3日

赤いのぼりとトナ・カイが目印、ワゴンの場所は多分関内ホール向かい山下眼鏡店の前あたり。

遊びにきてください。
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<お知らせ2>

発券証明

2016-10-25 | 落語ラブ
わわわ!
やっちゃったよー
前売り券をシュレッダーにかけちゃったぜー!!!
楽しみにしていた、キョンキョン(柳家喬太郎師匠)と桃月庵白酒師匠の二人会。


というわけで、
必死の思いで会場である関内ホールに電話

「あのー今日の前売りチケットをですね
いえ、当日券ではなく、前売りの方です。
…片付けの勢いでシュレッダーに投入してしまいまして、
はい。
その時の私めの雄叫びはご想像にお任せいたしますが…はい、
....いま吹かれましたね。いいんですよ笑ってください。
で、ですね。やっぱりおかしいですか...ですよね〜。
それで、
この場合ですね、ええ、
再発行ということは可能なのでしょうかしら、どうかしら???」

このチケットは、関内ホールの販売なので購入時に名前と連絡先を記入しています。
なので、本人確認ができて、なおかつ当日その席に他の人が着席している人がいなければ
発券証明を出しますので入場は可能。という説明を受けました。
指示通り、開演5分前に指定のカウンターへ。


おかげさまで無事入場。

この日、実は喬太郎師匠は柳家さん喬一門会に出演中。
ほぼ一日ぶっ通しで、入れ替わり立ち替わり一門の噺家さんたちが高座に上がりという
とっても贅沢な会@東京大手町ホール
なのになぜ横浜の関内に???

お分かりですね。掛け持ちなんです。
実は午前中大手町で一席、その足で東海道線、京浜東北線を乗り継いで
関内ホールで二席。トンボ帰りで大手町に戻りさらに二席。
というハードスケジュール。

なぜ知っているかと言いますと、
友人がその大手町の会に行ってまして、
SNS経由で情報が。
もちろんやりとりは休憩中、ホワイエにて、ですぞ

その時こちらでは前半の喬太郎師匠の全力投球の『寝床』が終わって中入りに入ったばかり。
それはもう全力の『寝床』で、飛び跳ねる、唸る、大汗かいての大熱演の後。
大手町では『まんじゅうう怖い』を演じらた後。大丈夫かしらというくらい元気な一席。

喬太郎師匠曰く、咄家は最初に来た仕事が優先なのだそうです。
ですから、依頼は早い者勝ち。
今日も関内ホール話が先に決まっていたので、
普通なら後から来た話は時間的に無理があるようならキャンセルが王道。
ところが、今回後からきたのが自身の一門。それに師匠に当たるさん喬師匠主催の会。
出番を後半にということにしてもらい、両方をスケジュールに組み入れたそうです。
ところがホッとしたのもつかの間、土壇場になって、
さん喬師匠が、
「午前中も一席やれないか?横浜なら、午後の席を遅くするから、行って戻ってこれるだろう」
と言われたとか言われなかったとか。。
で、今日の強行スケジュールが決定。

中入り後の一席で、そんな今日の往復公演の顛末を枕に、
『つる』の新釈『ウルトラマンのつる』で、ウルトラマンのオタクネタをたっぷり演じて
つ〜る〜、ではなく、
ジュワッチ!と、大手町に飛び立たれました。

その後の情報で、かの大手ホールでは「孫、帰る』と『茶代』を演じられたとか。

そんなやりとりを交えながらのこの日の関内寄席。

タイムラインが交差してなかなか不思議な体験でした。
あー、入場できてよかったわー。

というわけで、改めて

前座の柳家やなぎさんは
『初天神』おなじみのおとっちゃんとちょっと生意気な金坊のやりとりが楽しい。やなぎさんの金坊は、ギャラリーちゃっかり味方に取り込む今時風。
凧揚げまで行かずにお団子で下げ。

白酒師匠の一席目は「しびん」私は初めて聞きました。古道具屋で花瓶と勘違いしてしびんを買い求めたお侍の話。です。しびん、て知らない人の方が多いんじゃないだろうか。下げもちょっと難しい。家に帰って調べたら、やはりその辺りもあって、演じる人は少ないそうで、貴重な一席でした。
中入り前の一席が、喬太郎師匠の『寝床』

中入り後
喬太郎師匠の『ウルトラマンのつる』あるいは、ウルトラマンジャックの由来。

トリは白酒師匠で「幾代餅』当時の売れっ子花魁幾代太夫に一目惚れした実直な米屋の奉公人とその太夫が最後にちゃんと結ばれるおめでたくて可愛いお話です。『紺屋高尾』という染物屋の職人と高尾太夫の恋の顛末と同じ系列のお話。出てくる人がみんないい人で、笑いながらもほんわかした気分になります。白酒師匠の丁寧な話ぶりに幸せな気分倍増でした。

ほんと、入場できてよかった。
関内ホールのスタッフの方、お世話になりました。

ありがとうございました。今月の標語。
「シュレッダー、使用済み封筒も中身確認、くれぐれも。」
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<お知らせ1>
今年もやります!清五郎農園の愛媛みかん!!直接販売!!
今年の早生ミカンも美味しいよ♪
場所:馬車道祭り会場
日時:10月31日〜11月3日

赤いのぼりとトナ・カイが目印、ワゴンの場所は多分関内ホール向かい山下眼鏡店の前あたり。

遊びにきてください。
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<お知らせ2>

恵比寿大黒夏茄子(なすび)

2016-07-29 | 落語ラブ
先日は入船亭扇辰師匠の独演会でございました。


実をいうと扇辰師匠を生で聴くのは実は初めてです。
あのボイパもびっくりの擬音擬態パフォーマンスがじかに聞けるとあって、ドキドキワクワク。



お囃子とともにいよいよ扇辰師匠が登場。

夏に因んでちょっと不気味でブラックな
「一眼国」そのあと

中入りを挟んで全二席だと思っていたら、なんということでしょう!!!

一席後におまけの一席が!!!!

それがなすび娘というくだらねえ噺(←扇辰師匠談)

そして
最後はたっぷり
「三井の大黒」
飛騨高山の伝説の名工、左甚五郎をモチーフにした古典の名作です。
先だって、高山に旅行したばかりなのでより一層身近でした。

扇辰ワールド全開であっという間に2時間半

余談ですが、中入り前の二席の面白さがわからなかったのか、
長丁場に時間をせかされたのか
私たちの席の並びに座っていた年配の二人連れ。
中入りの後外に出てそれっきり戻ってこられませんでした。

残念なことですわ。いい席だったのにもったいない…。


ところで、前座の辰のこさん。以前別の師匠の独演会で前座を務められていた時にお聞きしたことがあるのですが、
心なしか、ふっくらして表情も柔らかい…かな?と思っていたら
秋に二つ目昇進が決まったそうです。陽気で朗らかな「代書屋」でした。
おめでとうございます。

このあとぐうぜんな出会いがあり、扇辰師匠の楽屋で師匠のあられもないお姿をチラ見したり、
北国の寄席のお話やら、シベリアのお話やらで盛り上がり
楽しい時間をいただきました。
H川さん、Y崎さんありがとうございました。

入船亭扇辰後援会のHPはこちら;http://sentatsu-irifunet.com
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最終回、あるいは珍説『死神』

2016-06-22 | 落語ラブ
もう2ヶ月前になります。
にぎわい座公演の一つ「平成落語教育委員会」

栄えあるにぎわい座公演の一回目は、キョンキョンこと柳家喬太郎師匠のまさかの大遅刻とで始まりました。

2回目に行った落語教育委員会にぎわい座公演が一昨年。この時は、タキシード姿の喜多八師匠のタップ?とまるで宝塚のようなソロコーラスを聞かせていただきました。
そして今回は二部興行。嬉しいことに、落語通のhさんに同行していただけることとなり…
というわけで早々にチケットを取って楽しみにしていました。


夜の部へ、GO!

お約束のコントは、「死神」
ヤブ医者が喬太郎師匠、病人が歌武蔵師匠。そして…死神が喜多八師匠。
病人の布団返しがビクともしないというオチさておき、舞台の絵面だけでも場内大爆笑。

気になったのは喜多八師匠の激ヤセぶり。
あまりに死神にぴったりで、かえって心配になりました。
hさん曰く『喜多八さんは、体調があまり良くないそうですよ。」

気にはなりましたが、トントンと高座がすすみ
その内容の面白さに引き込まれて、その時は気にもとめませんでした。

手堅く前座さんは、悋気な主人が跡取りを決めるために3人の息子たちに葬式の演出を尋ねる『片棒』

ところが次の喬太郎師匠は、横浜ということを気遣ってかズーラシアに引っ掛けて
新作落語、それも三遊亭白鳥師匠作の『任侠流山動物園』をぶつけてきました。

さすらいのブタジに救いのヒーローぶりぶりざえもんを重ね(重ならないけど)、

中入り後

喜多八師匠は
「やかんなめ」で登場。
あの飄々とした気だるい雰囲気で話されると、ああそういう病の人もいたかもしれないと素直に納得でき、

そしてトリの歌武蔵師匠が
「胴切り」
を演じれば、ものすごい悲惨な話なのになぜかホッとしてしまう

空前絶後ありそうでない世界観のお話にブンブン振り回された遊園地のような時間でした。

ここでちょっと個人的には喬太郎師匠に物申したかった。(申さないけど)
ズーラシアではなく、野毛山動物園を枕にしてほしかったな。だってにぎわい座は野毛山のお膝元ですから。



さて最近の寄席ブームのせいか、数年前にはあまり見られなかった現象が物販。
ところが年をおうごとにその種類も増えまして、てぬぐい、CDはもう定番。
結構レアなものが見つかることもあり、ここでわざわざ購入する人も多いようです。

で、今回初めて(寄席で)購入したのがこちら。
喜多八師匠の文七元結。

するとなんとなんと!!
歌武蔵師匠、喬太郎師匠、喜多八師匠のサインがついてくるというではないですか!
やったー♪


午前の部は
コント『死神』柳家喜多八、柳家喬太郎、三遊亭歌武蔵
「湯屋番」入船亭遊京
「あくび指南」柳家喜多八
お仲入り
「子ほめ」三遊亭歌武蔵
「結石移動症」柳家喬太郎
だったそうです。

柳家喜多八師匠の訃報を聞いたのは5月17日未明。
期せずして、平成落語教育委員会の横浜高座の最終回に臨席したということです。
もしかしたら、師匠最後の高座だったの?!

サイン付きのCDが形見になっちゃいました(泣)

前振りコントの『死神』で
病人を演じる歌武蔵師匠の大きな布団姿の足元に
ちょこんと座って、
口角泡を飛ばして呪文を唱えるヤブ医者喬太郎師匠をニヤニヤ眺めていた喜多八師匠は、
なんとも楽しそうでした。

あれれ?もしかして、
師匠ご自身がうっかりくしゃみしちゃったのかしら。

<<速報>>
BS-TBS 6月25日0300~0400 落語研究会 柳家喜多八「らくだ」、
同 6月26日0300~0500 落語研究会2時間版 柳家喜多八「二番煎じ」、など。


<<おまけ>>
毎日新聞、演芸よろず根田帳3月16日付 柳家喜多八

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***自分キャラハンコ作ります。クリックしてね!***


ご縁、ご縁で、さんどめは「馴染み」

2016-04-29 | 落語ラブ
先日は関内ホールで、菊様こと古今亭菊之丞師匠の独演会。

師匠とは昨夏の軽井沢以来。
この公演をいち早く教えてくれた落語スキーなh川さんと堪能してきました。

演目は


個人的に好きなのは「蛇含草」

ウワバミが人間を飲み込んだときに出すという消化液から作ったという薬を「蛇含草」というそうで。

ご隠居と長屋の住人の実に些細な意地の張り合いがこの薬のおかげでとってもシュールな事態に…。

今席で初めて聞いたのが「淀五郎」
淀五郎というのは江戸時代の役者の名前です。
古典落語の中には相撲や歌舞伎といった当時の大衆娯楽の中で生きる関取や役者さんをモデルにした噺があります。
まだおぼつかないルーキーがライバルの挑戦やべテランの薫陶を得てやがて一人前になっていく、出世物語です。
聞いている方が違和感なくすんなりと受け入れるには、演じる方が相当の知識を持ていなくてはなりません。
その難しい一席をたっぷり楽しく聞かせていただきました。

それはさておき
前座の柳家あお馬(ば)さん演じた「寿限無(じゅげむ)」
早口言葉でも有名な、日本一長い名前の子のお話です。

ああ、今はそうなのね、と感じたところがふたっつばかり。

ひとつめ。
その名前のくだりに
「くうねるところにすむところやぶらこうじ…」この後の言葉ですが、何と覚えているでしょうか。

私は「やぶらこうじぶらこうじ」

あお馬(ば)さんは「やぶらこうじやぶこうじ」

両方とも間違いではなく、昨今は後者で演じられる方が多いのだそうです。

ふたつめ。
オチの部分です。

幼少時にきいた寿限無の最後は実にブラックで、
長寿を願ってつけた親の願いとは裏腹に、少年じゅげむは井戸に落ち、
助けを元間に走った友達が、大人に落ちた子の名前を言っているうちに時が経ち、
少年じゅげむは天国に行ってしまったとさ、というものでした。

それが堂々と子供向けの雑誌に載っていたんだわ。当時は(遠い目)

んでもって、h川さんのおかげで楽屋まで押しかけて、菊様に昨夏のお礼とご挨拶。
本当にどうも図々しくってごめんなさい。

ところで、菊之丞師匠の高座は今回で三席目なのです。
初めは銀座、次が軽井沢、そして今回横浜。
この世界では、二席目を裏を返すといい、三席目で馴染みとなるのだそうです。
地元で晴れて馴染みになったとは、これもまたご縁かしらとひとりごつのでありました。


一心太助?いやいや、塩原多助…ってだれ?!

2016-03-07 | 落語ラブ
恒例の関内寄席、桂米丸独演会。

以前も書いたのですが、毎回、若いそれも女性の姿が目立つようになりました、

さてさて
今回の顔ぶれ。


前座さんは桂文治師匠のお弟子さんだそうです。
この独演会で前座出演した若い噺家さんが回を重ねて二つ目昇進するとなんだか嬉しいものです。
たか治さんもいつか昇進して帰ってきたら嬉しいなあ。
次は漫才。
今までの師匠の独演会では初めてです。
夫婦漫才の東京太&ゆめ子師匠です。
絶妙の間のやりとりが最高!
どこかの政権がばっさばっさとなぎ倒されました。

前半のトリは三遊亭遊雀師匠。
リアルで拝聴するのは初めて。
ちょっとお下品な笑いが、明るい笑いに大変換。
そのむかし、お芝居で場内がざわつくとそれをいさめる役回りがあったそうで、
それがわかっているとなお、おもしろいお噺でした。

さて、後半大トリは桂歌丸師匠。
今回はこの語り一本。
これまでは、真景累ヶ淵を演じてこられましたが今回からは演目が変わり
塩原多助一代記、だそうです。

といってもわたしは全くなんだかわからず、誘った母に
「知ってる?」ときくと
「知ってるよ、メジャーじゃないけど有名な噺」と言って、ニコニコ。

実在した江戸時代の豪商の立身出世の半生をのちに、三遊亭圓朝が取材創作した出世話。

米丸師匠曰く、この圓朝作品は、屈折しまくり複雑に入り組んだ人間模様。さらに時代がいったりきたりする
実にわかりにくいのが特徴、だそうで
前回の、真景累ヶ淵もそうでしたが、それに負けず劣らずのこじらせ模様なのだとか。

今回は、前半。多助が子どものころからかわいがっていた愛馬の『青(あお)』と別れて江戸に上京を決心するまで。
ああ、だから馬のことを「あお」と呼ぶ年配のひとがいるんだ!と妙なところで納得しました。
ちなみに、この原作は発表当時12万部と言うベストセラーで、その後小学校の教科書等にとりあげられたりして
戦前の小学生ならたいていは知っているお話みたいです。

さていよいよ本編のはじまり。
時代も価値観もちがうし、
登場人物は入組んでいるし、
お笑いの要素はないし…

でも、なぜか
会場は丸ごと江戸時代にタイムスリップしたかのよう、

舞台には米丸師匠がちょこんとすわっているだけなのに

なぜか、大勢の役者さんが舞台を縦横に駆け回っているよう。

愛馬を、忠義の下男に託し、自分を亡き者にしようとする継母からのがれて
あらためてお家再興を胸に多助が江戸に旅立つシーンは秀逸です。

あっという間の1時間でした。

後半は来年だそうです。

それまでに師匠になにかないことを本気で祈って合掌…じゃない、
祈って、楽しみに待つことにしましょう。


『桂歌丸師匠を人間国宝にする会』の署名運動はこちら

最終話

2015-11-14 | 落語ラブ
夏の公演が急遽中止となり、本日代替公演です。


あいにくのお天気ですが、満員御礼。


出演は


後ほどアップ
___
さて、つづきです。

第1話から聞いていても複雑な人間関係に時おり混乱。
正直なところ物語としておもしろく躍動感があるのは第7話の聖天山まで。
最終話はこれまでの物語の総括で、それをお熊さんの独白メインで表現しています。なので吹き出しの多いバストショット静止画像のコミックを見ているような感じ。
これを噺として上演するのは相当の技量プラスアルファが必要ではないかと素人考えながら感じた次第。
(途中眠気を催した人も多かったのではないかしら。)
事実、作者の三遊亭圓朝師匠以来約120年間、最終話まで上演されることはなかったそうです。

ですが、さすが歌丸師匠の語りは凄みがあります。救いようのない因果応報の絶望感を感じるに十分でした。

今回の独演会も盛りだくさん。
以前前座さんで出演していた桂竹の子さんが、はれて桂竹千代さんとして二つ目に昇進されてておめでとうございます!
大神楽は鏡味初音さん、芸もすばらしいのですが、声優さんもできそうな独特の声が印象的でした。
ひかって見えにくいですが
本日の演目です。


落語で軽井沢 RAKUGO IN MUSEUM

2015-08-25 | 落語ラブ
軽井沢駅を挟んで北が旧軽井沢、南がアウトレットがある新軽井沢です。

今回の目的地は北の旧軽井沢にある脇田美術館

なんと!落語会なのです。




古今亭菊之丞師匠と春風亭柳朝(6代目)師匠のおふたり。
さらに高座のあとは、美術館のお庭でのガーデンパーティというオサレな企画。

実は菊之丞とはちょっとしたご縁(かってに結んだ)があります。
ちょっと長いですが、ラインで区切るので、面倒な人はスルーしてね。


______
<長い話始まり>
私が落語にはまったきっかけは故桂枝雀師匠。

生前の高座にはご縁がありませんでしたが、BGMにするほどはまって当時のカセット(古!)はぼろぼろ。

その後ショックな訃報に脱力、復活までにずいぶんかかりました。

ちょっとしたきっかけで柳家喬太郎師匠のCDをきいてビックリ。
その後Podcastで落語をみつけ、はじめにきいたのが古今亭菊の丞師匠の『船徳』
その若旦那が何ともおっとりおとぼけでいいなー♪となんとなく、にやにや。
ところが、去年友人に誘われて出かけたビアホールでの落語会。
誰がくるか全く知らずビールとごちそうにつられてホイホイ出かけてみたら、なんと古今亭菊之丞の独演会。
で、開いた噺が『船徳』
生『船徳』!!!

これって鳥肌!!感動しすぎ。

で、はしたなくも出待ちをして
その時のメニューにサインをいただきました。
お宝です。

そして時が流れ、私がある仕事をする後押しをしてくれた友人のお別れ会の席で

大師匠のさくまあきらさんから紹介されたのは長野のドンちゃんことH谷川さん。

このドンちゃんが「落語会するからきませんか」と誘ってくれたのがこの企画。

そしてなんと噺家さんのひとりが古今亭菊之丞師匠。

もうね、二重三重のご縁を感じるじゃありませんか。
いくっきゃないでしょ。
<長い話終わり>
__________
会場は準備完了。


なんとなくガーデンパーティの設営などのお手伝いなどしながら、開演まで館内をブラブラ。

すると向こうからちょっと清々しい男性が歩いて来るので、すれ違い様にふつうにご挨拶。
あちらもさわやかにご挨拶返し。
いいかんじのひとだわー……?…?!

え?ええ?!もしかして、柳朝師匠じゃない!!!

やーん、着物じゃないからわかんなかったよーーー!!

やっぱり挨拶ってだいじ!!

そして、スタッフランチにご相伴することになりました。


そこに、ななんと古今亭菊之丞師匠とさっきの柳朝師匠が合流!!!

これから高座にあがる噺家さんおふたりとまるで旧知のように世間話でもりあがる…

ああ!!夢のようなランチタイムでございました。

私、柳朝師匠のおとなりでしたの=!!

さて本番。

夏休みということもあり、ご家族そろってというかた、
ご近所のおなじみのかた、わざわざ遠方からいらしたかたなど
客席は満員御礼。大盛況。

柳朝師匠は長野に関係する噺、
菊之丞師匠は夏の噺

二話づつたっぷりきかせていただきました。
柳朝師匠の真田小僧はやんちゃでかわいらしかったです。観客の中にお子さんが何人かいらしたのですが、かれら全員大笑い。
最後の死神はオチがいろいろあって、噺家さんの個性と感性がここにあらわれる古典の傑作です。みごとでした。

菊之丞師匠はこのとき新宿末広亭での座長をもされていました。
軽井沢入りは前日の夜中そして高座が終わったらすぐ東京にとんぼ返りというタイトなスケジュール、
ガーデンパーティには出席できないかもしれない、と伺っていました。

が、なんと!!
ガーデンパーティにもおふたりそろって参加。

お客様は大喜び!!

すてきなガーデンパーティになりました。











この後、駅までお二人をタクシーでお送りするという大役を仰せつかり

慣れないことで、わやわで、もたもたと駅まで。

何とも手際の悪いお見送りでして、思い出しては今も恐縮悶絶です。

それ以上に心憎いドンちゃんの配慮に感謝。

T武さん、N川さん、H谷川さん、Y川さん、脇田ご夫妻、美術館スタッフのみなさんありがとうございました。

いろいろいろいろ勉強になった夏休みでございました。