吃音に悩むヨーク公アルバート(のちのジョージ6世、現イギリス女王エリザベス2世のパパ)が、オーストラリア国籍の平民で資格を持たない在野の言語視覚士ローグと互いに信頼関係を築きあげ、国王として成長していく物語です。原案はこのローグ氏の治療記録。30年ほど前に舞台化、映画化が企画されました。が、エリザベス皇太后自身が自分の存命中(2002年3月没、101歳)には公にしたくない、と、許可されず。2010年にようやく映画化が実現したそうです。この
エリザベス皇太后(1900.8.4~2002.3.8)も、もちろん登場します。アルバートの奥さんエリザベス妃(後の英国王妃、エリザベス2世のママ、エリザベス皇太后)として。彼女ががものすごく丁寧に描かれているのが、すごい。特に生涯わかり合える機会を持てなかったライバル?シンプソン夫人とのコントラストが際立っていたのが印象的。
シンプソン夫人とエドワード8世(アルバート公の兄)の逸話は、日本ではどちらかというと美談として取り上げられている記事が多かったような気がしていました。当時の時代背景をみれば、政治的にも非常に微妙な問題だったということは周知のはずですが、この映画であらためて認識した次第。だって、世紀のロマンスとか、身分を越えた恋、とかってそれだけで妄想力を活性化するキーワードじゃないですか。女子なら踊るでしょ……踊らないか…
。
王族と平民、イングランド本国と植民地(オーストラリア)、イギリス人とアメリカ人(シンプソン夫人)、奔放で積極的な兄と、真面目で内向的な弟、対照的な要素がこの物語の骨格だったと、あとから思い知ります。歴史的な背景が近代史だけに、いっそう生々しくて素敵。あっという間の2時間でした。なにも知らなくても充分見応えがありますが、世界史の近代、(第一次世界大戦から第二次世界大戦のあたり)をおさらいしていくと、より楽しめると思うよ。
ふと気がついたのですけれど、春休みにあわせて公開された
「ナルニア国物語第3章」のペペンシー兄妹のイギリスも「英国王のスピーチ」と同じ時代設定なんですよね。
第二次大戦前夜のイギリスって、舞台背景として英国の記憶を呼び起こす要素がものすごく多いんじゃないだろうか。これは余談です。
ところで私の隣の席にいた女子が、フライドポテトをずっと食べていて、映画の前半はその匂いに閉口しました。館内にフライドポテトは持ち込まない方がいいな。ここで書いてもしょうがないけど。
かくいう私ですが
こういうもの(限定、本日限り、など)にたいそう弱く、
どうせ、正体は普通のメロンソーダで、コースター目当てに散財する輩狙いだとじゅうじゅう知りつつ……
ほんと、バカ…。
え?なぜ本日限定かって?
当日は3月9日でした。
初音ミク→ミク→ミ(三)ク(九)………遅いよ!!