@前半は警察組織の説明とエリートと言われる警視庁の出世コースへの手引き書内容だ。事件は国の中枢を揺るがす大規模となり、内閣・国務大臣には極秘に捜査、摘発に動く。やはり政治家の賄賂は官僚への文章改竄など権力を持った人物への事件捜査はこういった独立した組織が動くべきで、できれば別途、最終的に「政治家諮問員会」(政治家を国民が監視、精査する体制組織)がほしいところだ。日本の政治家への処置は全て「むやむや」なのは許せない。
『警視庁情報官』濱嘉之
「概要」警視庁情報室。それは警視庁が秘密裏に組織した情報部門のプロ集団である。情報室へ舞い込んだ1通の怪文書。エース情報官・黒田は、抜群の情報収集力と分析力で、政・官・財界そして世界的な宗教団体までもが絡む一大犯罪の疑惑を嗅ぎつけるが……。公安出身の著者による迫真の「インテリジェンス」小説。
ー警察庁には海外と比較しても、特に大国の米国のCIA、英国のMI-6、ロシアのKGBなど秘密工作をはじめとした国内の要の情報をまとめる部署が無いことで国内にも優秀な人材を集め新たに設立も目論み動き出す。「警視庁情報官」の養成と機密情報の収集・保守を目的とした「警視庁情報室」。それは警視総監をトップに公安を含むエリートをかき集め国を揺らがす事件事故に対応する組織だった。
ーやがて大手有力電力企業と官僚、政治家、企業の下請け(ヤクザ絡みの)が原子力発電所建設での調査が開始され、その事実が国を揺るがす組織まで及ぶことが分かる。それは認可事務局である国土交通省、経済産業省がターゲットになり情報収集が活発になる。 やがて「怪文書」が出回り、さらに北朝鮮の麻薬ルートと下請けしたヤクザ絡みの企業(土地買収工作)が浮き上がる。それは現大臣とのつながりから多額の利益を吸収する組織(宗教団体)につながっていたことが明らかとなる。
ー「警視庁情報室」は極秘に証拠を探り遂に二百人を動員した捜査を開始。国務大臣には極秘に検事総長と警視庁が権限を持って動くことになる。