@商習慣の違う異国での生活は、得手して母国日本の習慣と比較、ついそのまま行うことに注意しておかなければならない。特に宗教的な習慣を十分知っておくことは「郷に入れば郷に従う」である。現地の習慣・宗教を熟知し、尊重しなければ生活も旅すら危うくなることを知っておくべきだ。特に危険な場所を回避することは必須で日本人の思う危険とは全く違う事を認識しておくべきだ。
『百年泥』石井遊佳
「概要」著者はチェンナイ生活三か月半にして、百年に一度の洪水に遭遇した。橋の下に逆巻く川の流れの泥から百年の記憶が蘇る! かつて綴られなかった手紙、眺められなかった風景、聴かれなかった歌。話されなかったことば、濡れなかった雨、ふれられなかった唇が、百年泥だ。流れゆくのは――あったかもしれない人生、群れみだれる人びと……。
ーIT企業の日本語教師としてインドのチェンナイに赴任する。生徒は優秀な社員だが日本語教室では意を反するほど微妙な才能を見せる。インドでの習慣、常識を覚え、教えながら日本での家族、友人等との回顧録を探る。
ー母は医者嫌いで健康診断も受けず子宮筋腫で亡くなり、その後良くしてもらった隣のおばあさんも半年後に亡くなる。愛想も可愛げもなく無口な性格だったなど自分を振り返る。出会いも少なく3人目の男性と結婚、だが4人目も離婚して、5人目の男性に金を貸した事で借金を背おく生活となる。
ー百年の一度の大洪水が発生した都会のドブ川は多大な被害を被る。そこで見た群衆、マスコミ、警察などさまざまな惨事、珍事、群衆の衝突など群衆の多くは橋の欄干に大きく積もった泥、その泥の中に埋まった宝を探しに集まったのだ。
ーある生徒の人生。泥の中から掴みでた「大阪万博のペンダント」のエピソード話が興味をそそるが、ここに住む誰もが自分以上に厳しい社会を乗り越えた人生だと悟る。
ーインドの習慣と常識
歳のサバを読む:教育に熱心な国でありながら早めに卒業させ仕事を優先させる国
(収入は基本的に母親に全てを託す習慣となっている)
男性vs女性:バス・学校など男女の交流は厳しい社会ルールがある(宗教的)
結婚相手:恋愛・見合いなど選択肢が基本的にない社会(カースト制・占星術)
警察の権限:現地社会ルールを守る警察の権限は民衆に暴力を振るっても問題なし
出産:男の子を優先し、女の子の場合は妊娠中絶する親が多い
ガンジス川:神聖なる沐浴、火葬した遺骨を流す、さもなければ遺体をそのまま流す
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