MOMENT

レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、残日録。

ちょっと思い出しただけ

2022-08-21 23:08:23 | 邦画
日本映画を積極的に見ていこうと言う企画で見た作品
いつものことですが、こう言った企画を企てても見る作品はレンタル店で決めるわけで
その場でジャケット借りですからねぇ
映画の情報を全く入れてないもんだから・・・
 
この映画なんなんだって30分くらい見てても何もわかんないと言うか
一体何が言いたいんだ
コロナ禍で8時消灯のために主人公の一人である伊藤沙莉演じる葉が運転するタクシーが灯の消えた“歌舞伎町一番街”のネオンとか、歌舞伎町入口の真っ暗なドンキとか見えて
葉の運転手もマスクしてたり
これってコロナ禍での人間の営みとか恋模様を描いているんかと思って
これはわたしには合わない作品をレンタルしてしまったのか
 
って言う見ていたらコロナ禍での葉のがタクシーが2boxのロンドンタイプだったのが
セダンタイプに変わっていたり
もう一人の主人公である池松壮亮演じる照夫が脚を壊して普通に歩いていたのが
引きずって歩いてるとか
もうわけわかんなくなっていたものが
なんだこの照夫の誕生日のが繰り返しって
ふと気づいたんですよ永瀬さんがどうしてあそこに座っているのか
全て気づいたら、この映画の面白さがみえてきて
 
あとは照夫と葉の二人の若い男女が出会い、愛を育みながらも過ごしてきて
照夫の煮えきれなさと葉の積極さとの微妙なすれ違いで別れるまでの軌跡を
時制的に照夫の毎年のが誕生日を遡って綴って行ってる作品だったんですね
 
作者の意図が判明してから
これもある意味コロナ禍での映画製作のあり方を模索して思いついた発想だったかもしれませんね
ある人物の誕生日を特定しつつそこに生きる人物の日常のルーティンというか色んな要素を掬いながら時制が過去へ遡っていく構成が実によかったなあ。
っていうのも未来を知っていてそこにたどり着くまでのルーツを探っていくっていうの模索
見てるこっちは先を既視してるから余計にこの二人の愛の軌跡に悲哀を見てしまうんですねぇ
さらにそれを”ちょっと思い出しただけ“じゃないはずなのに
これまたパラドックスにしてるニクさが実にうまい
 
手品のタネがわかれば“なぁ〜だ”ではなく、実に計算し尽くして作られた作品で
登場人物に自己投影しやすい映画でもあったんですねぇ
実に切ない作品だったんだよねぇ

2021年製作、日本映画、「ちょっと思い出しただけ」製作委員会作品
松居大悟脚本・監督作品
出演:池松壮亮、伊藤沙莉、河合優実、大関れいか、屋敷裕政、尾崎世界観、渋川清彦、松浦祐也、篠原篤、安斉かれん、郭智博、広瀬斗史輝、山﨑将平、細井鼓太、成田凌、市川実和子、高岡早紀、神野三鈴、菅田俊、鈴木慶一、國村隼、永瀬正敏
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親愛なる同志たちへ

2022-08-21 17:18:18 | 洋画
いや実に重たい映画だって思ったら実は母子愛のお話になっていくのね
 
1962年6月1日、フルシチョフ政権下のソ連で物価高騰と食糧不足が蔓延していた。
ソ連南西部ノボチェルカッスクの機関車工場で大規模なストライキが勃発。生活の困窮にあえぐ労働者たちが、物価の高騰や給与カットに抗議の意思を表したのだ
ノボチェルカッスクで共産党市政委員会のメンバーであるリューダは、国中が貧しい中でも地位を利用して不足してる食料品や煙草マッチなどを手に入れるなど、党員の特権を使いながらも父と18歳の娘スヴェッカの3人でそれなりの生活を送っていた
そんな彼女の特権から映画は始まりますが
k
 
物価が上がり食べ物や生活必需品を買うことができない機関工場の労働者たちはさらに給料を三分の一までカットされついにストライキを起こす。
ストライキは収まらず鎮圧する方法が分からない
市政委員のリューダはそこでストライキを起こしている人々は更生の余地がないと意見すると
その意見に耳を傾けるようにストライキを起こしている労働者たちを銃殺してもいいと軍命令が出され政府は無理やり鎮圧する方向へ向かうものの
誰も軍が民間人に銃口を向けるとは誰も思ってもいなかった
だがそこにKGBだか誰だかストライキ民衆を軍が銃口を空に向けて口火を開いたと同時に労働者を射殺して暴動がっても一方的な銃撃が始まる
死人が出るはけが人は出るわなんだけど

ソ連政府は情報漏洩を防ぐため市民たちの自由を奪い街を封鎖する
反発する労働者は全て殺し逮捕してしまうものの街中に死人、病院に怪我人は一人もいない
それは軍と党の意思で他の労働者に波及を防ぐために全て軍と警察を導入して隠蔽してしまったのだ
死体は密かに町から運び出し田舎の警察に分散させて警官に密かに埋葬させてしまう
じつに素早い動きだった

KGBはストライキに参加していたと思われる人物を洗い出しにかかり
デモに参加していたと思われるリューダの娘スヴェッカの身元調査までKGB職員はやってくる
一方、リューダはデモに参加していた娘の消息を訪ね回っていたが皆が皆協力的でなく
ここからいわゆるリューダのが娘探しに物語が移行していく
その姿は委員会で労働者を殺しても抑えるべきだと過激発言したときの彼女ではなく娘の安否を気遣うどこにでも居る極ふつうの母親のが姿でしかなかった

あんなことを言わなかったら、っていう後悔と親としてまるでもう共産党執行部の遣り手党員の姿はどこにもなく
買われるものなら自分が変わりたいって言う母の姿しか見えない
そんな三日間を描いた作品
 
どうやらこのスト事件っていうか民間人惨殺事件は実際にあったようですが
当時の記録は破棄隠蔽されており詳しい死者もどこに死体が埋められたかのが記録は今でもわからないようですが
時代的には東西冷戦の真っ最中でケネディがソ連に原爆落とそうって言う時代でもあったようですね

ドキュメント風に描きたかったからか映像はモノクロそしてなんと4:3比のスタンダード作品にしていたんですね

しかしモノクロだからこそでしょうか人々が撃ち殺されていくシーンがとても綺麗に撮られていたりと改めてモノクロ画面の持つ画面の奥深さを知らされたksな

“同志”って結局なんなんだろう?
いや実に皮肉な邦題に鳴っていたように思える
ってくロシア語知りませんから邦題母原題直訳だったりして・・・
 
今回のロシアがウクライナに侵攻した以前に作られた作品だったってことですが
ロシアってく言う国の恐ろしさを改めて知らしめられた作品
あ、ネタバレになりますがスヴェッカは生きていましたけど・・・
 
切り口の違う記事はコチラ
 
2020年製作、ロシア映画
アンドレイ・コンチャロフスキー脚本・監督作品
出演:ユリア・ヴィソツカヤ、ウラジスラフ・コマロフ、アンドレイ・グセフ
 
 
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