MOMENT

レンタルDVD三昧なアナログオヤジの、店舗型レンタル店の残日録。

さがす

2022-08-22 23:17:07 | 邦画
日本映画を積極的に見ていこうと言う企画で視聴した作品
いやずっしりと重くくる作品でしたが
最近こう言った日本映画を見ることで、日本映画イコールキラキラ映画って言う偏見みたいなことで毛嫌いしていたことを反省しきり
まだまだ日本映画も捨てたものでは無いと言うことが少しづつわかってきたけど
 
オープニング、伊東蒼演じる楓と言う中3の女の子が必死で夜の街中を駆け抜けていき
着いた先がスーパーで佐藤二朗演じる楓の父親原田智の万引きで警察官に保護者として呼ばれて
ほんの100円程度で・・・
って言うこのシーンを見たときにはなんも感じなく見ていたのですが
見終わってこのJCを演じた伊東蒼が気になり調べたときに確信しましたねぇ
片山慎三監督は伊東蒼さんをキャスティングした時点で「空白 」へのアンサーを意図的に組み込んでいたんだと・・・
 
「さがす」と言う映画は一応は佐藤二朗さんが筆頭クレジットですが
っていうか今までの賑やかしで自分の存在感を誇示するために、アドリブコメディで場をさらうのではなく
実にシリアスな佐藤二朗を見せてくれてまして
コメディアンにはシリアスな役柄が一番合うんだって言う日本映画の伝統を見事に継承してくれていたのは何よりでした
 
あんま映画の情報を入れませんからねぇ
なんだ“さがす”って万引きの夜忽然と姿を消した父親を娘が必死になって”さがす“映画だったとは、って思わせられましたが
実際は娘楓の視点で、さらに父親が消える寸前に言った“連続殺人犯を見た”って言う連続殺人犯の視点で時制を巻き戻して語られ
そして原田智の視点と言った三つの視点で映画は紡がれて語られてきて
それが一点、果凛島で結実されたときに驚愕の事実が暴露され
そしてやがて父と娘との悲しい結末を迎えると言う
実に練られた現実の事件を参考に作られたオリジナル脚本が見事であるとともに片山慎三監督の「岬の兄妹 」以上に肉親の愛憎劇でもあったんですね
 
日本の警察のことなかれ主義的な態度は韓国映画がよく映画で演出しているおバカ警察とはまた違っていますがなんとなく言い当ててるのも事実だろうし
警察はあてにはなんねぇってことで、JCが一人で(っても告白してしてきた男友達にご褒美にオッパイ見せて同道させて)ここまで行動力を見せるのもすごい
っていうか伊東蒼さんの演技力がすごいんでしょうね
監督自体が惚れ込んでいるのは先に書いたオープニングでのシーンでもよくわかる
 
そしてなんと日本の社会だけでなく、いわゆる人間の尊厳というか安楽死の問題まで折り込んできていたとはねぇ
だから余計重たい作品になっていたんだよね
ラストシーンでのピンポン玉無しでラリーする父娘のシーンがラリー音と同時に心に残るけど
 
まだ15、6歳で両親からの保護がない少女の今後はどうなるんでしょうか
ここまで見せられると一人でもやっていけそうなんだけどね
日本の法律では後2年しないと成人と見なされないんだよね
と見終わってもう色々と考えさせてくれる作品だった
 
2021年製作、日本映画、「さがす」製作委員会作品
片山慎三共同脚本・監督作品
出演:佐藤二朗、伊東蒼、清水尋也、森田望智、石井正太朗、松岡依都美、成嶋瞳子、品川徹
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KKKをぶっ飛ばせ!

2022-08-22 17:26:21 | 洋画
舞台は1971年テネシー州
強盗の罪で服役していた主人公はなぜか脱獄に成功し
公衆電話で姉に助けを求めると兄と一緒に現れて、じい様が使っていた古い牧場の納屋に隠れるように連れていく
 
黒人で主人公のブランドン実は強盗に加わっていなかったようですが
従って姉も兄も黒人、1971年と言う時代と主人公たちが黒人というともうお分かりですね
白人至上主義のKKKが南部では幅をきかせて彼らは黒人狩りしていた時代
そうある意味アメリカの恥部的な時代を背景にしてるKKKと黒人とが殺し合い遠繰り広げる世界観っていうか
こう言った実際に起きてるアメリカの恥部的なお話を
アメリカ人ではなくイギリス人のチャーリー・スティーズガドットが製作、監督、脚本、共同撮影、編集とほとんどワンマンで、さらに無銘のイギリス人俳優を使ってアメリカ本土、それもテネシー州で撮影したB級ムービー
 
一応日本の劇場で公開されてる作品、アメリカでは、多分トランプ政権以来分断が起きていることからかはわかりませんが、内容が内容だけに全米上映禁止になった作品だそうで
日本でもR -15指定になっています
それは一応グロ描写に関してのレイティングみたいですね
なにせセリフでもあるんですが、KKKは黒人を食すとか、目ん玉はえぐり出したり
レイプされたお姉さんは斧でKKKの男の股間切り裂き、玉を引っ張り出し男の目の前で握り潰して見せたりと言うグロ描写に関してでしょうね
レイプシーンはなんの問題もない表現でして
普通はエログロナンセンスというセットなんですが
この作品はグロナンセンスな作品に留まっていたようね
 
まぁあくまで低予算ですけどKKK側は12人いたかなぁ
主人公たち以外に最初にKKKの被害に遭ってた黒人ネエちゃん一体何処に消えちまったやら
ってくいうくらい荒っぽい作劇ではあるんですが
それなりにグロ描写もあって楽しめた作品でした。
 
お姉ちゃん役の女優さんがちょっと太目だったり
どっか強そうな感じに見えたお兄さんがあっさり殺されてしまっていたりと
意外性もあって
また銃も一応用意されていると言う必然的な伏線もしっかりしている作品でしたが
クライマックスであれだけ銃撃喰らっても一発も被弾してなかったりって言うご都合主義は見て取れますが
アメリカ人が撮れない作品を娯楽映画としてイギリス人が作ったってことこにこの映画の違った意味での面白さを感じましたねぇ
 
 2020年製作、イギリス映画
チャーリー・スティーズ製作・脚本・編集・共同撮影・監督作品
出演:ディオンドル・ティーグル、フェイス・モニーク、トラヴィス・カットナー、スコット・スカーロック
 
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