日本映画を積極的に見ていこうと言う企画で視聴した作品
いやずっしりと重くくる作品でしたが
最近こう言った日本映画を見ることで、日本映画イコールキラキラ映画って言う偏見みたいなことで毛嫌いしていたことを反省しきり
まだまだ日本映画も捨てたものでは無いと言うことが少しづつわかってきたけど
オープニング、伊東蒼演じる楓と言う中3の女の子が必死で夜の街中を駆け抜けていき
着いた先がスーパーで佐藤二朗演じる楓の父親原田智の万引きで警察官に保護者として呼ばれて
ほんの100円程度で・・・
って言うこのシーンを見たときにはなんも感じなく見ていたのですが
って言うこのシーンを見たときにはなんも感じなく見ていたのですが
見終わってこのJCを演じた伊東蒼が気になり調べたときに確信しましたねぇ
片山慎三監督は伊東蒼さんをキャスティングした時点で「空白 」へのアンサーを意図的に組み込んでいたんだと・・・
「さがす」と言う映画は一応は佐藤二朗さんが筆頭クレジットですが
っていうか今までの賑やかしで自分の存在感を誇示するために、アドリブコメディで場をさらうのではなく
実にシリアスな佐藤二朗を見せてくれてまして
コメディアンにはシリアスな役柄が一番合うんだって言う日本映画の伝統を見事に継承してくれていたのは何よりでした
あんま映画の情報を入れませんからねぇ
なんだ“さがす”って万引きの夜忽然と姿を消した父親を娘が必死になって”さがす“映画だったとは、って思わせられましたが
実際は娘楓の視点で、さらに父親が消える寸前に言った“連続殺人犯を見た”って言う連続殺人犯の視点で時制を巻き戻して語られ
そして原田智の視点と言った三つの視点で映画は紡がれて語られてきて
それが一点、果凛島で結実されたときに驚愕の事実が暴露され
そしてやがて父と娘との悲しい結末を迎えると言う
実に練られた現実の事件を参考に作られたオリジナル脚本が見事であるとともに片山慎三監督の「岬の兄妹 」以上に肉親の愛憎劇でもあったんですね
日本の警察のことなかれ主義的な態度は韓国映画がよく映画で演出しているおバカ警察とはまた違っていますがなんとなく言い当ててるのも事実だろうし
警察はあてにはなんねぇってことで、JCが一人で(っても告白してしてきた男友達にご褒美にオッパイ見せて同道させて)ここまで行動力を見せるのもすごい
っていうか伊東蒼さんの演技力がすごいんでしょうね
監督自体が惚れ込んでいるのは先に書いたオープニングでのシーンでもよくわかる
そしてなんと日本の社会だけでなく、いわゆる人間の尊厳というか安楽死の問題まで折り込んできていたとはねぇ
だから余計重たい作品になっていたんだよね
ラストシーンでのピンポン玉無しでラリーする父娘のシーンがラリー音と同時に心に残るけど
まだ15、6歳で両親からの保護がない少女の今後はどうなるんでしょうか
ここまで見せられると一人でもやっていけそうなんだけどね
日本の法律では後2年しないと成人と見なされないんだよね
と見終わってもう色々と考えさせてくれる作品だった
2021年製作、日本映画、「さがす」製作委員会作品
片山慎三共同脚本・監督作品
出演:佐藤二朗、伊東蒼、清水尋也、森田望智、石井正太朗、松岡依都美、成嶋瞳子、品川徹
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