ピカンテサーカスから未パッケージの日活映画がDVD化されてリリースされてるうちの一本
ついに今年も6月に入りまして、明日から新作DVDがリリースされるってことで
ノロノロ大型台風が沖縄周辺をウロウロしてるのと
梅雨前線が列島から南下して、本日は束の間の嵐の前の静けさで東京は曇りながらも日中は雨粒一つ落ちてこないのでフラゲ兼ねて都心に出ては見たものの
ゲテモノ洋画一本だけBlu-rayを購入し後はこの旧作ともう一本邦画を購入してきましたので早速、
ってか天気の良いうちにって事で新作レンタルのフラゲも5本ほど・・・
って事で早速この作品から

ってこれって中平康さんと橋本忍さんで船山馨の原作を脚色されていたのね
まずは1960年の作品ですから橋本忍さんが黒澤明さんから離れてこう言った作品に参加されていたのにも驚きましたが
なんと音楽は黛敏郎さんだし、助監督に西村昭五郎さんと
かなりスタッフが豪華すぎるのに驚かされる
そして南田洋子、吉行和子、葉山良二に当時日活と業務提携していた民藝の連中がかなり出演されててそれも結構重要な役で
特に滝沢修の大悪党ぶりに安部徹さんがかすんでしまっていたのには・・・
戦後焼け出されて住むところを無くした人々が寄せ集まって都会の片隅で集落を作ってバラック小屋で生活しているいわゆる公共の土地を無断占拠しているとこに
自分は医療ミスで、土地のヤクザに集団レイプされて婚約破棄された心と体に傷を負った妹とともに
この町に住みつき、土地のに人々を看ている小さな診療所に勤め出した若き医者を葉山良二さん
区の方針でここに団地を作ることになり、私有地であるのは診療所だけで後は公共の場所の無断占拠っていうことで妹をレイプした梓組が工事から全般を請負い
彼らの立ち退き騒動へと発展していき
ヤクザが全良な市民を暴力と脅しで立ち退かせようとするって言うどこにでもあるようなお話が展開されていく中で
これがヤクザ映画なら最後に敵の親分を殴り込んで殺すからって言う寸法ですが
生憎ヤクザに抵抗していくのは善良なる小市民だけで
若き医師が大親分を殺害すべく煩悶しつつ最後は実行に・・・と、行動を決意しさぁ実行に
って言うところはさすがに橋本・中平脚本でして実にサスペンスフルかつスリリングな運びの映像表現でしたが
親分にたどり着いた時にはすでに親分の背中には医療メスが刺さってこときれていたって言う寸法
ここまでかなりクライマックスとしてスリリングに手に汗握らしといて
今度は一体誰が殺したって言う方向に向かうと言うツイストが実に上手い
まぁ一応はめでたし?って言う寸法で終わるものの
いっちゃん怖いのはつねに大人しく冷静な小市民だったって言うオチもうまいよね
佐野浅夫は一体善玉だったのか悪玉だったのか、こういった手合が一番タチが悪い
劇中映画は中平康さんご自身の「狂った果実」ですよね
1960年製作、日本映画、日活作品
船山馨原作、橋本忍共同脚本、中平康共同脚本・監督作品
出演:葉山良二、吉行和子、南田洋子、宇野重吉、小沢昭一、山内明、滝沢修、安部徹、梅野泰靖、下條正巳、高野由美、佐野浅夫、浜村純、嵯峨善兵、三崎千恵子、中西妙子、稲垣隆史、玉村駿太郎、弘松三郎、潮京以子