7月は「自分らしい終末期」8月は「誰もが体験する看取り」の終活セミナーを行いました。
死を見据えた少し重いテーマでしたが、受講者の関心は意外にも高いものでした。
終末期医療とは
「病気が快復する見込みがない」「老衰で余命がわずか」となったときに
延命を希望せずに遺された時間を「自分らしく」過ごすことを目的にした医療体制で、痛みや不快を取り除き、穏やかな生活を優先します。
多くの人達は「延命治療は望まない」といいますが、本音とは受けとめられない感があります。
厚生労働省の「人生の最終段階における医療に関する意識調査」によると
Q:あなたが病気で治る見込みがなく、およそ1年以内に徐々にあるいは急に死に至ると考えたとき 。
「口から十分な栄養をとれなくなった場合、首などか ら太 い血管に栄養剤を点滴 (中心静脈栄養)をどうするか」の一般国民回答は
・望む 19.4%
・わからない 30.7%
・望まない 46.5%
「望む」「わからない」が延命につながる栄養補給を拒否した「望まない」より、わずかですが上回っています。
同じ質問に医師の最多回答は
・望まない 65.6% です。
「 呼吸ができにくくなった場合、人工呼吸器をつなげるのをどう思いますか」の一般国民回答は
・望む 11.6%
・わからない 27.9%
・望まない 57.3%
医師の最多回答は
・望まない 80,4%
どちらの質問にも一般国民は「わからない」がかなりの数値を占め、医師は延命の措置に否定的です。
世間では「延命治療は望まない」といいながら、終末期医療、延命措置の内容も理解できずに、曖昧なイメージで考えていることが読み取れます。
「延命はしないで」と聞かされていた家族も、免れない死を目前にして「わからない」という本人迷いを察すれば不安が残ります。
看取り時の
「あなたは人生の最期をどこで過ごしたいですか?」
一般国民の回答は 自宅 58.8%を望んでいますが
「最期まで自宅療養の実現は可能か」の回答は
一般国民 6.2 %
医師 26.0 %
看護師 37.3%
という結果で医療側は自宅での看取りを一般国民より可能と考え、患者対応の多い看護師の数字はより高くなっています。
しかし、一般国民は「最期まで自宅での療養は60%以上が困難」と考えています。
ここにも、自宅での終末期医療体制、身体的、精神的ケアの情報が世間に行きわたっていないのがわかりますね。
現状では、病院で行わる終末医療は自宅でも同様に行うことができ、痛みにも十分な処置がなされます。
自宅での看取りは今後増加の可能性が大です。
現実に自宅での看取が一番多いのは、東京都、奈良県、兵庫県、神奈川県で病院や介護施設での看取りが困難な様子が見えますね。
結果として、最期を自宅で過ごせる人が増えるのは良いことです。