柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

希望の終末期のために「ACP」

2022年07月18日 | 
この2か月間で、終末期や緩和ケアが書かれている記事をよく目にしました。
国立がんセンターで「大規模遺族調査」を実施したら、「痛みがない」「希望した場所で最期を」と希望しても願いがかなわなかった人が多い結果が出たそうです。 
患者さん本人にとっても、家族にとっても強い痛みがあることは耐え難いことです。
患者さんや家族は「痛みがあるのは当然」と考えを医師に訴えることは極力抑えがちになるそうです。
ガンそのものの痛み、それに伴う筋肉痛、不安からの痛みなどいろいろな痛みがあるそうですが
その詳細が医師側にうまく伝わっていない現状があるらしいのです。
「痛みは我慢せずに医師に伝える」「耐えることは美徳ではなく、痛みから動けなかったり、眠れなかったりすると状態は悪化し不安が痛みを更に強める」と医師側は助言しています。

私達は、まだ医療に口だすことが苦手です。
わからない知識でもあるし、懸命に取り組んでくださる医師や看護師さんにこれ以上の訴えは申し訳ないと感じてしまいます。
終末期の医療やケアは患者と家族と医療、介護チーム全員が同じ情報をもって同じ方向を見て、患者さんの望む時間を過ごせることが重要です。
そのために何度も話し合いを行う必要があります。
人の気持ちや希望なんて一度話して伝わるものではないのですね。
話す方も、聞く方も心が通じるようになってやっとその情報の行き来が始まります。
話すうちに、自分の知らない心の声を感じたり、患者さんの建前と本音を聞き分けたりできるのだと思います。病院より自宅に戻りたいが家族に迷惑かけるから、と口を閉ざす患者さんもいますが、話し合いで信頼が築けてくると伝えることができたりします。
その話し合いをACP(アドバンスケアプランニング=人生会議)と言います。
病気を完治させるだけが医療ではなく、最後の時間まで心地よくするのも医療の範疇という時代になりました。

まだまだ、医療者側にも患者や家族側にもその情報が行き届いていません。

私は亡くなった後のご家族と接してきましたが、いい看取り方ができたご家族は死という場面を上手に乗り越えています。
そのための準備として病院だけでなく、ACPをあらゆる機会に育んでいける体制ができてほしいと思います。
微力ですが、アクティブノートにもACPの準備段階として「私らしいエンディング(人生会議)の心づもり」というページを作りました。
何度でも最期の希望を問いかけ、心にイメージをつけるためです。
どうぞご活用してください。


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