柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

柴田先生は通夜の時にお客様に何を話しているのですか?

2014年04月02日 | 葬祭スタッフ
コンサルを受けている葬儀社で葬儀の施行をチェックする仕事が増えています。

座学で講義しても、
「そんなこといつもしていますから」と思っているスタッフが大勢います。
この意識を変えることは容易なことではありません。

失礼ながら、皆さんは仕事に自信を持っているので若くても頑固そのものです。

そこで実際に通夜や告別式に立ち合わせてもらい
「ここでもう一声」
「ここではこのように説明」
「こう動いたらもっといいでしょう」
と、その場で気付いたことを私が実践して見せることをしています。

その時の現場の雰囲気が変わるのを実感してもらう為です。

何回か、施行に関わったスタッフから先日質問を受けました。

「柴田先生はお客様から色々な話を聞き出されますね。
今日も、焼香後のお客様に何か話しかけていましたけど
一体、何を話しているのですか?」

この葬儀社のスタッフは、以前はとても綺麗に話す事
案内することを重視して動いていました。

見ていて確かに必要なことはしているのですが
私から見ると、そのご遺族によって対応が変わる訳でもなく
きっとご遺族にとっても、普通以上の対応を受けたという
印象を残すことは少ないでしょう。


そこで会話のポイントを教えました。

・・・・例えば、式前に一般の方が早めに式場へ来られ
    あなたは『お線香をどうぞ』って、勧めその後に
    『拝顔されますか?』とおすすめしたでしょう。

    私はその場で、『失礼ですかご友人ですか?』と
    問いかけたら『昔○○という会社で一緒の職場でした』と
    答えてくれて故人の職業がわかったのよ。
    『少しお痩せになっていますが安らかなお顔でしょう』と
    話すと『私は10年くらい逢っていなくてね』と話されたのよ。
    そんなにご無沙汰している方がわざわざ会葬に見えたということは
    故人が好かれている方で、多くの方が見える可能性が強いと判断できるし
    残られた奥様やお嬢さんに引き合わせをすると、きっと双方が喜ばれる
    だろうと考えることも出来るでしょう。

    私たちの仕事は、ただ案内すればよいのでなくて、『会葬に来て良かった』
    と思っていただき、色々な方の会話から故人を知り、遺族の為に何が出来るかを
    探り、するべき行動を起こすことなのよ。・・・・・


と説明しました。
私が動く現場を見て、その効果を知ることによって
何が自分にかけているのか疑問に感じてきます。
その方法も知りたくなります。

こんな地味な指導を重ねていきますが
実は、徐々に成果が見られるようになっています。

先日のお式では、ただの司会進行ではなく
遺族や会葬者の顔を見ながら、語りかけるよに
時には手振りを沿えて司会を務めていました。

その表情は固く事務的だった頃から比べると
優しく温かみを感じさせます。

又、喪主に色々な説明をするときも
時には笑いながら話しかけている様子が見られます。

ここまでの間、手間や時間は少し掛かっていますが
子供が育つような楽しみが私にもあるのです。


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