西宮市議会議員 しぶや祐介の活動日記

「子育てするなら西宮」「文教住宅都市・西宮」「住み続けたいまち西宮」の実現を目指す西宮市会議員のブログ。

コンサルによる委託業務見直しの結果、約2億円の費用が削減されました。でも、この内容で成果報酬50%は美味しすぎるような。。。

2024-05-10 15:43:32 | 市民に信頼される公正で効率的な行政と議会

人事院の有識者会議が中間報告をまとめ、人事院も今夏以降の勧告に反映させる方針とのこと。
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官僚の人材確保「危機的な状況」「対症療法では対処できない段階」…人事院の有識者会議 @読売新聞WEBニュース

地方自治体の人事給与制度は、人事院勧告の内容に大きく影響を受けます。
なので、とりわけ『能力・実績主義を徹底し、「脱年功序列」の動きを強めるよう提言した。人事制度を改善し、採用年次に関係なく、能力の高い職員を重要なポストに登用することや、職務内容で報酬を定める仕組みを拡大することなども盛り込んだ。』という辺りは興味津々ですね。
夏以降に示される勧告内容が、大いに気になるぞ。

これだけ厳しい財政状況にも関わらず、「人事院勧告を受けて」ということで全階層の職員のベースアップを実施した西宮市。
これから勧告される内容も、厳しい内容も含めて、厳密に反映しなければ筋が通りません!
今後の展開を、しっかりと見てまいります!!
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しぶやの市政報告77号×裏面@2024年4月発行


さて本題。
昨年6月議会で
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●市が支出する委託料(施設管理、清掃、警備など)、使用料及び情報システムの賃借料、消耗品費等を対象に
→外部事業者に対して契約内容の分析、コスト削減等の企画立案、コスト削減に向けた具体的活動支援等を委託
→年間削減効果額の半分(!)を成果報酬として外部事業者に支払う
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という「内部経費適正化によるコスト削減支援業務」の提案がありました。
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●全国的にも先例があまりないレアな事例である上、最大4.3億円もの巨額の費用が必要
→にも関わらず、議会報告なしに進められており、実質的には事後承諾...
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という手続きのまずさに加え、効果額の算定方法・算定対象などに整理し切れていない面があったことから、私自身、この話には甚だモヤモヤするところがありました。
また議会や一部のマスコミ関係者からは「思いつき的要素が強すぎるのでは?」「怪しい背景があるのでは?」等、様々な声も上がっていました。
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【ご参照】
民間の知識やノウハウを活用したコスト削減が進められます。その過程には、色々と疑問もあるわけですが...@2023年8月のブログ

で、その結果が本日の総務常任委員会で報告されたわけですが、結論から言うと見直しによって、年間2億円程度の費用が削減される見込みだそうです。
それだけ見れば、良い話。
が、どうも手放しで褒める気になれないんですよね。

というのも、見直し内容と効果額の多くは委託業務の実施回数や頻度、人員・配置の見直しによるものだったから。
いや、こんなん他所から言われんでも所管で見直しましょうよ...
「固定費3千万円+成果報酬支払額(=50%)」なので、受託事業者の側から見れば、これで約1.3億円の売上。
・・・美味しすぎて笑いが止まらんのでは? と思うのは私だけですかね。。。
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ちなみに同様の取組を実施した他自治体の状況は
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横浜市はR5~R6が固定費約3000万円+成果報酬40%で、R6~R7が固定費約2000万円+成果報酬40%。成果報酬50%の西宮市より成果報酬の率が低い。
渋谷区は固定費+成果連動型だが割合は非開示。ただしR3実施で削減額2.9億円支払額0.95億円とのことなので、西宮市より安くに委託していることは明らか。
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といった感じです。
やっぱり、西宮市の条件って美味しかったんでしょうね...
週刊東洋経済の特集がタイムリーすぎてイヤになる。。。
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繰り返しになりますが、こうも色々考えさせられる結果になった本質的な問題点は、各所管にあると思っています。
だって、これらが問題だというなら、担当する部署部署それぞれが強い責任感と問題意識を持って見て、とっくに見直されているべきだと思いますもの。
とりわけ「昇降機保守の契約年数を1年から5年に改め、遠隔点検を導入したことで40%近く、3740万円の費用を削減できました!」という話については、強烈な不満を持っています。
というのも、私は過去から保守業務の複数年契約化を求めてきたから。
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●何故これまで、できなかったのか?
●今回できるようになったのは何故なのか?
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という点について、強い違和感を持たずにいられません。
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【ご参照】
年間2,000万円以上、安くなった機械警備業務。こういう成果を取ることこそ、議員の醍醐味だと思うわけで(^^)v@2018年9月のブログ

一方で、これまで見直されていなかった問題について、外部からの視点が入ることで是正され、大きな金額が浮いたというのも、また事実。
そういう意味で、一定評価できる部分はあると思っています。
とはいえ、やっぱり成果報酬50%は高すぎたのでは...という思いは否めないわけですよ。
ぶっちゃけた話、同じ条件なら私、これまで学校の漏水とかホスト・サーバーとか夜間の巡回業務とか校門警備業務とかで、2億や3億はもらえるってことやよな...と思っちゃいますもの。
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活動実績@しぶや祐介HP

今回の内容を踏まえ、改めて、各部署においてゼロベースから現在の業務を見直すこと。
それによって、きちんとした見直しを行い、成果を得ること。
そのためには得意の「研修を行います!」で終わるのではなく、最低でも
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●見直しによって費用削減が見込める業務を漏れなくピックアップし、他自治体との比較など、今回得た知見を活かして見直すこと
→その内容に漏れ・抜け・不十分な点がないかと言った点を、予算査定時に個別に確認すること
(※枠配分予算への傾斜によって、弱くなっている財政による個別査定機能を向上させることも必須!)
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といったところが必要だと思っています。
そして、こういう取組があって初めて、今回の内容を前向きに評価できるようになるんやろな...とも。

今回、見直すべきとの指摘があった内容について、局長からは「率直に言って悔しい...」という発言がありました。
私も少なからず同じ思いを持っていますが、大切なのは「外部から言われるまで、こういうところに気付かなかった・正せなかったのは悔しい...」という思いを、より多くの職員さんに持ってもらうこと。
そうなるようにするための取組を進めていくことだと思っています。
引き続き、そういう方向でも力になれるよう努めてまいります。
それでは今日のブログは、これにて失礼いたします。