華道家 余田紫甫(志穂) 

いけばな嵯峨御流・華道家 余田紫甫の海辺の街での楽しいくらしと花を愛する日々

華道 専修会 10月  垂成体 ・景色活 野辺の景(秋の野辺)

2010年10月19日 | LIFE

垂成体 


=花材=

蔓梅擬(つるうめもどき)
竜胆(りんどう)

体先は上向けに生気をもたせる
無理に枝を垂直にさせるのではなく体にふさわしい枝を選ぶのがポイント
一度花器口で上がって下に下がる。
体の長さは花器に準じる

景色活 野辺の景(秋の野辺)


=花材=

女郎花
桔梗
竜胆
七宝や花器の縁を隠しながら広がる陸地を表現する。
春のは春の花材で野辺を表現する。(夏冬も活けても間違いではない)
七景は右勝手・左勝手 両方可能 

=先生の参考花=
・垂成体



・野辺の景
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・垂成体の応用


 応用作品には決まった留は存在しないが、、
 留になるものが一体化するか、独立して体を象徴的にするかに分かれる
 先生の参考花は留めが体と一体化した応用作品

・深山の景


・柿の瓶花




=参考話=

秋の七草は  “おすきなふくは” と覚えておくとよい。

お 女郎花
す 薄 
き 桔梗
な 撫子
ふ 藤袴
く 葛
は 萩



秋の夜長のBookレビュー

2010年10月19日 | LIFE


いっぱい心に残る本を読んでるのにBookレビューはぜんぜんしていませんでした。
これからはマメに思いついたら書きます。
つい最近の2冊。

1Q84 村上春樹


今まで村上作品は1973年のピンボールとランニングのエッセイしか読んだことがなかった。。。
私にとって初の村上春樹作品の長編です。

主人公二人はとても特殊な環境で育っていてなんともずっしりする。
まったく共感出来ない人物像だけど感情移入したし好感がもてた
特にヒロインのまったく無駄のない生活習慣がいつまえも印象に残りそう。
これまでにも無いし、今後も同じような話しには二度と巡り合わないと思うので
月を観たり渋滞の高速道路ではふとこの物語を思い出すに違いない。

先日も書きましたが春樹氏が
9.11事件がなければ大統領は別人でイラク攻撃はなかった違う世界のはず。
っと言う思いから『1Q84』を書き始めたと言うとおり、
こことは別の限りなく現実に近い世界のお話のようだ

1984年という時代を強く感じる身近な描写は思ったより少ない。
携帯やPCが普及してなかったんだな~~と改めて思うくらい。
世界情勢や大きなニュースは上手く挿入されてるが現実的に懐かしい1984年は少ない。
なぜ1984?(調べてみよう)

終盤に出てくる一つの結末はもしかして日本中いや世界中を騒がせた
あの宗教集団の教祖の誕生を彷彿とさせたのだが。。。
ハッピーエンドっとすっきり終わる物語ではない。
でも読み始めたら最後まで読まずにはいられない物語。
これが村上春樹ワールドか~~~
世界中の多くの国で翻訳されて出版されてると聞いて改めて凄さを知る。

食堂かたつむり 小川 糸


一時期すごく話題になってたのでいつか読もうと思ってた一冊。
人物の描き方が意外と浅いくて、心に染み込む程ではなかった。。
主人公を含む登場人物はだれもが個性的で、突飛で人生にすごいエピソードを抱えてるんだけど
これが心に深く染み込んで来ないのが不思議。
それぞれのキャラをもっと上手く際立たせられないのに
食堂が成り立っていく上でも現実離れしすぎて童話と解釈したほうが良さそう。
小説としての完成度はちょっと低く感じたのですが
それを帳消しにする料理のこだわりは面白いので料理好きの人は読む価値あると思います。。
ここまでするんだ、、、と唸りたくなる徹底した料理のプロセスはすごいです。
うっとりするものから思わず目を背けたくなるものまですべてがリアルです。
骨の髄までとはよく言いますが、、、
料理に関する知識は相当の様です。
小説というより 料理の専門書。。料理人の心得書みたいな解釈で読むとよろしいかも。
泣けるとTVで紹介してたけど、、涙はまったく湧かない。

カバーの絵が物語りの雰囲気にピッタリ。
番外編で思ったが著者は食以外にも小物の一つ一つにもこだわるのが好きなんだな~~と思った。

題材がすごくいいのでもっと登場人物やエピソードを上手く膨らましたり
あらてめて誰かが書きなおしたらどうか?っとふと思った。。

あ、、それって”1Q84”の本の中の世界と混同になっちゃった。。。(ちょっとネタばれ)