「対馬からの手紙の続き」

対馬で働いち養蘭を楽しんどる。山や花で季節を知り、海を眺めち命の鼓動を感じ、そげな好き勝手な太公望な暮らしがしてぇ~。

フライング気味だけど

2017年10月24日 | 対馬産の蘭
2番目の寒蘭が、笑いだした。
今年は
昼夜の気温差が大きいので色合いが濃い様子。
蘭を初めた頃、
誰もが口を揃えて「良い蘭や。」と言う蘭が有って、
どんな蘭だろうと気になり、
展示会で見る機会に恵まれ、
その澄んだ濃紫紅色の細弁大輪に惚れ惚れした。
欲しくて欲しくて堪らなくなった。
知り合いになった先輩に坪を聞いたら
「車を止める場所に着いたら竹藪が有って、
そこから入ってズ~ッと上がった所。」と言うのだ。
それ以来、雨の日も、夏の日も、冬の日も、
休みの日は放射状にその谷を隈無く散策した。
何度目かの挑戦日、
デボばかりなので いい加減に諦めかけた時、
あちらこちらに山芋掘りをした後のような
穴だらけの場所に着いた。
「ここだ!!」と思ったね!
しかし、
夕暮れで薄暗くなりタイムリミット。
それからまた幾度目かの山行。
二時間ほど丁寧に探した頃にやっと やっと
爪楊枝の半分を突き刺した感じの苗が1本見つかった!
人間が物事に集中出来る時間は約二時間。
後は惰性でブラブラ トボトボ
右に行ったり左に行ったり
上がったり下がったり、
嬉しい事が有ると集中力が復活する。
で、
天にも昇る上機嫌で掘り帰り、小鉢に植え付けた。
それから数回、行く度に数本採る事が出来、
少しずつ成長するのだが、
細身の中立ち葉でバルブも太り難い性質の為に
棚の隅っこでヒッソリ管理していた。
そんなある日、
「あそこのは本坪やちゃけど、
花色は良いが中輪で籔咲きで肥らんし、
他に大輪になる良い蘭坪が有るげな、、。」
な~んて仰る、、早く言ってよー!
だけど、自分も「大輪の坪を・・」と言えば良かったなー。
しかし、
ここの蘭が二種類有るなんて初期は知る由もない。
月日は流れ引っ越しの連続で、
「本坪蘭」は何処かにいってしまい、
別坪を聞いて回ったが
「判らんな~。」とか「ん~。」とかで
本当に判らないのか教えられないのかで判らず仕舞い。
自分で別坪探しをしたが、
対馬の山は迷えば何処が何処だか分からなくなり、
下の方に下がれば良いと思って行くと袋小路に填まったり、
全く別の麓に降りる事になる。
肝を冷やした経験を幾度も重ね、
縁の無さに落胆していた頃、
天の助けか神の下縄か、
所有者と交渉する機会に恵まれ今日に至る。

牛の首 産

やっぱりこの蘭が1番好きやな~。
この蘭は弱い品種だから2花を摘んだ。
牛の首はデリケートで、棚に合わないと枯れてしまう。
時折 養蘭について相談を受ける事があるが、
その時は自生地の環境と生育状況を観察し、
棚の環境を近付けるようにアドバイスしている。
俺でも枯らす事は多いけどね。
コメント
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