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ニッポンのゆる~い日常

忍耐と長期戦略で辺野古移設を 

2015-04-09 13:02:09 | 正論より
4月9日付   産経新聞【正論】より


忍耐と長期戦略で辺野古移設を   平和安全保障研究所理事長・西原正氏


http://www.sankei.com/column/news/150409/clm1504090001-n1.html


 去る5日に那覇市で行われた菅義偉官房長官と翁長雄志沖縄県知事との会談は予想通り平行線で終わった。普天間飛行場の辺野古移設に強く反対する知事は、「沖縄県が自ら普天間を提供したことはない」として辺野古移設に代わる案を提案しなかった。これに対し官房長官は「日米同盟の抑止力の維持、そして危険除去を考えたときに辺野古移設はただ一つの解決策だ」として政策を論じた。




 《移設容認派だった知事の豹変》


 沖縄に関する特別行動委員会(SACO)が普天間飛行場の返還を決め、代替施設としてキャンプ・シュワブの可能性を検討するとしたのが1996年であった。その後、曲折をへて仲井真弘多前知事の時にようやく移設が正式決定となり辺野古の埋め立て工事が始まった。にもかかわらず、かつては辺野古移設推進派であった翁長知事が態度を豹変(ひょうへん)させて「絶対に建設することができない」と挑発的な発言をしているのである。

 先月23日に知事は、防衛省の辺野古沖でのボーリング調査作業で許可をしていないサンゴ礁を損壊したとして作業停止指示を出したが、菅氏との会談ではさらに踏み込んで、本土への「恨み」、中央政府への不信感をあらわにした。



 翁長知事はかつて自民党におり辺野古移設容認派だった。事実、知事が那覇市長時代の2013年に辺野古移設を否定しなかった経緯もある。しかし移設反対に回ったのは、選挙に勝つため県民感情に媚(こ)びたとしか思えない。

 そこに日本共産党、社民党、沖縄社会大衆党、生活の党、それに一部公明党などの支持があったのだが、知事は当選後の12月25日に上京して共産党本部に「お礼参り」をし、職員などから歓迎を受けた。こうなると今後は、知事は辺野古移設反対など共産党の路線から外れることは難しくなったといえる。これは憂慮すべき事態である。

 翁長知事の中国寄り姿勢も懸念される。知事は福建省福州市の名誉市民の称号を持っている。知事が福州市との深いつながりをもってきたことの証左である。




 《中国の軍事脅威に無頓着》


 そして13年に、中国の巨大な観光旅客船が出入りする港近くの若狭公園に、中国皇帝のシンボルである龍柱(高さ15メートル)を2柱建てることとし、製作費のうち6600万円を中国へ発注した(龍柱は14年末になっても完成せず、放置されていて公金使途不明の疑いがあるという)。

 こういう親中姿勢をとる知事には、南西諸島に迫る中国の軍事的脅威などは理解できないどころか、無頓着を装うであろう。これも深刻な事態である。



 こうした中で、安倍晋三政権がなすべきことはいくつかある。第1に、翁長知事の辺野古工事阻止行動を、訴訟などの法的措置によって無力化することである。すでに安倍政権はその方向で動いているのは適切である。第2に翁長知事に対して、一国の防衛の問題は政府が決める問題であることを明確にする必要がある。沖縄県民の理解を得るのに有益である。


 第3に、沖縄のなかの辺野古移設推進派を勇気づけることである。昨年の知事選挙で第2位の仲井真氏は1位の翁長氏に約10万票の差をつけられたとはいえ26万票をとっている。有権者は109万人で投票率が64%であったから、40万人近くが棄権したことになる。この層の半分を、沖縄の現実的な安全保障を考える層に育てることが必要である。


 沖縄の2大新聞である琉球新報と沖縄タイムスはいずれも辺野古移設反対、翁長知事支持であり、報道や論調が極端に偏向している。この状況を是正するため、政府は広報やネット発信を強化する工夫をすべきである。特に沖縄諸島に対する中国の軍事的脅威が増大しており、対抗するには沖縄での米軍のプレゼンスが不可欠であることを訴えるのは重要である。



 《国会決議や法整備も検討を》


 実際、沖縄の人たちは報道されているほど米軍基地存続に不満だとは思えない。普天間飛行場周辺に騒音承知で住む人口が長年にわたって増えたこと、また沖縄の人口は返還時直前の1970年には94万5千人だったのが、2015年の推計では142万5千人になっていることなどが示している。


 第4に、沖縄における米軍の存在の重要性や辺野古基地の不可欠性を謳(うた)う国会決議を採択すべきである。また辺野古沖の工事への妨害がこれ以上ひどくなるようであれば、国会で沖縄基地などの整備特別法といったものを制定し、工事の妨害行為を抑制する方策を考えるべきである。

 最後に警察の権限を強化して、年間11万3千人(2014年)の中国人観光客に交じって入って来るであろう中国の党や政府の情報員や工作員を監視することである。また普天間飛行場のゲート前で、米兵に下品な罵声などで嫌がらせをする反対派(現地では「プロ市民」と呼ばれる)の規制が日本の品位のためにも必要である。

 安倍政権の忍耐と長期的戦略に期待したい。(にしはら まさし)












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朝日よ「教科書は日教組の機関紙であってはならない」とも書け

2015-04-09 12:56:59 | マスコミ
朝日よ「教科書は日教組の機関紙であってはならない」とも書け

http://www.sankei.com/premium/news/150409/prm1504090010-n1.html


朝日新聞の7日付社説「教科書はだれのものか」を一読、「よく言うよ」とあきれた。社説の書き出しはこうである。

 「教科書は、国の広報誌であってはならない」


 朝日は、来春から使用される中学校教科書の新検定基準で、近現代史に関して通説的見解がない事項の記述にはその旨を明記することや、政府見解を尊重する記述が求められるようになったことがお気に召さないらしい。


 これまで教科書は、現場の教員が主に務める「調査員」が実質的に採択の方向性を決めてきた。そのため、教科書記述は声の大きな日教組教員らが好む左がかった内容となりがちだった。


 だが、朝日はそうした教科書採択の実態、問題点には目をつむり、決して「教科書は、日教組の機関紙であってはならない」とは書かなかったではないか。


 また、朝日は竹島(島根県隠岐の島町)や尖閣諸島(沖縄県石垣市)などの記述で、政府見解が反映されたのも納得できなかったようだ。社説では、「相手国の主張や根拠まで扱った本はほとんどない」「これでは、なぜ争っているか生徒にはわからない」などと批判している。


 とはいえ、相手国の主張を取り入れるとはどういうことか。広島県教組と韓国の全国教職員労組大邱支部が共同執筆した日韓共通歴史教材(平成25年3月刊行)は、例えば慰安婦問題についてこう書いている。

「日本軍は朝鮮の女性たちを日本軍『慰安婦』として戦場に連れていき、性奴隷としての生活を強要しました」「その対象となったのはほとんどが十代の若い女性たちで、中には11歳の少女もいました」



 朝日は、こんな事実無根の話でも、相手国の主張ならば教科書に載せるべきだというのだろうか。教科書は日本の将来を担う子供たちのものであり、日教組や韓国のものではない。



 朝日は相変わらずだなと思っていたら、同日の民主党の細野豪志政調会長の記者会見にさらにあきれ返った。細野氏は自ら今回の教科書検定について切り出し、こう述べたのだ。


 「教科書が政府広報のようになるのであれば、非常に大きな違和感を覚える」


 どこかの新聞の社説で読んだようなセリフである。細野氏は「教科書記述の内容がかなり狭まったという印象を受ける」とも指摘したが、記者側からの「具体的にどの部分か」という当たり前の質問には答えられず、こう繰り返した。

 「報道などを通じて接している情報に限定されるので、個別のことについて申し上げる状況ではない」

 「それは教科書をしっかり全部読んだ上で言うべき話だろうから、報道で私が把握している情報の中で申し上げることじゃない」

だとすると細野氏は、一体何を根拠に「政府広報」だの「記述の内容が狭まった」というのだろう。細野氏はその一方で、教科書に領土に関する記述が増えた点については、次のように逆に評価してみせた。

 「日本がしっかり正当性を主張することは非常に重要だ。国民的な理解は必須だ。これまでの教育で、きちんと教えてこなかったことは問題だと思っている」

 それならば、新検定基準を何のためにことさら批判したのか。まさか当日朝に読んだ新聞の論調に引きずられ、安倍政権批判の材料になると安易に飛びついたなどということはないだろうが。(政治部編集委員)

2015.4.9 05:00








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