2月27日(日)、中央学術研修会を少し抜けて、(社)石川県柔道整復師会が開催する第11回 文化講演会に行ってきました。
ホテル金沢玄関
この文化講演会に(社)石川県鍼灸マッサージ師会は、情報を広げ多くの市民の人に聴講して頂こうという柔整師会の意向を組んで、ポスター掲示とパンフ配布という形で協力させて頂いた経緯もあり、顔を出したのでした~。
会長が用事で不在のためご挨拶される、柔整師会 副会長 川本先生
☆ 第11回 文化講演会 ☆
日 時:平成23年2月27日(日) 午後1時~2時
会 場:ホテル金沢 2階
講 師:古 章子 氏 金沢学院大学 准教授
(シドニーオリンピック トランポリン日本代表)
演 題:スポーツ選手の「こころ」とケガ
講師の古 章子さん
古さんは、3歳のころからトランポリンを始め、全日本選手権9連覇、そして、初めてオリンピック種目にトランポリンが採用されるようになったシドニーオリンピックで当時、ギリギリでメンバーに選ばれたにも関わらず、6位入賞を成し遂げるという輝かしい記録を持っている人物です。
現在は、金沢学院大学でスポーツ心理学を研究しながら、後身の選手育成に指導者として取り組んでいます。金沢市出身です。確か当院と家が近かったと思いましたが…。
そんな講演会の中で勉強したことを少し書いておきます。
●10年前に放送されたテレビ画像が冒頭に流された『苦節24年 トランポリン人生』という題名だった。先ほど書いたシドニーオリンピックでの最高の演技で6位入賞するまで物語だった。映像と古さんの話かから「普通の練習では普通の選手」ということが強く感じられた。
●「こころ」とケガは強い繋がりを持っている。
・シドニーオリンピックまでの一年間、死にもの狂いで、命をかけて高みを目指す。
・オリンピック後、全日本選手権10連覇がかかった大会では、39℃の高熱が出て競技にならず
敗退。
・アテネオリンピックを目指すも、仙骨疲労骨折などアクシデントもあり一年間腰痛で練習できない。
↓
アテネには出場できず。
自身の体験などもあり、シドニーオリンピックで最高の演技ができ、燃え尽き症候群となり、練習でもモチベーションがあがってこないことに気づくが、なかなか克服できない。注意力や消極的な「こころ」が出て痛みやケガが発症してしまう。「こころ」の問題、心理状態とケガは強い結びつきがある。
●また、現在、女子高校選手権3連覇を果たしたフタキ選手(漢字が分からないのでカタカナで)が2連覇を果たした後、目標を見失い、ケガをよくしたことから、目標設定を変えてあげる、「自己ベストを更新していくこと」のように発想転換してあげたところ、ケガも回復、高校3連覇に繋がったことを話された。
●スポーツ傷害とは、「スポーツ選手にとって、競技活動の中で経験するケガは、体の問題であると同時に、心の問題である」と出典は忘れたがスポーツ専門書に書いてある。
●強いストレスとなる心と身体状態とは…
・周囲との人間関係 ・指導者からのプレッシャー
・うまく考えたようにいかない ・ケガ
・ロストスキルシンドローム(ある日、突然技に入れなくなる)
→古さんの大学での修士論文であり、研究課題であるようです。
・イップス(整形外科など病理学的には問題がないのに、痛みが取れない、力が上手く入らない)
・分裂症(体操などでは、昨日まで出来ていたバック転が突然できなくなる)
・食行動異常(女性に多い。女子フィギュアスケートの鈴木選手もそうだった)
・体調不良
●日本スポーツ心理学会の認定メンタルトレーナーは日本に120~130人程度しかいない。
●悪循環に陥った心理状態を解き放つには…
・傾聴する。しっかり悩みを聴いてあげる。
・いかに本気にさせることができるか。
・選手にあった動機づけを行う。
・ストレスマネジメント(身体的・環境的ケア)
●ジム・レイアーの心理状態の四段階
①あきらめ、言い訳 ②怒り、恐れ ③緊張、あがり
④チャレンジ(理想的)
要は、どんな選手でも段階があるということ。焦らずに着実に進むことが大切。
●固定観念にとらわれず、様々な角度から選手をみる必要がある。
講演の途中、
「皆さんはスポーツ選手を治療する際、どんなことを心がけたり、注意して話していますか?どんなことでもいいですから教えて頂けますか」
という問いかけがあったので…(あまり挙手がなかったので)
盛り上げる意味も込めて、私は、
「その考えいいね~」「やれるじゃない」ってできる限り選手を褒めるように心がけています。と答えました。
●また、最後でも、あたくしは3つほど欲張って質問。
①シドニーオリンピックでの競技はどんな気持ちでやっていたのか。
②調子がどん底の時に、這い上がるきっかけとなった、感動した指導者の一言とは。
③選手それぞれ性格が違えば、言葉一つの捉え方も違う。心理学的に対処方法はあるのか。
≪古さんからの回答≫
①当時、上位を期待されていた男子トランポリンの中田選手(現在プロ)と一緒に行動していた。注目は中田選手だったので、終始、比較的落ちついて競技に臨めた。
また、選手村から夜空を見上げるとすごく星がキレイだった。心がクリアになり、と同時に周囲の人への感謝の気持ちを強く感じるようになっていた。
②「転んでも、ただでは起き上がるな」常に選手の時に頭にあり、常に言われ続けた言葉。この言葉に救われることが多かった。
③ある水泳の指導者が提唱している、感覚系と理論系の選手を見分ける方法の話があった。「大きい」という字を書いてみる方法であるが、古さんも選手に行い「なるほど」と思っているようだ。
たいへん勉強になりました。ありがとうございます
この話を聴講し、再び社会福祉会館の中央学術研修会にカムバックしたのでした~
二葉鍼灸療院 田中良和
ホテル金沢玄関
この文化講演会に(社)石川県鍼灸マッサージ師会は、情報を広げ多くの市民の人に聴講して頂こうという柔整師会の意向を組んで、ポスター掲示とパンフ配布という形で協力させて頂いた経緯もあり、顔を出したのでした~。
会長が用事で不在のためご挨拶される、柔整師会 副会長 川本先生
☆ 第11回 文化講演会 ☆
日 時:平成23年2月27日(日) 午後1時~2時
会 場:ホテル金沢 2階
講 師:古 章子 氏 金沢学院大学 准教授
(シドニーオリンピック トランポリン日本代表)
演 題:スポーツ選手の「こころ」とケガ
講師の古 章子さん
古さんは、3歳のころからトランポリンを始め、全日本選手権9連覇、そして、初めてオリンピック種目にトランポリンが採用されるようになったシドニーオリンピックで当時、ギリギリでメンバーに選ばれたにも関わらず、6位入賞を成し遂げるという輝かしい記録を持っている人物です。
現在は、金沢学院大学でスポーツ心理学を研究しながら、後身の選手育成に指導者として取り組んでいます。金沢市出身です。確か当院と家が近かったと思いましたが…。
そんな講演会の中で勉強したことを少し書いておきます。
●10年前に放送されたテレビ画像が冒頭に流された『苦節24年 トランポリン人生』という題名だった。先ほど書いたシドニーオリンピックでの最高の演技で6位入賞するまで物語だった。映像と古さんの話かから「普通の練習では普通の選手」ということが強く感じられた。
●「こころ」とケガは強い繋がりを持っている。
・シドニーオリンピックまでの一年間、死にもの狂いで、命をかけて高みを目指す。
・オリンピック後、全日本選手権10連覇がかかった大会では、39℃の高熱が出て競技にならず
敗退。
・アテネオリンピックを目指すも、仙骨疲労骨折などアクシデントもあり一年間腰痛で練習できない。
↓
アテネには出場できず。
自身の体験などもあり、シドニーオリンピックで最高の演技ができ、燃え尽き症候群となり、練習でもモチベーションがあがってこないことに気づくが、なかなか克服できない。注意力や消極的な「こころ」が出て痛みやケガが発症してしまう。「こころ」の問題、心理状態とケガは強い結びつきがある。
●また、現在、女子高校選手権3連覇を果たしたフタキ選手(漢字が分からないのでカタカナで)が2連覇を果たした後、目標を見失い、ケガをよくしたことから、目標設定を変えてあげる、「自己ベストを更新していくこと」のように発想転換してあげたところ、ケガも回復、高校3連覇に繋がったことを話された。
●スポーツ傷害とは、「スポーツ選手にとって、競技活動の中で経験するケガは、体の問題であると同時に、心の問題である」と出典は忘れたがスポーツ専門書に書いてある。
●強いストレスとなる心と身体状態とは…
・周囲との人間関係 ・指導者からのプレッシャー
・うまく考えたようにいかない ・ケガ
・ロストスキルシンドローム(ある日、突然技に入れなくなる)
→古さんの大学での修士論文であり、研究課題であるようです。
・イップス(整形外科など病理学的には問題がないのに、痛みが取れない、力が上手く入らない)
・分裂症(体操などでは、昨日まで出来ていたバック転が突然できなくなる)
・食行動異常(女性に多い。女子フィギュアスケートの鈴木選手もそうだった)
・体調不良
●日本スポーツ心理学会の認定メンタルトレーナーは日本に120~130人程度しかいない。
●悪循環に陥った心理状態を解き放つには…
・傾聴する。しっかり悩みを聴いてあげる。
・いかに本気にさせることができるか。
・選手にあった動機づけを行う。
・ストレスマネジメント(身体的・環境的ケア)
●ジム・レイアーの心理状態の四段階
①あきらめ、言い訳 ②怒り、恐れ ③緊張、あがり
④チャレンジ(理想的)
要は、どんな選手でも段階があるということ。焦らずに着実に進むことが大切。
●固定観念にとらわれず、様々な角度から選手をみる必要がある。
講演の途中、
「皆さんはスポーツ選手を治療する際、どんなことを心がけたり、注意して話していますか?どんなことでもいいですから教えて頂けますか」
という問いかけがあったので…(あまり挙手がなかったので)
盛り上げる意味も込めて、私は、
「その考えいいね~」「やれるじゃない」ってできる限り選手を褒めるように心がけています。と答えました。
●また、最後でも、あたくしは3つほど欲張って質問。
①シドニーオリンピックでの競技はどんな気持ちでやっていたのか。
②調子がどん底の時に、這い上がるきっかけとなった、感動した指導者の一言とは。
③選手それぞれ性格が違えば、言葉一つの捉え方も違う。心理学的に対処方法はあるのか。
≪古さんからの回答≫
①当時、上位を期待されていた男子トランポリンの中田選手(現在プロ)と一緒に行動していた。注目は中田選手だったので、終始、比較的落ちついて競技に臨めた。
また、選手村から夜空を見上げるとすごく星がキレイだった。心がクリアになり、と同時に周囲の人への感謝の気持ちを強く感じるようになっていた。
②「転んでも、ただでは起き上がるな」常に選手の時に頭にあり、常に言われ続けた言葉。この言葉に救われることが多かった。
③ある水泳の指導者が提唱している、感覚系と理論系の選手を見分ける方法の話があった。「大きい」という字を書いてみる方法であるが、古さんも選手に行い「なるほど」と思っているようだ。
たいへん勉強になりました。ありがとうございます
この話を聴講し、再び社会福祉会館の中央学術研修会にカムバックしたのでした~
二葉鍼灸療院 田中良和