二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

平成21年 10月 酔耀会(勉強会)

2009年11月02日 | 酔耀会(すいようかい)
10月21日(水)、午後8時半から今月も若手鍼灸マッサージ師の勉強会が行われました。やっぱり定期的に勉強会があり、発表するということになるとイヤでも勉強しないといけません。だからいいんですよね。すぐに”怠惰”という誘惑に負けてしまう私にとっては 

本日も帰宅は午前1時過ぎ~ほんと、勉強以外にもいろんな情報交換を行うので白熱するんですよね。

≪内 容≫

◎第1回 線維筋痛症学会 参加報告
 ~豊島先生~ 
10月10、11日に大阪で開催された線維筋痛症学会への参加報告をして頂きました。抄録の中で、鍼灸治療に関しての発表のところ、あるいは面白い視点でこの線維筋痛症(FMS)を捉え研究、診療している発表などの紹介と説明がありました。その後、学会に参加して思ったことを前回の線維筋痛症の定義や特徴、ステージ分類などを復習しながら説明がありました。問題点などについて、あるいは鍼灸院に来院する可能性が高く、実はもう来院している可能性も高いこの疾患についてもう少し理解しておくことが大切だという話がありました。診察ポイント、圧痛点などを把握すれば、意外に多いかもしれませんね。また、この疾患は筋肉・神経など末梢だけではなく、全身が関与しているということは脳の関与も忘れてはならない視点だと感じます。病態などはまだ解明されていませんが、症状やステージなどをしっかり把握しておけば、かなりの確率で適応となる症候群であると思います。患者様のために広い視野で知識を得ておかなければいけません。勉強になりました。

◎胸郭出口症候群が疑われた一症例
 ~粟 先生~
65歳 女性。両側頸肩部の鈍重感と左手指のシビレを主訴として来院された症例の報告でした。頸肩部の痛みや手指のシビレなどの患者様は鍼灸院としては珍しくない症状です。やはり腰痛や膝痛など整形外科的疾患の患者様が多いのが現状です。そんなありふれた症状であるから余計に基礎的なことや臨床的なことは把握しておかなければなりません。今回の胸郭出口症候群もその一つでしょう。この症例報告でも多くの質問が出ました。質問に答え、さらに分からないところや疑問なところを勉強していくのが自分の臨床に活きていくんですよね。しかし、当院は内科的疾患や精神疾患などの患者様、あるいは整形外科的疾患でも、成長期の子供たちがよく来院します。ここに同業者や接骨院との”違い”があるんです。いわゆるオンリーワンということですかね(ちょっと内容とは話がそれましたが)。

◎ランニングにおける身体への生理的影響
 ~田中良和~
11月8日に、かなざわ市民マラソンの鍼灸マッサージのケア活動があるわけですが、その際の参考にするべく、日本臨床スポーツ医学会学術委員会 編の「ランニング障害」を参考にして、ランニングが身体に及ぼす生理的影響を筋・骨格系を中心に発表させて頂きました。同じケアをするのにも生理学的に解剖学的にランニングをした時の身体の状態はどうなっているのか、理解しているのとしていないのとでは、選手への対応や施術を行う時の姿勢に違いが出てきます。ランニングにおいて、どのように骨格が動き、筋肉がどのような順番で使われてランニングにおけるロコモーション(移動力、推進力)が行われているのか。また、筋が自ら持っている出力を大幅に超えてパワーを発揮できるのはどうしてか(筋腱複合体)を中心に話をさせて頂きました。その際、線維筋痛症との関連の話で「脳」の話になり「なぜランニングをすると途中、あるいは終わってから気持よくなるんでしょうね」という話題になり、なぜか次回の課題になってしまったのでした 常に勉強ですな~。「心地いい」「気持ちいい」の秘密を探るとしましょうかね。


歩みは遅くとも、一歩一歩着実に進んでいこうみんなそんな気持ちで勉強してるんですよね。それが最後に大きな差を生むのだと思います。
一人で勉強するのとは違いますから。刺激しあえる仲間と切磋琢磨できるというのは幸せなことです。

「謂うことなかれ、今日学ばずして来日ありと」 『古文真宝』  

二葉鍼灸療院 田中良和
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平成21年9月 酔耀会(勉強会)

2009年09月22日 | 酔耀会(すいようかい)
9月16日(水)午後8時半より、今月も石川県の若手の鍼灸マッサージ師が集まる勉強会(酔耀会)が開催されましたので参加し、勉強してきました。

やはり終了は時計の針が午前1時近くを指していました。 本当に皆さん情熱あふれる臨床家、治療家だと思います。治療方法や治療に対する考え方は違うけど、患者様が元気で笑顔に健康な人生を歩んでほしいという強い意思がある仲間が近くにいて集まり勉強できるということは本当に幸せだと思いますね。

≪内 容≫

◎鍼通電とトリガーポイント療法が有効だった
 腰下肢痛の症例
 ~豊島先生~ 
29歳 男性の患者。腰部痛と右下肢痛としびれ感を主訴に来院されました。この患者に対し下行性疼痛抑制系の賦活と腰臀部を中心として形成されたトリガーポイントの不活性化を目的に治療を行ったところ3か月ほどで痛みがほとんど軽減されたという症例報告でした。また治療方針の参考として”線維筋痛症に対する鍼灸治療”という文献も参考にしたということで”線維筋痛症”についても発表がありました。患者が神経質であり睡眠障害や自律神経症状、不定愁訴などを有していたためこの疾患も念頭においていたということでした。鍼灸の臨床現場に意外に潜んでいるのではないかと思われる線維筋痛症を再度勉強できて参考になりました。

◎湯本求眞 記念学術講演会 参加報告
 ~宮川先生~
平成21年9月13日(日)に兼六園広阪休憩館で開催された上記講演会の参加報告をして頂きました。教育講演は漢方のものであり、その内容についての報告。鍼灸に関しては、森ノ宮医療大学保健医療学部鍼灸学科の山下 仁 先生が『国際的視野から見た鍼の臨床と研究の現状』ということで特別講演が行われた報告でした。これは、私の報告と類似性があったのですが、世界の鍼灸を含めた統合医療の動きは大きな流れで動いており、日本はそれに対応していかなければならないというものだったと思います。世界に広がる鍼灸診療は中医学が主ですが、そんな中やはり統合医療を束ねていく機関が日本にも必要であるということでした。鍼灸師はこの流れを知って、自覚して行動しないと何もやらない人は必ず時代の流れに置いていかれるなと感じました。

◎(社)生体調整機構制御学会 学術集会 報告
 ~田中良和~
私のブログにて紹介してある、上記、学術集会の参加報告をさせて頂きました。「鍼灸師はこれでいいのか」「鍼灸マッサージの未来はどうあるべきか」「鍼灸の業団のスタンス、学術団体や教育機関のスタンスはこれでいいのか」など、宮川先生の報告と相俟って様々な議論がされました。仲間でこのような議論ができることは嬉しいことであり、皆の意識も高まるというものです。鍼灸業界が早く”おらが大将”をやめて自分の立場や状況に気づいて行動していけるようにしないとね。


ベーコンの言葉に「知識は、ものを売って金もうけするための店舗ではなく、人間を救済するための豊かな倉庫である」というものがあります。

私たちの仕事はいつまでも勉強です。そして、知識を得ることは患者様が豊かになり病気が治るために必要なものであり、患者様が健康になればそれが即ち自分の喜びであり、自分の心を豊かにします。お金はその後についてくるものであり、それはまた自分を高めるために道具として使われるのです(お金は目的ではなく道具なのです)。
世の中すべて循環しているんですよね

本当に、勉強できる場があるということは有り難いことなんです~。

二葉鍼灸療院 田中良和
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平成21年8月 酔耀会(勉強会)

2009年08月25日 | 酔耀会(すいようかい)
8月19日(水)午後8時頃から今月の酔耀会が行われました。メンバーは金沢市内はもちろん白山市、小松市、能見市などから集まります。皆、勉強熱心です。

それがいい流れになってきているのか、皆さん最近、忙しい日々を送っているので集合時間が若干遅れ気味~ということで、開催時間を30分遅らせ、8時半頃スタートということになりました。

ということは…終わる時間が遅くなるということでござる~
本日も午前1時に終了

≪内 容≫

◎脳性麻痺による知的障害をもつ患者に対する
                   指圧治療の試み 
 ~松邑先生~ 
週2回施設を訪問し施術をされている先生が、脳性麻痺のため知的障害を有している患者(19歳 女性)に対して指圧治療を行った経験を報告して頂きました。最初は触れられるのも嫌がっていたものが、施術風景を見せたり、話しかけたりしているうちに心を許したかどうかは分からないが、1ヶ月後には指圧治療ができるようになり、2ヶ月間治療を行い施術の時は非常に気持ち良い、落ち着いた表情を見せるようになったということです。将来的には鍼灸治療も行いたいと思っているが、施設にての施術であり、知的障害を持っているので、そこまで踏み込む難しさもあるということでした。私たちの仕事は様々な分野で力を発揮できることを勉強できたことは、いい刺激となりました。

◎リウマチについての報告
 ~粟 先生~
平成21年4月23~26日に開催された第53回日本リウマチ学会に参加した、東京大学医学部付属病院 リハビリテーション科 鍼灸部門 主任の粕谷大智 先生の報告をまとめ、簡単な自分の症例も交えての発表でした。報告はリウマチの現状、最新の薬物治療や早期診断、早期治療についてでした。当院にもリウマチの患者様が来院されているので参考になりました。私のところのリウマチの患者様は3年~7年定期的に通院されています。どういうことかと言うと、基本的には病状の進行を遅らせる、あるいは西洋医学と併用して治療を行うことで患者様のQOLを高めるということでしょうか。リウマチで苦しんでいる方もまだたくさんおられるので、私たち鍼灸師も勉強しておかなければいけない分野でしょう。

◎(社)生体調整機構制御学会 学術集会のご案内
 ~田中良和~
9月6日(日)に開催される、(社)生体調整機構制御学会 学術集会に私は参加するのですが、その内容についてのご案内をさせて頂きました。教育講演では名古屋第二赤十字病院 救急・総合内科部長 野口善令先生が「鍼治療をめぐるエビデンス」と題して、特別講演では、名古屋大学名誉教授、愛知県がんセンター名誉総長 青木國男先生が「生活習慣の変化と疾病構造-明治・大正・昭和の軌跡」と題してご講演を頂き、その他一般口演やシンポジウムと内容の濃いものとなっていましたので、皆さんにご案内させて頂いたのでした。


月に一回でもこうして何でも語り合える仲間と、議論たまに激論、そして夢を語り合う場があるということは本当に幸せなことです。日々勉強ですね

『言志四録』に曰く ~学問は人を変える~
「人が天から受けるところの気は、その厚いと薄いと分け与えられて分量はだいたい同じようなものである。
身体の大小、寿命の長短、力の強弱、心の賢愚といったものは、誰でもそれほど大きな差があるわけではない。その間に、特に一箇所厚いところを授けられたものがあれば、人々はみな、これを非凡という。この非凡なる者はしばらく問題の外に置いておこう。すなわち普通の人にあっては、身体の大きさや寿命の長さや力の強さの分け前はどうすることもできない。
しかし、心の賢さや愚かさについては、学問によって変えることができるのである」

日々勉強、人を羨まず、「今」を常に前向きに、向上心をもって取り組むことが大切なんでしょう

二葉鍼灸療院 田中良和
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平成21年 7月 酔耀会(勉強会)

2009年07月23日 | 酔耀会(すいようかい)
7月15日(水)、午後8時より酔耀会がありましたので勉強してきました。この日は第91回全国高校野球選手権 石川県大会(夏の甲子園)の開会式の日でもあり、なぜだか興奮気味でもあったのでした。

≪内 容≫

◎治療院探訪  
 ~松邑先生~ 
小松で活躍されているベテランの先生のお話を聞き、自分の感じたことをレポートして頂きました。先生の”この道”を志したきっかけや、治療において得意にしている疾患やそれに対する考え方、患者様と対応する時の心構え、そして、若手へのアドバイスなどの報告があり、「こんなことも考えているんだな」と勉強になりました。長く地域で活躍されている先生方は、何かそこにあり、また皆様に必要とされているから存続しているのだと思います。

◎有痛性下肢筋痙攣の症例
 ~豊島先生~
先生が患者様の悩み(下肢の痛みを伴う痙攣、あるいは夜に起こる痙攣、下肢だけではなく手の痙攣など)に対して、いろいろ試行錯誤していたところ、0.6mmの円皮鍼を下肢に貼付するだけで、その日のうちに効果が現れ、夜の痙攣が治まりました。、簡便な方法であるので、患者様のご家族が悩んでいたところ、その患者様にツボの場所を教え、円皮鍼を貼付したところ、そこでも効果がみられ痙攣が治まったという症例を5例発表して頂きました。”治療技術が向上する””技術の精度が上がる”この自分の内在する感覚が向上していくのは全て”患者様の悩みを真剣に聴き、患者様の痛みを自分の痛みと捉え熟慮すること”なんでしょうね。そんなことが勉強になりました。

◎ハント症候群に対する鍼治療の一症例
 田中良和
ハント症候群とは水痘・ヘルペスウイルスが再活性化し炎症を起こす疾患で、ヘルペス症状と難聴、耳鳴りなどの耳の神経に由来する症状、顔面神経麻痺の三兆候が存在する疾患です。症例は、31歳 女性。右耳のチクチクする痛みを5月中旬に発症しヘルペスの治療を行っていたが改善なく、25日に耳の違和感とともに顔面神経麻痺を発症。総合病院へ入院し治療。ヘルペスは改善するも顔面神経麻痺は改善されず、心配になりネットで「顔面神経麻痺に鍼がいい」と知り当院来院。全身調整と局所治療を行い、7回の治療(1ヶ月あまり)で残っていたヘルペス症状、顔面神経麻痺はほぼ消失。7月23日の治療にて自他覚的に正常となったので治癒としました。まず、病院で適切な処置を行ったこと、それに加え退院後すぐに鍼治療を始めたことにより生体調整機能、自然治癒力が賦活されたのでしょう。自然経過なのではとも思いましたが、治療直後に必ず顔面症状が改善していたので、鍼の効果るでしょう。患者様も真面目に定期的に通院して頂いたのも良かったんでしょうね。


やはり酔耀会のメンバーは勉強熱心。 終わると深夜になっちゃうんですね。これも患者様のためであり、人の喜びが自分の喜びとして直に感じることのできるこの仕事に巡りあえたのですから、感謝して勉強し、人間的にも成長し、向上していくのが私たちの使命であるのでしょうね。


「天知る、地知る、子知る、我知る」 『十八史略』
日頃の行いは、原因があり結果があります。まず実行せずに結果は出ません。勉強もしかり。自分が行ったことは自分が知っているし、仲間が知っているし、天地大自然の摂理もすべて熟知しているところです。

さあ~勉強が面白くなってきたぞ~

二葉鍼灸療院 田中良和

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平成21年6月 酔耀会(勉強会)

2009年06月26日 | 酔耀会(すいようかい)
6月17日(水)、今月の酔耀会が開催されました。

最近、何かと業界の仕事が多く勉強する時間がない…と言いながらよくよく考えてみると時間を無駄に使っていることも多いんですよね。 まあ、泣きごと言わずに、自分らしく、楽しく、そして無駄がないように時間を使っていこうと思うのでした。

≪内 容≫

◎第58回(社)全日本鍼灸学会埼玉大会 参加報告  
 豊島先生 宮川先生 田中
埼玉県大宮市で開催された学会に参加したのは酔耀会からは3名でした。その3名が自分の聴講してきた発表を皆の前で感想を交え報告しました。

◎夾脊穴(華佗穴)に関する考察
 安井先生
先生が日々悩みながら、患者様が少しでも楽になるようにと試行錯誤する中で、現在、臨床にて手ごたえを得ている治療方法についての考察でした。身体の支柱である脊柱は身体の基本、古来よりその周囲には経穴が多数存在します。特に大切であるのは脊柱の真中を通る督脈であり、その督脈から棘突起周囲に反応が出る絡である。それを治療することにより治療効果が向上するという発表でした。いつもながら皆考えていることが違うので非常に勉強になります。安井先生は、経絡治療を行っているのですが、根本は患者様が楽になる治療法は何かと日々探究されています。見習わないとね。

◎「よく観る」「よく聴く」「受け止める」
 田中良和
「よく観る」とは、「見る」とは違い、見えているものの向こうにある思い、本質、根本など見えないものを見ること。「よく聴く」とは、「聞く」とは違い、音として聞くのではなく、何を言わんとしているのか相手の気持ちを理解して向かい合うこと。「受け止める」とは、受け入れるのが難しい時、まず、事実は事実として、あるがまま受け止めること。受け入れるのはゆっくりでいい。この「三事」について患者様との、あるいは人間関係を築く上で大切だなと思ったことを、高木善之 著「幸せの種をまく コーチング・ワークショップ」という本から抜粋し、鍼灸院での臨床、経営での患者様の応対について考えてみました。


いつも思うのは、毎日毎日が新鮮な学びだなと感じます。例えば、同じことを勉強したとしても、今日と明日では自分の感じ方も違うし、経験度も少し変わっているので、新たな捉え方で得るものがあるということです。

諸行無常のひびきあり~人生常に変化しているということですね。

二葉鍼灸療院 田中良和
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平成21年5月 酔耀会(勉強会)

2009年05月30日 | 酔耀会(すいようかい)
5月20日(水)、酔耀会に行ってきました。んん~やはり、皆さん勉強家ですね。 本日は午前1時まで、なんやらかんやら鍼灸臨床のこと、マッサージのこと、業界のこと、などなど実技したり、話したりしていました。

≪内 容≫

◎下腿外側から足関節全面の疼痛が
   筋筋膜性疼痛症候群と考えられた症例  
 豊島先生
約6か月前より、夜間に下腿外側から足関節全面の疼痛で目覚めるようになった62歳の男性の症例。壮年ラグビーをやられており、仕事は肉体労働&会社経営。整形外科での精査異常なし。近所の接骨院で治療をするが改善されないので、とよしま鍼灸院を来院しました。問診の結果、筋筋膜性疼痛症候群を疑い、トリガーポイントを検出し鍼灸治療を行ったところ、数回の治療で夜間痛が消失し、日常生活における痛みも軽減、現在も治療継続中とのことでした。鍼灸院へ来院する方のほとんどが疼痛疾患です。ヒトが動く時には筋肉が必要です。当然ですが、だからこそ筋肉に痛みの原因が潜んでいることが多々あるのです。疼痛疾患を扱う場合、もっと筋肉の起始・停止、機能、神経支配、個人差などを意識し、トリガーポイントを検出すると、臨床能力があがり、患者様にもさらに喜ばれるのでは!という考察もありました。いい刺激になりますな~いつも。

◎「関心力」を日々の臨床で活かせるか
 田中良和
井上富紀子さんの著書、『関心力「お客さま目線から学んだ成功法則」』をもとに、関心力=「相手がどんな状態にあって、何を要望しているのかを感じ取り、実行できる力」というもの、異業種の経営理念を鍼灸マッサージ治療院でも活かしていくことができるか?という経営の発表をさせて頂きました。関心力とは、なぜ今、それが必要なのか、関心力と生涯顧客、関心力を身につけるには、などについて簡単に説明しました。要は、関心力とは、まず関心をもち→そこから気付きを得て→その気付きを行動に移す、”即行動”これが成功のカギだ!!ということです。どこにでも自分の仕事、人生のプラスになる材料は転がっていますね。常にアンテナを張り巡らせておかないといけませんね!


"学ばざれば便ち(すなわち)老いて衰う(おとろう)"  『近思録』

常に向上心を持ち、自分の足らないところを勉強しよう
自分を成長させ、向上させよう
常に何かを身につけようとする気持ちを持とう
いくつになっても初心を忘れず、仕事の、人生の勉強に励もう

そんな点、酔耀会のメンバーは、すべて向上心溢れる人たちだから、いい空気が漂い、いい雰囲気が漂い、自分の我に弱い私にとっては、いい刺激の場となっているのでした。

二葉鍼灸療院 田中良和
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平成21年4月 酔耀会(勉強会)

2009年04月22日 | 酔耀会(すいようかい)
4月15日(水)、酔耀会が8時過ぎより開催され勉強してきました。患者様が思ったより来院され、若干、遅れてしまいました。

皆、やはり勉強熱心。、どうしても終了は0時を越えてしまいます。本日も0時30分をじゃっかんまわりました。

診療とは瞬間瞬間の状況判断であって、様々な記憶が患者様との対面の中で展開されます。この酔耀会の勉強が役に立つ場面にでくわすことが、けっこうあるんですよ。

≪内 容≫

◎解離性の上肢運動麻痺の症例  
 豊島先生
プールで泳いだ後から肩の違和感が感じられ、その後、90度までしか肩を挙げることができなくなった60歳男性の症例報告でした。脳神経外科、整形外科で検査をするも原因不明。症状発症から1か月経ったが変化がみられないので治療を開始しました。豊島先生が以前、全日本鍼灸学会北陸支部集会で発表した(この時は肩の障害と判断してしまった症例報告)ものと症状が似ていることから、キーガン型の解離性上肢運動麻痺と判断し、予後や経過を説明し、治療を行ったところ、良好な結果を得られたということです。まず症状の本態を「知る」ことが大切だと思いました!

◎体力ケア教室を実践して!
 泉 先生
先日から開始した、高齢者のための「体力つくり教室」でのメニューの紹介でした。これから訪れる高齢化社会に向け、このような取り組みも「未病治」「疾病予防」という観点からも大切になってきます。

◎深部マッサージの紹介
 松邑先生
深部マッサージ(ディ―プ・ティッシュー・マッサージ)を自分の体験と、現在勉強中の書籍からの紹介でした。いろんなことを考えながらマッサージ、指圧に取り組んでいる先生です。鍼灸でも指圧でも、体を診る時は、表面から骨にいたるまでの間を診ることも大切ですし、刺激方法もいろんな局面で様々に存在します。身体運動にしても、深部と浅部を意識してトレーニングすることが大切ですからね!

◎ストレスタンパク質と鍼灸刺激
 田中(私)
タンパク質というと”お肉”を連想されますが、タンパク質は体の筋肉、骨、神経細胞、酵素など全てをつくる原料となります。タンパク質の種類は体の機能により様々な組み合わせで作られています。その中でも、熱や有害物質、活性酸素など、生体にストレスとなる刺激に反応し、体を正常に保つため働いているタンパク質があります。これがストレスタンパク質です。以前はHPS(ヒート・ショック・プロテイン)と呼ばれていたものです。これらの概要を説明し、鍼灸刺激も、体に対してのストレス刺激であるなら、この体の見えないところで働いている機能も視野にいれて臨床を行うことも必要かな、ということで発表させて頂きました。


”三人行えば、必ずわが師あり” 「論語」

酔耀会のメンバーは、私の知らないことを知っているし、体験しています。
いつも勉強会では”わが師”のような存在なのかもしれません。

二葉鍼灸療院 田中良和
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平成21年3月 酔耀会(勉強会)

2009年03月26日 | 酔耀会(すいようかい)
3月18日(水)、8時半ころより今月の酔耀会が行われました。

「今日は、明日忙しいから早めに勉強会終わりましょう」と、始める前に話して置きながら、終了したのは、や・は・り・12時半を過ぎていました。やっぱり勉強会を開始すると、1か月、臨床の場で溜まっているいろいろな疑問や発見が出てくるのだと思います。

みな患者様の笑顔のためです。情熱家の集まりだとも言えます

≪内 容≫

◎臀部のトリガーポイントが腰下肢痛の原因だった症例  
                     豊島先生
腰下肢痛が出現し、整形外科にて軽度のヘルニアを指摘され、18件もの整体や接骨院を受診するも改善されず慢性痛になっていた患者に対し、先生独自の全身調整とトリガーポイントを検出して治療を行ったところ下肢痛は残るが腰痛はその場で改善されたという症例でした。豊島先生はトリガーポイントに関してはなかなか深く勉強されています。勉強になりました。


◎耳管開放症に対する鍼治療の一症例  田中(私)
「自分の声が耳の奥に響く」という主訴で来院された症例。24歳 男性と若いが、中学生ころからこの症状を持っていました。平成21年4月から就職も控えているので、少しでも症状が改善できたらと、某病院の耳鼻咽喉科で漢方治療を行っていたが効果がなく、「もうやれるだけのことはやりました」「鍼灸治療もやってみてもいいんじゃないか」と医師からも言われ来院されました。当院でも初めての症例でしたので、いろいろ調べながら治療しましたが、他の症状は改善されたが、主訴は改善しなかったという症例でした。この症例を通して、自分ではまだまだ勉強不足だと感じました。

◎デイサービスでの鍼灸マッサージの啓蒙活動  泉 先生
 ~ツボについて高齢者にわかりやすく説明するには?~
4月から地域健康づくり指導者として、デイサービスで高齢者の体力増強、健康維持を目的に活動を行います。その際、鍼灸マッサージの啓蒙活動も行うのですが、その時、高齢者に分かりやすく、楽しく、東洋医学について説明するのはどうしたらよいのか、ということを、自分の考えと、メンバーの意見を聞かせて欲しいというお話でした。これから、どんどんこのような活動も増えてくると思いますので、貴重な発表でした。

◎きんさんの筋肉トレーニング実話  安井先生
「きんも100歳、100歳、ぎんも100歳、100歳」、と双子の長寿ということで大きな話題を呼びました。きんさんが歩行できず抱えられ近くの接骨院の先生のところへ来院され、それから通院し、筋力トレーニングをしながら、歩行ができるようになり元気を取り戻していったという実話の紹介でした。高齢者といってもあちらの世界へ旅立つまで、体は新陳代謝を行います。高齢者の方々のそれぞれの体力レベルと、トレーニング方法、量、そして気力があれば、筋肉トレーニングも効果があるということでした。


”学びて然る後に足らざるを知り
 教えて然る後に困(くる)しむを知る” 『礼記』

日々勉強、日々発見、日々知らないことを知る、です。

二葉鍼灸療院 田中良和
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平成21年2月 酔耀会(勉強会)

2009年02月21日 | 酔耀会(すいようかい)
2月18日(水)、今月も第3水曜日が来ました。勉強できる場があるということはありがたいことです。

さてさて、今月も発表に質疑応答にと、白熱した展開でした。やはり時計の針は0時を大幅に過ぎてしまいました。

≪内 容≫

◎不妊症に対する鍼灸治療の2症例  豊島先生
不妊症は豊島先生の診療の柱としていきたいと思っているテーマ。患者様とのコミュニケーションを大切にしながら、鍼灸師としては患者様のために悩み考えながら、前向きにこのテーマに取り組んでいます。私のところ(当院)にも多くの不妊症の患者様が来院されています。行く末は「不妊症の鍼灸治療で、小松・能美は豊島、金沢は田中だ!」と言われるようになろうとの話も出ました。
今回はめでたく妊娠された報告と、治療継続中の報告の2症例でした。

◎股関節の総合的機能における筋の作用  田中(私)
 ~腸腰筋と腰方形筋を中心に~
先日行われた県民公開講座での質疑応答で疑問が生じたのと、スポーツ選手を診ていると、筋の作用も解剖学の教科書に出てくるような機能ではなしに、それぞれの関節の角度、重心、筋肉の強さ、バランスなどにより、その場面に応じて様々に機能が変化していきます。そんなことを腰痛や運動能力に大きく、そして、見えないところで作用する腸腰筋と腰方形筋を中心に話をさせて頂きました。

◎帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛に対する対応  宮川先生
 ~鍼通電刺激の実技~
先日の加賀・三策塾での症例報告の話の中で出てきた、明治国際医療大学の論文の中の疼痛抑制を行う鍼通電方法に関する実技を直接大学で行っていたという強みもあり、実技をしてもらいました。これで帯状疱疹や帯状疱疹後神経痛の痛みの辛い患者様が来院されたときの治療方法が一つ増えました。


やはり患者様に喜んで頂くためには、学問、技術、そして人間性(心)をどんどん研鑽する必要がありますね。そして、鍼灸師と患者様がともに幸せになれるために、これからも楽しく、情熱を持って勉強していこう

と、雪がちらつき冷え込む深夜に思ったのでした

二葉鍼灸療院 田中良和
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平成21年1月 酔耀会(勉強会)

2009年01月24日 | 酔耀会(すいようかい)
1月21日(水)、毎月第3水曜日開催の酔耀会(勉強会)が行われました。8時半から開始、話が白熱し終了が12時半になってしまいました。皆、勉強熱心だ。

一人でやってるより、いろんな先生方の臨床の悩み、主張、得意分野などを自由に発表したり、質問したり、一緒に悩んだりする場(勉強会)があるということは幸せだと思う。

本日、金沢市糸田新町で開業されている粟先生も初参加されました。この先生も何とか鍼灸マッサージの知識、技術を高め、患者様に貢献したいとう情熱でいろんな勉強会や活動に参加されている先生の一人です。

≪内 容≫

◎話題の治療院探訪  松邑先生
先生が年末にジムにて膝を傷めたのをきっかけに、周辺の評判のよい治療院へ治療をして頂きに行った体験報告です。

◎36週目で頭位に改善された症例  豊島先生
逆子に対する灸治療の症例報告。少し従来の治療法とは発想を変えた報告は勉強になりました。翌日に逆子の患者様が新患で当院へご来院されました。勉強するとそんな患者様が来院されるのが不思議です。意外によくあるんです。

◎便通と眼球運動の関係?!  泉先生
ご本人の体験から、眼球の随意的運動と便通の改善が関係あるのではないか??というのを、解剖や生理学も若干まじえながら考察。なかなか面白い視点でした。

◎活性酸素とミトコンドリア  田中(私)
 ~身体のバランス調整の妙~
身体活動のエネルギーを生産、体温(熱)もつくる場所が、細胞中にあるミトコンドリアであり、病の原因とされる活性酸素もここでほとんどが発生します。しかし、生体にとって活性酸素は悪者なのか?! その辺りを考察させて頂きました。


新メンバーも加わり、これから第3水曜日がさらに楽しくなるというものです。

ワクワク、ドキドキする仕事をするため、自分の仕事に輝きを持ち、その輝きを患者様に還元できるように、さらに精進、日々勉強、日々成長

二葉鍼灸療院 田中良和
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平成20年12月 酔耀会(勉強会)

2008年12月20日 | 酔耀会(すいようかい)
石川県の若手鍼灸マッサージ師が集まり、毎月、第3水曜日の診療が終了してから行っている勉強会です。今年の1月で2周年を迎えますね。臨床での悩み、疑問点、主張などを、師匠も違う、治療方法や考え方も違う仲間が集まり、熱く熱く時間の経つのも忘れて勉強しています。

鍼灸診療、基礎医学、臨床医学、鍼灸古典、あるいは鍼灸院経営などなど、それぞれの先生方が得意な分野、主として取り組んでるいる分野、今、気になって勉強していることなどを発表して、皆で議論しあっています。

環境や歴史が違う先生方ですが、理想は皆おなじです。

『患者様が健康になって、楽しく人生を送って頂きたい』ということ。唯そのためだけです。

私たちの仕事は、ただそれだけです。そのために宇宙の何者かが創った、この神秘的な人間(体・心・魂)という仕組みを、一生向上心を持って勉強し続ける信念が必要です。そんな最終目的(理想)を同じにする仲間が集まれたということは感謝ですね

◎日 時:平成20年12月17日(水) 午後8時頃~午前0時半
◎内 容:

・はやっている治療院探訪~はやる治療院を目指して~
   泉 貴宏 先生
・その圧痛は本当に治療および診断として重要なポイントなのか?
   
豊島清史 先生
・腹は病治癒の根本なのか!?
   ~潰瘍性大腸炎(IBS)の研究から考えてみる~
   田中良和
・脊柱の診方(実技)   宮川厳幸 先生


泉先生の全てのものから学ぶ謙虚な精神、豊島先生の常に疑問を持ち自分のやっている診療を客観的に見つめる姿勢、勉強になりました。石川県でも相当はやっている先生のところの様子を知ることができましたし(泉)、トリガーポイントについて意識が広がりました(豊島)。脊柱の診方も、自分が意識していない点、あるいは、さらに機能的な解剖学を勉強しなきゃいかんと思いました(宮川)。

いつも、議論に熱が入り、時計の針は0時を通り過ぎてしまいます

ちなみに、酔耀会とは、水曜日に開催していること、皆お酒が大好きだということ、鍼灸マッサージの仕事に誇りを持ち酔うほどに楽しく仕事に取り組むということ、患者さんが幸せになれることが自分の幸せでありそれが自分の耀きとなること、そして、常に飲み会を開催すること、そんな意味で皆で決めました。向上心溢れる勉強会なので~~~~す

二葉鍼灸療院 田中良和
コメント
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