二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

平成21年4月 酔耀会(勉強会)

2009年04月22日 | 酔耀会(すいようかい)
4月15日(水)、酔耀会が8時過ぎより開催され勉強してきました。患者様が思ったより来院され、若干、遅れてしまいました。

皆、やはり勉強熱心。、どうしても終了は0時を越えてしまいます。本日も0時30分をじゃっかんまわりました。

診療とは瞬間瞬間の状況判断であって、様々な記憶が患者様との対面の中で展開されます。この酔耀会の勉強が役に立つ場面にでくわすことが、けっこうあるんですよ。

≪内 容≫

◎解離性の上肢運動麻痺の症例  
 豊島先生
プールで泳いだ後から肩の違和感が感じられ、その後、90度までしか肩を挙げることができなくなった60歳男性の症例報告でした。脳神経外科、整形外科で検査をするも原因不明。症状発症から1か月経ったが変化がみられないので治療を開始しました。豊島先生が以前、全日本鍼灸学会北陸支部集会で発表した(この時は肩の障害と判断してしまった症例報告)ものと症状が似ていることから、キーガン型の解離性上肢運動麻痺と判断し、予後や経過を説明し、治療を行ったところ、良好な結果を得られたということです。まず症状の本態を「知る」ことが大切だと思いました!

◎体力ケア教室を実践して!
 泉 先生
先日から開始した、高齢者のための「体力つくり教室」でのメニューの紹介でした。これから訪れる高齢化社会に向け、このような取り組みも「未病治」「疾病予防」という観点からも大切になってきます。

◎深部マッサージの紹介
 松邑先生
深部マッサージ(ディ―プ・ティッシュー・マッサージ)を自分の体験と、現在勉強中の書籍からの紹介でした。いろんなことを考えながらマッサージ、指圧に取り組んでいる先生です。鍼灸でも指圧でも、体を診る時は、表面から骨にいたるまでの間を診ることも大切ですし、刺激方法もいろんな局面で様々に存在します。身体運動にしても、深部と浅部を意識してトレーニングすることが大切ですからね!

◎ストレスタンパク質と鍼灸刺激
 田中(私)
タンパク質というと”お肉”を連想されますが、タンパク質は体の筋肉、骨、神経細胞、酵素など全てをつくる原料となります。タンパク質の種類は体の機能により様々な組み合わせで作られています。その中でも、熱や有害物質、活性酸素など、生体にストレスとなる刺激に反応し、体を正常に保つため働いているタンパク質があります。これがストレスタンパク質です。以前はHPS(ヒート・ショック・プロテイン)と呼ばれていたものです。これらの概要を説明し、鍼灸刺激も、体に対してのストレス刺激であるなら、この体の見えないところで働いている機能も視野にいれて臨床を行うことも必要かな、ということで発表させて頂きました。


”三人行えば、必ずわが師あり” 「論語」

酔耀会のメンバーは、私の知らないことを知っているし、体験しています。
いつも勉強会では”わが師”のような存在なのかもしれません。

二葉鍼灸療院 田中良和
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徳川家康 ・・・ 遺訓

2009年04月22日 | 言葉のちから 心のちから
徳川家康はご存じ、江戸幕府を開いた人物です。

江戸時代は日本に事実上初めて出現した強力な全国政権であって、二百六十五年にわたる長期政権が続き、なおかつ平和を維持して豊かな文化が築かれました。

他のアジア、欧米諸国の専制政治とはまったく異なった性格の時代だったようです。

この文化の中、現代に繋がる組織の在り方や理念、洗練した経済社会を発展させた大変ユニークな時代でした。
西欧の歴史学者は江戸時代のことを「トクガワ・ジャパン」「パスク・トクガワーナ」(徳川の平和)とも呼んでいるそうです。

開祖、徳川家康が残した遺訓の中の最も有名であるのが、

「人の一生は重荷を負ふて遠き道を行くが如し。急ぐべからず。不自由を常とおもへば不足なし。心に望み起こらば困窮したる時を思ひ出すべし。堪忍は無事長久の基。怒りは敵と思へ。勝つことを知りて負くることを知らざれば害その身にいたる。おのれを責めて人を責むるな。及ばざるは過ぎたるに勝れり」

『江戸の遺伝子』 徳川恒孝 著


世界に類を見ない、平和で熟成された文化が築かれた江戸時代、人生に対する考え方、捉え方など、心の在り方なども熟成されていったのでしょう。トップが高貴な思想を持ち、万民がそれを理解できれば、素晴らしい国家や組織ができあがるということなのでしょうかね。

エジプト考古学の吉村作治先生によると、江戸と同じ約三百年間、15代の王が平和を守り続けた時代がエジプトにもあったそうです。それは、プトレマイオス王朝(紀元前三〇五~前三〇)であり、最後の王が、あの絶世の美女と言われているクレオパトラ女王でした。

政治も、経済も、生活も、手本や明るい未来への鍵は”平和で熟成された文化を築いた江戸時代”にあるのかもしれません。グローバル世界もいいですが、自分たちの足元である、正しい歴史を振り返ることも大切ですね

二葉鍼灸療院 田中良和
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