さて、今回のトレーナー活動記は、1回戦の試合を中心に振り返っていきます
星稜高校野球部の竹谷主将は、組み合わせ抽選で何かを持っている男だな~と思わずにはおれないカードを引き当てました。
大会第1日目の第1試合(開幕試合)
今大会は100回の記念大会ということもあり、様々なイベントやグッズ販売がありました。そのイベントの中に 『甲子園レジェンドによる始球式』がありました。
各開催日の第1試合の試合前に、様々な年代で活躍した元選手18名による始球式です。
その第1日目は、な~んと、星稜高校野球部OBで、元ニューヨークヤンキースの松井 秀喜さん。
そこを引き当てる竹谷主将のクジ運・・・この大会、何かが起こる予感・・・あんな形で・・・これは大会が終了してから書いておりますので何でも書けますが 何かが起こりそうな予感のようなものはしたことは確かなスタートでした。
もう一点、大きな節目の記念大会ということで開会式では、皇太子殿下・妃殿下(現在の天皇陛下・皇后陛下)に臨席の栄を賜り、殿下にお言葉を頂戴し、全てではないにしても試合をご観覧になられましたこと、本当に光栄でした。
今大会が平成最後の甲子園大会となることは、この時まったく予想できませんでした。その瞬間、瞬間の出会いが大事なのだと強く思い学ばせていただきました。そんな意味でも平成最後の100回、令和最初の101回大会に出場できたことは本当に素晴らしい経験なのだと感じました。
第100回全国高校野球選手権記念大会
会 期 : 平成30年8月5日~21日
参加高校 : 56校(全国 3781校)
愛知、神奈川、大阪、千葉、兵庫、埼玉、福岡は2地区に分け2校が代表出場
優勝校 : 大阪桐蔭(北大阪 4年ぶり5回目 春夏連覇)
総入場者数 : 1.015.000人(一日平均;63.437人 初めて100万人を超える)
さて、振り返っていきたいと思います。
選手の入場行進はいつみても感動します。 バックスクリーンのファンファーレ 演奏隊の皆様の音楽が流れた瞬間、鳥肌が立ちます。
さて、始球式ですが、星稜高校は後攻をとり、ここでも何かのチカラによる演出か と感じるほど何から何まで揃っていました。
松井さんが、星稜のユニフォームの中で始球式を行う。そして、今後、球界を背負って立つ可能性のある奥川投手と話をしながら握手をする。松井さんの投球はワンバウンドになりましたが、それを難なく涼しい感じでキャッチする山瀬捕手。いや~私の思いこみですが、星稜関係者にとって、これほど内容の濃い始球式はもうなかなか見れないでしょうね
8月5日 第1試合(開会式直後) 藤 蔭(大分) 星 稜
試合時間:1時間59分 観客数:約42000人
一 二 三 四 五 六 七 八 九 合 計
藤 蔭 0 1 0 0 0 0 2 1 0 4
星 稜 1 0 3 2 0 3 0 0 X 9
開幕戦白星発進 星稜 vs 藤蔭 1回戦
この試合、満塁からのゲッツー崩れではありますが、星稜は地方大会からのセオリー通り、集中力を発揮し初回に得点。ホームランこそありませんでしたが、2本の三塁打(河井君、鯰田君)、2本の二塁打(内山君、奥川君)を絡め11安打で9得点を挙げ、序盤からペースをつかみ、藤蔭の反撃をおさえ勝利しました。
特に7番の鯰田君が元気です。この日も4打数3安打。こんな打者が下位に存在すると相手チームもイヤですよね。
藤蔭は、投手の調整が若干うまくいかなかったと感じました。序盤の連続四球は星稜に勢いをつけることとなりました。しかし、打線は星稜の奥川投手のスピードボールをしっかり振り切り、いいライナー性の当たりを放っていました。
特に、4番から6番の中軸は全8安打中7安打を放ち、もし、上位が少しでも出塁することがあると失点に繋がる・・・そんなプレッシャーのある打撃力だったかなと思いました。
星稜の攻撃面では、皆、ベースランニングをしっかり走りこんでいるなという印象の強かったと思います。河井君の3塁打にしてもそうです。バントをした時の東海林君の1塁駆け抜けもなかなか速かったです。そんなところもしっかり練習しているのでしょう。
守備面では、そう大きなミスもありませんでした。初戦だから緊張しているかなという部分はありましたが、足は動いていた方だと感じましたね。
投手は、先発は奥川投手(8回 打者32人、111球、8安打、8三振、自責点4)はまずまずの立ち上がりかと思われました。途中、球速150kmも出ていました。切れこそ、もう少し精度に欠ける部分はあったかなと思いますが、キラリ光る投球の随所に見せておりました。
しかし、彼はここから秋、来春、夏とさらに進化を遂げていきますが、もしかしたら、この夏の大会が一つの大きな原動力だったかもしれません。フォームを見ているとよく分かります。
また、フォームが大きくクイックモーションもそんなに速くないため、スタートが良いと微妙なところで3つほど盗塁を許していました。強肩の山瀬捕手が素晴らしい送球を行っても刺すのは難しいかなと感じましたね。
最終回を締めたのが、1年生の寺西投手(1回 打者3人、9球)は、少ない投球数なれど甲子園で球速143kmをマークし、今後の成長を楽しみにさせてくれる投球でした。彼にもこの夏の大会は大きな経験となったと思います。
しかし、開会式直後のほぼ満員のスタンドの中で試合ができるのは緊張するかもしれないけれども、素晴らしい経験だと思います。
私の反省としては、この夏は暑かったということ。ということは筋肉疲労や熱による疲労が、これまでよりも強いということ、そこの配慮に少し欠けていた(詳細はサポート編にて書きますが)ということ。
そして、この試合が終わり、次の試合まで1週間あくというスケジュールで、その難しさと、良かった点も含め勉強になりました。
さて、まずは1勝を挙げることができたことは良かったですし、選手もしっかり明るく、必笑で溌剌とプレーしていたと思います。
ここから1週間、私は1日だけ金沢へ帰らせていただき、またサポートに着くという形でトレーナー活動を行わせていただきました。選手が次の試合に向けて最良の、最高の状態で臨めるように・・・そして次の試合で私は、失敗からトレーナーとして大きな学びを得ることになります。
星稜付きの朝日新聞の記者さんも書いてましたが、県大会を圧倒的な力で勝ち進んできた星稜でも、甲子園が始まる前までは優勝候補ではありませんでした。しかし、この1戦を終えたところで記者席では、もしかしたら勝ち進んでいく力を持っているぞ、優勝候補に挙げていいかも・・・というような言葉が囁かれていたようです。
そして、再び2回戦では球史に残る試合を展開することになろうとは・・・
では、次回はその試合について振り返り、回想したいと思います。
※8月5日の大会第1日目 他の試合結果
第2試合 : 済美(愛媛) 5 4 中央学院(西千葉)
第3試合 : 慶応(北神奈川) 3 2 中越(新潟)
最後までお読みいただき、ありがとうございます
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