皆様、こんにちわ。
朝晩もめっきり肌寒さを感じるようになり秋の訪れを感じます。本日、これを書いているは敬老の日。金沢も清々しい天気となりレジャー日和です。
金沢の観光地も県外の旅行客でいっぱいですが、感染症を注意しながら楽しんでいただきたいなと思います
さて、当院では妊活のための身体作りの鍼灸に力を入れております。鍼灸に関しては妊娠しずらい体というものを改善するためのお手伝いをさせていただく施術方法であり、一番大切なのが、出来る範囲ですが極力、生活習慣の改善をしていくことです。
心身に症状を発症する、あるいは病気になる場合は、そこに行き着くまで原因や理由など皆様の生活の歴史があります。それが病気や症状をつくっています。この状態を改善するのは悪しき生活習慣を変えていくこと、養生することが一番の早道です。
その上の鍼灸施術です。ですから初診の時や施術しながら生活習慣などもお聞きし、それを改善していくアドバイスもさせていただきます。
運動しましょうも、そのアドバイスの一環です。
運動って継続できないとよく言われますが、何か目的を持って行うとできるものです。妊活のご夫婦で言えばやはり妊娠し、出産するためですよね。ですからモチベーションは高く保てるのではないでしょうか。
そこに運動効果などが理解できれば、妊活のためだけではなく、天寿を全うするまで健康で長生きするための身体作りにも運動を継続できることになるのではないかなと考えています。
あとは無理なく、自分の生活リズムと体力のペースを考えて計画し、継続していくことです。運動初心者の方はゆっくり、短い時間で始めて、慣れてくれば少しずつ時間や強度を上げていけばいいのです。
さて、運動効果ということで今回はお話させていただきます。
運動効果についての研究は多くされていますが、一つの事柄だけが真実や効果の全貌ではなく、身体の様々な機能が働き皆様自身を動かしており、健康で快適に生活するための全身の調整システムがそこに働いているのです。
運動は身体全体の調整機能が働くことで部分的な機能も整ってくると理解すると良いかと思います。その逆もしかりであり、身体って不思議ちゃんですが精巧にできています
運動を継続して行っている方は、何となくそれを実感されているのではないでしょうか
今回は慢性疼痛に対する運動効果をみていきながら、妊活にもいいよね~と感じていただければと思っています。
EIH(exercize-induced-hypoalgesia):運動の内因性疼痛調整
腰痛や肩こりは、生涯に経験する疼痛等では常に1位、2位を占める症状であり(厚生労働省調査等)、慢性疼痛に陥りやすい症状です。その治療に関しては様々な方法があります。
最新版 腰痛ガイドラインの中の治療方法の中でも、運動療法は推奨度が高い治療方法となっています。
では、なぜ運動すると慢性腰痛や肩こりはじめ疼痛が改善されていくのか これだ という確定的なものが出ないのは、前の文章にも書きました通り運動効果は多くのシステムが関わっていると考えられるからなのです。
そんな中、今回は運動の内因性疼痛調整システムの中の注目株をご紹介させていただきます。
内因性疼痛調整システムとは、その名の通り、身体の中にある痛みを調整するシステムです。鍼灸の鎮痛効果もこのシステムが関与しています。このシステムには2通りあります。
オピオイドによるもの
・オピオイドとは麻薬用物質のことです。がん性疼痛などの治療薬としても開発されていますが、それが体内から放出されるわけです。
・その代表的な物質はβエンドルフィンと言われる物質です。
・皆さん、マラソンを経験されている人はランナーズハイを体験したことがあるのではないでしょうか。運動量が増し苦しい状況が継続しているときに、ある時期を越えると身体が軽くなり、逆に爽快感や気持ちよさを感じる時があります。この時働いているのがβエンドルフィンという物質です。
非オピオイドによるもの
(神経系)
・脳など中枢にある脳報酬系というシステムを活発にすることで疼痛などの不快状況を改善するための神経系が働きます。
・報酬系とはその名の通り、快の方向に脳内を調整する神経系です。
(筋肉系)
・筋肉自体が放出するマイオカインには抗炎症作用があり、運動することで筋肉が増加し活動が活発になれば炎症が治まってくるという働きです。
βエンドルフィンが放出されるといいよね~と思うのですが、この物質が放出されるためにはランナーズハイではありませんが、長時間ランニングや負荷が大きいトレーニングを行う必要があります。ですから、定期的な軽い運動では放出されることは少ないわけです。
でも、安心してください
そんな強度の大きい、長時間の運動をしなくても、軽い運動で身体の調整を行うシステムも分かってきています。
それがECS(内因性ガンナビノイド身体調整機能)です。
ECS(endcannabinoids-system)内因性カンナビノイドによる身体調整機能
カンナビノイドとは
・脂肪酸からつくられる脂質メディエータという生理活性物質一つです。
・カンナビノイドは、神経細胞や免疫細胞の受容体に反応して様々な情報を伝えたり、調整したります。
・細胞と細胞あるいは細胞内外の情報を伝達して身体活動を調整します。
・調整の中でも大きな役割と考えられているのは、反応が過剰にならないように抑制性の働きを発揮します。
・強いストレスや老化などでカンナビノイドが減少すると調整システムが働かなくなり、様々な症状が出現します。
・これら脂質メディエーター情報を伝達したり、働いたあとはすぐに消失します。
ECSとは
内因性カンナビノイドが行う、細胞同士のコミュニケーション能力、調整能力を発揮するシステムで、受容体、酵素、タンパク質からなるシグナル伝達系のことを言います。
カンナビノイドって身体の中だけにあるのか
・植物性と内因性(身体の中)があります。
・植物性カンナビノイドは、大麻を含む多数の生理活性物質の総称です。
・大麻はカンナビノイドを60種類以上含有しています。
・大麻は、時間・空間感覚の混濁、多幸感、記憶の障害、痛覚の麻痺、幻覚など多彩な精神神経反応を起こします。
・多発性硬化症やがん性疼痛、エイズの鎮痛作用に有効として一部の国では使用されています。
カンナビノイドの作用
例えば神経細胞から次の神経細胞へ情報を伝える時に発生したカンナビノイドが、次の細胞の受容体(CB1,CB2等)に反応して、その細胞の働きを調整します。ECSは全身に存在し、現在はカンナビノイドと同様な働きをする物質や受容体が8種類ほど確認されており、今もなお研究されています。
食欲、睡眠、痛みや炎症、免疫調整、感情制御、運動機能、体温調節、発達と老化、神経保護、認知と記憶などの機能を調整すするため働いていると現在のところ考えられています。
カンナビノイドと生殖器
卵巣の生殖腺、子宮筋層、精巣の生殖腺、ラディッヒ細胞、精細胞、前立腺の上皮細胞や平滑筋細胞にも確認されています。
当院では妊活のために鍼灸に通院されているご夫婦で運動習慣のない方には運動をおススメします・・・運動を実施しているか何度も聞きます
その中で、運動を継続して行っていると身体の調子が良くなってきた、身体が軽くなってきたとの話をいただきます。鍼灸の効果とは相乗効果があるだろうと考えています。
本日のまとめ
慢性疼痛の運動効果としてEIHという身体の中のシステムが考えられている。
EIHの中では、内因性カンナビノイドが作用するECSという仕組みが現在注目されている。
通常の運動において効果を及ぼす可能性のある調整系としてECSがある。
ECSは全身に分布し、精巣や前立腺、卵巣や子宮にも存在しする。
運動を行うことで、この身体機能を調整するシステムが作動する。
さて、皆さん、運動してみようと思いましたか
妊活の身体作りを行っているご夫婦の皆さん、運動しないと と感じていただけましたか
話は変わりますが、私はコロナの影響で、4月から筋トレエクササイズを始めました。
その運動効果にビックリしています。
な~んと78kgあった体重が74kgになっちゃいました
皆で、健康で楽しく活発な人生を過ごすため、運動やっちゃいましょう
最後までお読みいただき、ありがとうございます