一般にミスジチョウと呼ばれるやや小型のタテハチョウです。
小さな羽ばたきと滑空を繰り返す独特の飛び方をするので、山歩きをする人にはお馴染の
蝶さんではないでしょうか。
実は、これにもよく似た2種類があります。こうして2枚の写真を並べると、まるで新聞や雑誌に
掲載されている「まちがいさがし」のクイズようですが、和名は上がコミスジで、下がホシミスジです。
見分けるポイントは3本の白い帯の内、1本目がコミスジでは2か所に切れ目があるものの
全体としては帯模様になっているのに対して、ホシミスジの場合、帯模様ではなく白色紋列に
なっているのが判ると思います。
しかし、私達が飛んでいるのを見て、即座には判別できないものを、蝶たちは何によって仲間と
そうでないものを識別しているのでしょうか?
様々な実験によると、蝶は視覚で相手を識別することが判っています。色の識別能力についても
従来、タテハチョウ科の蝶は緑色しか識別できないというのが通説でしたが、人間では識別できない
紫外線や赤外線などの不可視光線さえも識別しているという説も浮上しているようです。
何れにしても、色に関する識別能力に違いがある蝶と私達人間が見ている目の前の景色は
同じ世界でないことだけは確かなようです。