万葉集に八重葎と言う植物がよく出てきます。これは現在のヤエムグラ(アカネ科)ではなく、
このカナムグラの古い呼び名の様です。
問答歌
思ふ人 来むと知りせば八重葎 おほへる庭に玉しかましを
反歌
玉敷ける 家も何せむ八重葎 おほへる小屋も妹とし居らば
この反歌に詠まれている様に、小屋を覆う様なものであれば、現在のヤエムグラでない
ことだけは確かな様です。
このカナムグラは人里近くの荒地や河原に生い茂っているので、見る機会の多い植物です。
特に河原では蔓どうし絡み合い、大繁殖しているのをよく見かけます。
8~9月頃、白い雄花を付け、少し遅れて緑色のホップの実の様な形をした雌花が付きます。
ここまでの雄花と雌花の様子はよく紹介されていますが、成熟して種を落とす前の雌花の
暗紫紅色に色付いた姿はあまり知られていない様です。
カナムグラ <クワ科 カナハラソウ属>
この暗紫紅色の部分は苞です。種が落ちた後は黒く変色して枯れます。
ビールのホップに似ていて当然、ホップはこれの近縁種です。
但し、カナムグラの雌花は苦味が無いので、ビールには使えません
そうそう、八重葎と言えばもう一つ忘れてました。小倉百人一首です。
八重葎 しげれる宿のさびしきに 人こそ見えね秋は来にけり (恵慶法師)
もちろん、ここにでのヤエムグラも当然、今でいうカナムグラのことです。
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2週間ほど前に見た時は確か、こんなに大きくなかったと思います。
種が大きくなった性かも知れません。人間でいえば臨月かなぁ?
友達から種を落とす前に色が変わると聞いたので見に行きました。この色を見たのは初めてです。
こんなに太っていませんでした。
土地のせいもあるんでしょうね。
初めて目にしたものです。