四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その167)

2025年02月12日 04時57分52秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その167) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致して
     いますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き初める 河津桜」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 「光る君へ」は昨年12月15日を持って終了致しました。昨年1年間
 源氏物語贈答歌の返歌をやって来ましたが、まだ「明石の帖」まで
 しか到達していません。旬を過ぎて行くテーマに、続けるかどうか
 悩みましたが最後の帖まで続けようと思いました。
「22.絵合(えあわせ)紫の上」
 故六条御息所の娘(斎宮の女御)が年下の冷泉帝に入内した。
 帝の寵は、年齢が近いこともあって、先に入内した弘徽殿の
 女御に傾きがちだったが、絵が好きな帝は絵画に造詣が深い
 斎宮の女御に惹かれていく。これに慌てた弘徽殿の女御の父、
 権中納言(かつての頭の中将)は当代一流の絵師に贅を
 尽くした絵を描かせる。これに対し源氏は、紫の上とともに
 秘蔵の絵を集める。後宮を舞台に繰り広げられる絵合わせが、
 三月、藤壺の御前で行われた。双方優劣つけがたく、帝の
 御前で再び開かれることとなった。その絵合わせも雌雄
 決しがたかったが、最後に出された源氏の手による須磨の
 日記によって、斎宮の女御方が勝利をおさめた。栄華を
 極めた源氏は、いつしか自らの出家へと思いを馳せた。
〇一人ゐて 嘆きしよりは 海人の住む
        かたをかくてぞ 見るべかりける  紫の上
註)一人で都に残って嘆いているよりも、海人が住んでいる
  浜辺を見て絵に描いていたほうがよかったわ
〇憂きめ見し その折よりも 今日はまた
          過ぎにしかたに かへる涙か  光源氏
註)辛かったあの頃よりも、今日はまた 再び昔を思い出して
  いっそう涙が流れます
(返歌)
☆忘れえぬ 悪夢のような 思い出に 辛かった日々 再び悲しく
☆光源氏 須磨と明石の 絵を見ては 明石の君に 恋しい気持ちも
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 光源氏は須磨の流謫から帰京後、即位した冷泉帝の後見役として快進撃を
 続けることになります。その栄華を決定づけたのが、今回の帖の名称に
 なっています「絵合」での勝利でした。なお、この「絵合」の競技は
 源氏物語以前にはなく、紫式部の物語上での発明と言われています。
 紫の上の歌は 註)にもありますように、都に一人取り残されていた折の
 心細さを切々と詠っています。
 光源氏は、その心細さを不憫に思い「涙が流れます」と紫の上の想いに
 寄り添った歌を返しています。
 これらを踏まえて、作者の返歌を鑑賞させて頂きました。いずれの返歌も
 「紫の上」「光源氏」それぞれの想いを、改めて追認し寄り添って詠まれ
 作者の優しさを感じました。なお、ここでは光源氏の「明石の君」への
 思慕についての言及は控えたいと思います。
 「紫の上」「光源氏」の想い改めて詠んでみました。
【ご参考】
★嘆きつつ一人都に留まるは 悪夢もこえる 辛き日々なり
★かの日々のさらなる辛さを今知りて 寄り添う君と ともに涙す

【詞書】「立春」で三首詠みました。
☆ほとばしる水の光や 立春の 水車回れる森の小流れ
☆立春の海を見たくて日暮れまで うすくれなゐの中に佇む
☆立春の光の中を闊歩せり 五体にしかと大地の鼓動
                         みっちっちさん
【解説】
 「春立つ日」をテーマに三首の歌を味わい深く詠んで頂きました。
 二首目の歌は、立春という節目を迎える季節の変わり目の日に、海を
 眺めながら黄昏まで過ごした様子を詠んでいます。春が始まる瞬間を
 海にいだかれ感じたいという密やかな願望が伝わってきます。
 「日暮れまで」という言葉が、時の経過と黄昏時の儚さ、さらに
 そこはかと漂う寂しささえ感じさせます。
 また、下の句では夕映えの中で作者がじっとたたずむ様子を描いて
 いますが、豊かな色彩描写が、情緒的な情景を一層引き立てています。
 さらに、一人静かに立春の海の美しさを堪能する作者。その背景に
 広がる海の夕映えが目に浮かびます。
 三首目の歌、立春は「名のみの春」ですが、燦燦とふり注ぐ光は春
 そのものと感じます。そんな光に感応し五体にみなぎるエネルギーを
 詠んで、大地の鼓動そのものが表現されています。

【詞書】節分で詠ませて頂きました。
☆節分を二月三日と勘違い 食いっぱぐれし恵方巻かな
【詞書】立春を詠ませて頂きました。
☆立春を迎え陽気に寛ぐも 予報は今季最強寒波
【詞書】PENTAX SMC 50mm f1.2を購入して詠ませて頂きました。
  なお、撮影した写真はfacebookで、
  https://www.facebook.com/profile.php?id=100087489002345
☆PENTAX 50mmを購入す 初体験の f1.2
                         西BOOさん
【解説】
 今回も、追加分も含めて「節分」「立春」「PENTAXレンズ」をテーマに
 三首の歌を詠んで頂きました。
 一首目の歌、太陽と地球の自転との関係で二十四節気の立春の日付は調整
 され、その結果今年の節分は2月2日となりました。結構間違えた方が
 多かったと聞いております。ちなみに、来年の節分は2月3日とのことです。
 そんな日付けの勘違いをユーモアを交えて明るく詠い好感が持てます。
 二首目の歌、日本列島は「立春寒波」に襲われ、その後二週間余にわたって
 寒波に呑み込まれています。昨年の暖冬が嘘のように積雪と、冷え込みが
 続いていますが、このような気象に関わる歌も、将来への記録として
 貴重な「証言詠」と感じます。
 三首目の歌、先日高品質のカールツァイスレンズを購入され、冬薔薇を
 撮影された様子を詠んで頂きました。今回は、さらにPENTAX SMC 50mm
 単焦点レンズを購入されたとのこと。画像表現にこだわる作者の機材に
 寄せる思い入れの深い歌と感じます。facebookの白い山茶花の写真を
 拝見させて頂きました。歌に詠まれていますように作者の「初体験」の
 想いが画像に結実していると感じました。撮影への更なる挑戦をフアン
 として、心待ち致しております。


     「咲き盛る 蝋梅」

【詞書】蝋梅三首です
☆寒空に金の蒔絵を描くごと 小さきつぼみの蝋梅愛し
☆蝋梅は凍空に映え密やかな 匂い零して春遠からじ
☆蝋梅の咲く頃あなたを訪ねましょう 優しい笑顔がきっと待ってる
                         夕庵さん
【解説】
 蝋梅をテーマに詩情豊かな三首の歌を詠んで頂きました。
 二首目の歌は、厳しい寒さの中、輝くように花開く蝋梅の美しさを
 見事に捉えています。「凍空」という言葉が、冬の寒さや空の透明感を
 強調しており、その中で蝋梅が鮮やかに映える様子が目に浮かびます。
 「密やかな 匂い零して」という表現は、蝋梅の香りが仄かに漂う
 様子を描写し、その繊細さが静謐な雰囲気を良く引き立てています。
 また、「春遠からじ」という結びの句は、よく使われる表現ですが、
 あえて用いることで、まだ寒い冬の中にあっても、作者の春への憧憬や
 期待感がより強調されています。
 三首目の歌は、ワクワク感に満ちた春の物語が、素敵に紡がれています。

【詞書】YouTube短歌:量子のもつれ ホルスト 海王星 神秘主義者を
  聴いて
☆量子はもつれあい
  色即是空
 月の光が今日も地を照らす
                         自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 年末にNHK特集量子もつれ「アインシュタイン最後の謎」を見ました。
 もちろん意味なんて理解出来るはずも無いが、何故か般若心経の
 色即是空が思い浮かびました。だいぶ酔いが回って来たのかも
 しれません。
 昔、NHK特集 アインシュタインロマン(1991年度)を録画し、
 何度も見たが、「神はサイコロを振らない」と量子力学者を批判し、
 「君は,君が見上げているときだけ月が存在していると本当に
 信じるのか?」と観察している時だけ起こる奇妙な光子の動きの
 量子力学者の説明を否定していました。
 しかし、若し物資実態(色)と言うものは空であるなら、月すら
 シュレディンガーの猫と同じく存在と死が両立するかも?
 こんなもやもやとした頭で、グスタフ・ホルスト(1874年9月21日
  - 1934年5月25日)の惑星 海王星 神秘主義者を聴いて、短歌に
 しました。海王星は、途中から女声合唱が挿入されており、より
 神秘的なイメージです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/0f4aa0135ad1073c11af92feb13d3c2d
【解説】
 前にも触れましたが、イギリスの作曲家グスターヴ・ホルストが作曲した
 大管弦楽のための組曲『惑星』は、ホルストの代表的な管弦楽曲です。
 紹介頂いた、その第7曲「海王星」を視聴させて頂きました。副題の通り
 全体的に静かで神秘的な雰囲気をもち、深遠な宇宙の神秘に迫るような
 独特の魅力を感じました。曲はゆったりとしたテンポで始まり、静かに
 展開し、無伴奏の女声コーラスが徐々に現れ、静かに消えていくという
 終わり方が非常に印象的で、無限の宇宙を感じさせるような終結と
 なっていました。
 詠われていますように「般若心経」の哲理を、ホルスト作曲「海王星」の
 神秘性に結びつけ、さらに「量子のもつれ」を導き出す作者の、詩人
 としての直観力と、それを「歌」に結実させる力量の凄さを改めて
 感じました。
 今、量子力学の原理を利用して計算を行う、新たな「量子コンピュータ」
 が研究開発の段階にあります。これが実現されれば並列計算等が可能と
 なり、
その演算速度が画期的に速くなります。これによりAIのさらなる
 発展の
為の、必須コンピュータになっていくものと考えます。

【詞書】2月8日、宇治にもとうとう雪が降りました。あちこち雪化粧で、
  少なくとも午前中~お昼ぐらいまでは充分雪景色を楽しむ事が
  できたようです。私は前日の夕方に(雪の予報が出てるのは知って
  ましたが)「まだギリ大丈夫やろ」とか言って自転車で買い物に行って
  まして、しっかり帰りに雪に降られて、頭から冷えました。(アホやわ…)
  その“冷え”が身の内に残った感じで、気温が低い上になお寒くて…。
  🥶結局同じ町内である平等院まですらよお行かんかったんです。何と
  意志の弱い事よ…。午前中遅めに郵便受けを見に行った時にその辺に
  積もった雪が残っていたので手のひらサイズの雪だるま⛄作って
  塀のうえに乗せておきました⛄︎が、その2、3分の間でもめちゃめちゃ
  冷えました。「やっぱしええ!(行かへん)」…。今日、「雪の平等院」の
  写真とか見たくてスマホで検索すると、「みんなの花図鑑」でブログを
  書いていらっしゃる、なつみかんさんがブログで写真を多く上げて
  らして、それで「雪化粧の平等院」を堪能しました。
  次もしチャンスがあったら行きたいですが…寒いだろうなあ。
☆「雪化粧 さぞかし綺麗なんやろな
        平等院は」見に行けへんけど
【詞書】いやあ~、レパートリー貧困の身には救世主の鍋!…とは言え、
  毎日はアカンし…。ポトフもどきの野菜スープも材料無くはないし…。
  ほか、丸大根でも炊こうか…ってこれもすでにヘビーローテーション
  気味やし…。と、何やかや料理下手なりに考えて日々やっております。
  よく姉に「旦那とか子供とか居る主婦の人らなんてもって大変やで。
  あんた自分とおばあさん(私は気に食わないですがうちの母の事です。
  姉が姪とかと話をしてたりだったら別に気にならんのですが…)だけ
  やろ」とよく言われます。…そりゃそうなんですけどね。…食費は
  控えないといかんのですが、ついついスーパーの惣菜とかが多く
  なります…。(…だって美味しいんやもん…。とは言え母が食べる
  バランスはなるべくちゃんとせんと…けどあれ食べこれ食べ言うて
  もなあ…ですし…)…暖かくなってきたら鍋でごまかされへんのが
  辛いなあ~と今から頭が痛いです。(でも寒いの嫌いです😖)…
  どうもすみません。愚痴ですね…。😥
☆ああ寒い
   今日も寒いなどないしよう
       鍋にしようかスープ作ろか…
【詞書】先日NHK「Eテレ」で、深夜帯でしたが2月5日から東京ドーム
  シティ-で開催された「世界らん展」(第35回だそうです)の模様が
  放送された番組が再放送されていたので見てました。(8日の深夜
  ですね。その少し前に総合のアニメ「チ。-地球の運動について-」を
  見ていましたから。新聞確認してませんが)番組のMC、進行や解説
  として出演されていた方々のどなたかが、番組中に「世界らん展 
  日本大賞2025」が発表される、と言ってはったので最後まで見て
  ようと思い、見ていました。(ちょっと用事もしつつ)色んな種類の
  蘭の鉢が並んでいたり、展示の仕方が面白かったり、フラワー
  アレンジメントで展示されていたり、かなり珍しい種類のものの
  解説もあったり…華やか鮮やかな蘭たちは目の保養になり、時折
  入る解説は面白く、楽しんでましたが、グランプリの発表がちょっと
  番組で伝えられるかどうか…になって、結局最後に結果だけ紹介
  していました。だからじっくり見られなかったので、検索でちゃんと
  見ました。神奈川県の方が受賞されたんだそうです。
  「パティオペディラム ワーディー‘オオスミ’」というその蘭は、
  原種はミャンマーや中国南部などが原産だそうですが、見事な
  大株に育った緑と黒っぽい色合いの、凛としながらも堂々とした
  花が6輪も同時に咲かせている…。とても変わった、でも美しい花
  でした。私は、今回ちゃんと見て「和」を、武士のようなイメージを
  感じました。緑と黒が茶道の茶碗を連想させたこともありました
  が…。…とにかく格好いい蘭でした。
  うちの蘭と言えば、昔からある東洋らんが二種類何鉢か(あまり
  手入れしてませんが毎年咲きます)と庭の一隅に春蘭がある
  ぐらいですが、見るのは大好きです。
☆グランプリ獲りたる`オオスミ´「らん展」で
             「和」を漂わす武士の如くに
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回は「平等院」「救世主の鍋」「蘭展」について作者の独特の世界観を
 交えて詠んで頂きました。
 一首目の歌は、京都フアンのブロガーさんに叱られそうな歌ですが…。
 2月8日、世界遺産「平等院」の鳳凰堂も雪化粧し、一層幻想的な姿を
 現したようですね。朱色の鳳凰堂を白雪が包み込み、優美なシルエット
 を際立たせていたとの記事を拝見しました。いつでも行ける同じ町内
 ゆえに「行かない」と言われていた方も確かにおられましたが…。
 次回は、作者の目に映った鳳凰堂の雪化粧の歌を期待しております。
 二首目の歌、寒い冬の鍋料理はいいですね。具材はなんであり身も心も
 芯から温まりますね。「鍋にしようかスープ作ろか」の下の句に歌と
 しての、おかしみが表現されています。このように飾らない詠みもまた
 良いものと感じます。
 三首目の歌、「世界らん展」で日本大賞に輝いた蘭は「パフィオペディラム
 ワーディー‘オオスミ’」でしたね。詠われているように「武士の如く」
 凛とした立ち姿が美しい、6輪同時に開花している大株の蘭でした。この
 蘭の色合いは世界的に見ても極めて珍しく「侘び、さび」の世界観を体現
 した蘭とも感じました。作者のご自宅には、二種類の蘭が咲き続けている
 とのことですが、それは素晴らしいことと思います。毎年咲かせるのは
 それなりに難しいと感じていますので…。

☆三浦路にさきがけ咲くや河津桜 如月の風いまだ荒ぶも  
                         ポエット・M
【解説】
 京急の三浦海岸駅から徒歩で8分ほどの京急線遊歩道から小松ヶ池公園に
 かけて、約1kmに渡って河津桜の並木があります。約1,000本の河津桜が
 植わっていますが、今年は開花がかなり遅れ気味で、超早咲きの木が
 ようやく開花し始めています。
 降り注ぐ如月の光とは、うらはらに吹く風は未だ冷たく、咲き初める桜の
 花びらを容赦なくなぶっています。薄紅の花びらは風に揺れながらも
 しっかと咲いています。その凛と咲く様に感情移入し詠んでみました。
 ちなみに、今年の三浦海岸桜まつりは2月5日(水)~3月2日(日)ですが、
 2月9日現在、大半の木々は未だ蕾の状態です。


     「微かに咲き初める 河津桜」

「一握の砂」石川啄木 鑑賞(5)

 「一握の砂」から、三首づつ短歌を抄出し紹介させて頂きます。
  抒情短歌の原点を味わいつつ、学んで参りたいと思います。
  なお、私の師でありました野村泰三、冷水茂太両氏の師、土岐善麿
  (土岐哀果)は、石川啄木の遺稿刊行に尽力するなど、啄木の才を
  認め、お互いにリスペクトするなかでした。
  三行分かち書きのスタイルは、土岐哀果のローマ字歌集『NAKIWARAI』
  をヒントにしたとされています。

    燈影なき室に我あり
      父と母
        壁のなかより杖つきて出づ

    たはむれに母を背負ひて 
      そのあまり軽きに泣きて
        三歩まず

    飄然と家を出でては
      飄然と帰りし癖よ
        友はわらへど

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】前週に続き掲載致します。
 ・チョウキチさんからのコメントです。
  〇みおつくし 恋ふるしるしに ここまでも
           めぐり逢ひける えには深しな  光源氏
   どこか普段の源氏と違って殊勝な感じはしますが、心がこもって
   いないのではと疑うのはへそ曲がりでしょうか。それとも源氏の
   歳のせいでしょうか。

 ・ポエット・Mの返答
   いつも「水曜サロン」を見守って頂き、また示唆に富んだコメントを
   頂きありがとうございます。
   この歌の解説でも記させて頂きましたが、「澪標」の帖は、源氏物語で
   最も美しい歌のやりとりの一つと言われています。
   光源氏も須磨への辛い配流生活により、人間的にも成長し、人へ寄せる
   想いも深いものになっていったと、源氏物語では描かれています。
   その彼の詠んだ歌ですが「心がこもってない」との指摘は鋭いですね。
   けっして「へそ曲がり」ではないと思います。紫式部も「作歌」に少し
   手を抜いたのかも知れませんね。(こんなことを言うと歴史家と、
   紫式部のフアンに𠮟られるかも知れませんが・・・)。
   なお、光源氏は明石の君との間にもうけた我が娘により、その後の
   運命が大きく好転していきます。この二人のその後の展開を物語で
   見守って頂ければと思います。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ
   幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                    了


コメント (13)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 第二部「口語短歌・水曜サロ... | トップ |   
最新の画像もっと見る

13 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ポエット・Mさんへ (西BOO)
2025-02-12 05:27:46
おはようございます。
早速、二首出詠させて頂きたいと思います。

ニュースで福島県の大内宿の雪まつりを見て詠ませて頂きました。
吹雪けども 大内宿の雪まつり どか雪の中のライトアップ
(参考)https://photonavi-shimogo.jp/pickup/1771

ホームセンターで寒梅を買った事を詠ませて頂きました。
庭の梅ふふむも開花の気配なし 待てずにコメリで寒梅を買う

よろしくお願い致します。
返信する
Unknown (みっちっち)
2025-02-12 05:45:38
おはようございます

「早春」で三首、出詠いたします。

⭐️日のかけら探し集めて早春の 賀茂川べりに君と語りぬ

⭐️早春の朝日へ窓を開け放ち 卓に広げる花柄クロス

⭐️早春の光集めて砂の城 作り上げむと 暮るるまで子ら

よろしくお願いいたします。
返信する
短歌投稿 (knsw0805)
2025-02-12 09:07:40
25年2月12日午前2時52分「水曜サロン166」に投稿致しました。よろしくお願いします。
返信する
Unknown (チョウキチ)
2025-02-12 10:41:55
憂きめ見し その折よりも 今日はまた 過ぎにしかたに かへる涙か  光源氏
燈影なき室に我あり 父と母 壁のなかより杖つきて出づ 石川啄木

 やっと人間らしさを見せるようになった光源氏、厳しい現実と向き合う愛情あふれる人間 石川啄木
時代、境遇の違いが対照的ですね。
返信する
ポエット・Mさんへ (西BOO)
2025-02-12 11:17:39
こんにちは。
追加で一首、出詠させて頂きたいと思います。

八潮市の事故で詠ませて頂きました。
八潮市の陥没事故で運転手 事故の直後の救出や否

否(いな)は何故なかったかという疑問の意味で詠ませて頂きました。
よろしくお願い致します。
返信する
Kenさんへ (ポエット・M)
2025-02-12 13:04:26
Kenさん こんにちは。

いつも、早々に「水曜サロン」へ出詠頂きありがとうございます。
本作品の歌評、解説等は明日、2月19日(水)付け「水曜サロン(その168)」に
掲載させて頂きます。

これからもよろしくお願いします。
返信する
西BOOさんへ (ポエット・M)
2025-02-12 13:08:18
西BOOさん こんにちは。

いつも、早々に「水曜サロン」へ出詠頂きありがとうございます。
本作品の歌評、解説等は明日、2月19日(水)付け「水曜サロン(その168)」に
掲載させて頂きます。

これからもよろしくお願いします。
返信する
みっちっちさんへ (ポエット・M)
2025-02-12 13:10:34
みっちっちさん こんにちは。

いつも、早々に「水曜サロン」へ出詠頂きありがとうございます。
本作品の歌評、解説等は明日、2月19日(水)付け「水曜サロン(その168)」に
掲載させて頂きます。

これからもよろしくお願いします。
返信する
チョウキチさんへ (ポエット・M)
2025-02-12 13:37:45
チョウキチさん こんにちは。
いつも「水曜サロン」を見守って頂き、また、示唆に富んだコメントを頂き
ありがとうございます。

今回は、光源氏と石川啄木の歌を対比しながら、それぞれの人としてのあり様を
述べて頂き、学ばせて頂きました。この種の対比はあまりしたことがありません
でしたので、新たな視点を提示して頂きありがとうございます。

光源氏も須磨への辛い流謫の生活を通して、人間的にも大分成長し、人に寄せる
想いにも温かさと、深みを増したと物語には表現されています。その表れが彼の
詠む歌にも少なからず滲んでいると感じましたが…。

啄木の歌には、孤独感や家族への愛情、喪失感といった複雑な感情が巧みに表現
されており、心に強く訴えかけてきます。啄木自身、父母を早くに失った
経験があり、その喪失感がこの歌にも深い陰影として反映されているのかも
知れません。
返信する
今週の詠草です。 ( 夕庵)
2025-02-12 20:06:18
こんばんは。

詞書
難しい時事詠に挑戦しました。

☆突然に落とし穴へと車ごと 天地異変に言葉をなくす

☆夜を徹しドローン、カメラの捜索も なす術もなく断念したり

☆キャビンには人の姿確認すも 命のことは黙して語らず

よろしくお願いいたします。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

短歌」カテゴリの最新記事