四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

絵本「ちーたんとあきちゃん」について

2023年04月02日 10時02分44秒 | ボランティア

 今回は、さるボランティアの方に勧められ購入した絵本について
触れたいと思います。

 この絵本は、生まれながらに右足を骨折していたために捨てられた保護猫
ちーたんと、あきちゃんの出会いから家族となるまでの心温まる物語です。

 何よりもこの絵本のイラストを担当したのが14歳のひまりさんの絵が良い
ですね。ちーたんの悲しさや、嬉しさ、さらにしょんぼりした様子等々が
活き活きと描かれています。プロの絵本作家さんの絵にはない瑞々しさと、
何よりもちーたんに対する愛情が溢れていると感じます。14歳という年齢を
差し引いても、絵の完成度は十分に高いと考えます。なお、物語の文は歌手の
八代亜紀さんとのことです。

今、ペットブームの陰で、様々な理由で捨てられるワンちゃんや猫ちゃんが
増えていると言われています。飼い主さんが愛情をもって最後まで育てて
頂くことは当たり前ですが、経済的な厳しさ、障害を負った等の理由から
保護猫や、保護犬となる猫ちゃんや、ワンチャンが昨今増えています。
それらを、ひきとり愛情をもって育てて頂く方に繋いでいく取り組みが、
益々必要となっています。今回の絵本が、そんな一助になればと思います。

なお、この本の売り上げの利益は、保護猫を飼い主さんに繋ぐ活動を
されている協会等へ寄付されるとのことです。

絵本「チーたんとあきちゃん」について、発行元に問い合わせしましたら、以下の
「楽天オンラインストア」でも購入可能との事でした。一応お知らせします。

八代亜紀グッズオンラインストア
https://item.rakuten.co.jp/aki-yashiro-store/item-16/?scid=s_kwa_pla_unpaid_208876

 

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「口語短歌・水曜サロンの会」(その52) 

2022年09月14日 05時25分01秒 | ボランティア
「口語短歌・水曜サロンの会」(その52)   短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。 ☆☆☆
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。☆☆☆


 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の詠まれた
 短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に短歌を
 投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見等をお寄せ頂ければ幸いです。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。


     「酔芙蓉 一重」


「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】9月5日私のブログに掲載した口語短歌です。ブロ友の「薩摩いもこ」さんが私の
    撮影した「ポール・セザンヌ」をJtrimで額装して下さいました。出来栄えに
    感動しまして思わず短歌を詠みました。
☆薔薇の花 Jtrim(ジェイトリム)での 額装は 煌びやかなる 芸術絵皿
                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)さん
【詞書】BS日本テレビ「小さな村の物語・イタリア」この番組が好きでいつも見ています。
    BGMで流れる曲と三上博史の語りが大好きで二人とも嵌まっています。
☆イタリアの 小さな村の 物語 歌と語りに いつも癒される
☆日曜日 朝の時間に 流れるは 三上博史の イタリアの村

                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)さん

【解説】
 二首目、三首目の「小さな村の物語・イタリア」についての番組の紹介に
  「人間本来の暮らしが息づく〝小さな村〟が今、注目されています・・・
   〝豊かに暮らす 美しく生きる〟とはどういうことなのか。
   私たちが忘れてしまった素敵な物語が、小さな村で静かに息づいて
   いました」
 と、記されていました。
 この番組への賛歌とも言える詠歌は、作者の想いが込められ共感を呼ぶ歌と考えます。
 二首目、三首目から発想を飛ばして、ご参考として一首詠んでみました。
【ご参考】
 ★イタリアの「小さな村」に残れるや つましきたつき豊かさ溢れ

    注)たつき:生活、生計


【詞書】高橋治の「風の盆恋歌」を思い出しながら今を盛りの酔芙蓉を詠んでみました。
    八尾の町は今頃門ごとに鉢植えの酔芙蓉が咲いているのかもしれません。
☆頬そめて酔ってもみたし酔芙蓉グラスをあけて今宵待とうか
☆酔芙蓉いちにち花の哀れさに朝昼夕べに姿見にゆく
☆風の盆娘の衿元乱れなく雨のおわらの坂くだりゆく

                         紬さん
 
【解説】
 越中おわらの祭の夜に忍び逢い、互いに心を通わせながら、離ればなれに20年の
 歳月を生きた男と女。ぼんぼりに灯がともり胡弓の音が静かに流れる町角。
 そこに咲く酔芙蓉の花弁は紅に染まりながら、宵闇の中静かに閉じてゆく。
 「風の盆恋歌」のそんな情景が浮かぶ三首の歌を改めて味合わせて頂きました。
 一首目の「頬そめて酔ってもみたし酔芙蓉」の、調べと表現が秀逸と思います。



     「酔芙蓉 八重」

【詞書】胎動 「ベートーベン ピアノ・ソナタ第8番 悲愴 第2楽章」を聴いて
☆私は今、生まれ変わる!
    だからじっと産道へ行くのを待っている

                         自閑 (jikan314)さん
【短歌説明】自閑 (jikan314)さんご自身の説明です。
 私は、古典の勉強をする時、精神集中とリラックスの為、YouTubeの作業用BGMや
 ミックスリストを聴きながらしております。
 クラシック名曲選でベートーベンの悲愴が流れていて、そのイメージから作りました。
 どうしてこの短歌に?と聞かれても、そう聞こえたとしか答えられないです。
 何故、ベートーベンもは悲愴と言う曲名を付けたのか?疑問ですしね😃
 たぶん、曲名は知らなくても、曲は聴いた事が有るかと。下記URLにYouTubeを
 貼付しておりますので、お聴きになられては?
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/51fab31fdf1b25a07afd2dbbd122bf5f

【投稿外コメント】自閑 (jikan314)さんご自身のコメントです。
 今回は、新古今から離れて、建礼門院右京大夫を紹介します。
 建礼門院右京大夫は、建礼門院(平徳子)に出仕し、平資盛と恋仲となり、平家の
 都落ちで生き別れ、壇之浦の後、建礼門院を大原に訪ねる様子が、建礼門院右京大夫集に
 あります。滅多に古典を現代語に訳さないのですが、右京大夫集と今昔物語集だけは、
 訳をblogに掲載しております。右京大夫のイメージとして、若尾文子さんが、語りかける
 様にと自分では思っております。

  寿永の平資盛との別れ
   またためしたぐひも知らぬ憂きことを見てもさてある身ぞうとましき
    拙訳 また他に前例の無く、同じ樣な事も知らない生き別れという辛い経験を
       したのに、まだこうしてそのままに生きている自分がうとましい…

  大原訪問
   今や夢昔や夢と迷はれていかに思へどうつつとぞなき
    拙訳 今の詫び住まいが夢なのか、昔の栄華が夢なのか迷ってしまい、
       どう考えても現実のことと思われません

   仰ぎ見し昔の雲の上の月かかる深山の影ぞ悲しき
    拙訳 昔、宮中で拝見致しました雲の上の月の樣にお美しかった建礼門院樣が、
       この樣な深山にお住まいの御樣子を拝見致しますとは悲しいことであります

   山深くとどめおきつるわが心やがてすむべきしるべとをなれ
    拙訳 (建礼門院樣のお住まいになる)この山深い大原に残して置いてきた
       私の心が、やがて出家するという導きの道標となっておくれ
 右京大夫集は、再度注目されたのが、太平洋戦争で、夫や恋人を出征で戦地に送った
 方々から読まれたとの事です。
 大原の寂光院の裏山には、右京大夫の墓との伝承の墓石があります。観光客も
 そこまでは行かないです。

【解説】
 作者は「古典の勉強をする時、精神集中とリラックスの為、YouTubeの作業用BGMや
 ミックスリストを聴きながらしております」とのこと。
 新古今集等の古文書を読み解くには、それだけの集中力が必要の旨、改めて学ばせて
 頂きました。
 その成果を私たちに「おすそわけ」して頂けるのは有難い事と思っています。
 ご紹介頂いたYouTubeで「辻井伸行ピアノ・ソナタ第8番(悲愴)第2楽章」を改めて
 視聴させて頂きました。「悲愴」との標題には遠い澄明で哀切さに満ちた旋律に
 「青春の哀傷感」を感じ取ることが出来ました。
 この曲を聴きながら「私は今、生まれ変わる!」の詠歌を紡ぐ、作者の発想力に
 感嘆した次第です。
 なお、建礼門院右京大夫の和歌について紹介いただきありがとうございました。
 コメントでも記されておりましたが「太平洋戦争で、夫や恋人を出征で戦地に送った
 方々から読まれたとの事」は、事実のようですね。
 今、私も「空白の短歌史」を時々ブログに掲載させて頂いておりますが、その資料の
 中で「右京大夫集」の記述に触れたことがありました。



    「芙蓉 淡紅」

【詞書】赤ちゃんを久し振りで抱きました。思いのほか私の子守歌が気に入って
    くれたようでたっぷりスキンシップができました。
    子育て時代を思い出し、さわやかな喜びを感じました
☆抱き上げて 泣きたる赤子に ねんころり 調べに揺れて 笑顔いづるよ
☆腕の中 見上げ聞いてる子守唄 「あーうー」と真似る みどりご可愛
☆見つめおる 黒き瞳の愛らしさ 微睡ながら まなこ閉じるよ

                         さわやか♪さん

【解説】
 三首の歌は、愛するお孫さんに触れ、そのスキンシップにより甦ったかつての
 子育て、その時代の思い出が、すっきりと詠まれていて共感を呼びます。
 いずれも、良く分かる歌ですが、三首目を少し添削させて頂きました。
 ネットでの交流により了解を得ましたので、添削歌として載せさせて頂きます。
【添削歌】
 ★見つめくる 黒き瞳の愛らしさ 微睡ながら まなこ閉じゆく


☆たのしみは 足止めてみるアキニレの 小さき花に心浮くとき
☆たのしみは 紅き葉一枚手にとりて しみじみ秋を思うひととき
☆たのしみは 空澄み渡る秋の日に 風に誘われハミングするとき

                        shima-千恵子さん

【解説】
 いずれも「小さな秋」の訪れを味わい深く詠っており、良く分かり共感が
 湧く歌と考えます。
 秋彼岸を前に、目を凝らせば秋の訪れはそこかしこに溢れていますが、
 そんな訪れに目を留めて的確に詠われています。
 特に二首目の「紅き葉一枚手にとりて しみじみ秋を思う」と、三首目の
 「風に誘われハミングする」は、さりげなく詠われていますが、表現が
 秀逸と考えます。


☆ヒグラシの声聴くたびに哀しみは 重ね深まり夏も去り行く
                      ポエット・M

【解説】
 晩夏の夕暮れ、ヒグラシの鳴き声が響いてきます。盛夏のミンミンゼミとは異なる
 そこはかとした寂しさを含んだ音色は、去り行く夏を静かに知らせているかに
 聞こえます。
 エネルギーに満ちた夏の季節が秋への移ろいを示す時、説明のしようもない寂しさ、
 哀しみが襲う時があります。それは年を重ねる毎に深まりますが、ヒグラシの
 鳴き声がその想いを一層強めるかに感じることがあります。
 そんな哀しみや切なさが深まっていく思いを詠んでみました。



     「ヒグラシ蝉」

「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (53)
 13.悪夢のアウシュヴィッツ(4)


   ああ! 我れは深き淵より
           (『詩篇』)

   アルバイト
     マハトフライの 
        ドイツ語は※
     夢にも夜と
        霧とに浮かぶ

      時と言う
        死の門上に
          アルバイト
         マハトフライと
            指が書く夢

       時と言う
         アウシュヴィッツの
           ガス室で
          我れは裸体で
            死を待つ悪夢

      時と言う
        アウシュヴィッツの
            工場で
          老いたる者が
             我れを焼く夢

    我れもまた
      我が魂も
        時と言う
       アウシュヴィッツで
         灰と化す夢


 注)※ アルバイト マハト フライ
   独: Arbeit macht frei
    ナチス政権がユダヤ人を収容する強制収容所のスローガンで、強制収容所の
    門のアーチの文字に用いられ「働けば自由になれる」と訳されています。


     「未だ咲く 夾竹桃」

   
【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでの
 ヒント、質問、諸々の疑問点、さらにご意見等について触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せ頂ければ
 幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、
 反論、ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しい限りです。

【サロン参加者からの小野小町等の歌の紹介】
 自閑 (jikan314)さんからの詠歌の紹介ですが、学びとして掲載します。

 何気にテレビチャンネルを回して?いると、NHK教育でいきなり小町が出て来ました。
 ★思ひつつぬればや人の見えつらむ 夢と知りせばさめざらましを(古今集 小野小町)
 NHK「究極の短歌・俳句100選ベストセレクション」の恋と言う番組の再放送で、
 選者が短歌50首、俳句50首を選ぶと言う嗜好。

 選者の一人、栗木京子さんは、新古今和歌集をよく読んでらっしゃるらしく、
 式子内親王の百人一首と、
 ★ながめつつ思ふも寂し ひさかたの月の都の明け方の空(新古今和歌集 藤原家隆)
 を選ばれておりました。家隆は、定家ほど有名ではありませんが、後鳥羽院歌壇の
 双璧で、定家ほど性格が悪く無いです。
 ★花をのみ待つらむ人に山里の雪間の草の春をみせばや(六百番歌合)
 この歌は、茶人千利休が座右の銘にしていたそうです。貴方の知らない新しい美を
 見せようと言う意味ですね。
 ★下紅葉かつ散る山の夕時雨 濡れてやひとり鹿の鳴くらむ(新古今 秋歌下)
 巻頭歌(一番最初に掲載される歌)の栄誉を受けたもので、俳句の季語
 「紅葉かつ散る」の元になった歌です。
 ★志賀の浦や遠ざかりゆく波間より氷りて出づるありあけの月
 私は幽玄の歌だと思っています。
 ★露時雨もる山かげのした紅葉濡るとも折らむ秋のかたみに(秋歌下)
 私の好きな歌で、歌のイメージが、晩秋の映像となって、入って来る気がします。
 ★契りあれば難波の里に宿りきて波の入り日を拝みつるかな
 最後は、大阪市天王寺区に夕陽ヶ丘と言う地名、四天王寺前夕陽ヶ丘駅と言う駅が
 有りますが、由来はこの歌によります。


     「朝顔の花」

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
 (8) 最近心無い「スパムメール」等がコメント欄に届いています。
    誠に心苦しいのですが、今後コメントは「許可制」にさせて頂きます。
 (9) 投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
    ニックネームのみでIDのない方、あるいは匿名の投稿は内容により掲載
    できない場合もありますのでご了承願います。

                     了
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「春秋」(「綜合詩歌」改題)誌鑑賞(13) 「白萩の浪」

2022年09月11日 09時55分21秒 | ボランティア

―戦時下、空白の短歌史を掘り起こす その13―
    「白萩の浪」

 「古典太平記」に乱舞するつわもの達の哀史。源氏一門の新田義貞に攻め込まれ、北条一族ことごとく自刃して果てた地、鎌倉宝戒寺。ここはまた、坂東武者たちの夢を乗せて、源頼朝が打ち立てて150年余続いた鎌倉幕府滅亡の象徴の地でもある。執権北条の怨念に満ちた呻きが聞こえてきそうな、静寂が包む寺域一面は白萩の群生に埋まっている。
 鎌倉の萩寺とも言われる宝戒寺は1335年(建武2年)に北条高時の菩提を弔うため、後醍醐天皇が足利尊氏に命じ北条執権邸跡に建立されたと伝えられている。山門から本堂に至る小径を覆う白萩を、初秋の夕陽が柔らかに染めている。煙るように咲く白萩は淡い逆光の中で、その白さを際立たせ、行きかう人々を誘うように揺らいでいる。
 胡蝶にも似た無数の小花を纏う白萩は、つわもの達の哀史を飾るにふさわしい清楚な花である。その花の一つ一つに折りたたまれた物語が時空を超えて甦ってくる。そんな哀史の一ページを、そう遠くない大戦下の詩歌の世界から紐解いて見たい。

 昭和十九年七月。東条内閣倒壊後、後任の小磯主相は組閣にあたって「国民大和一致、敵米英の反攻を撃砕するのみであります」と声明した。しかし、緊迫する戦局に対して何一つ有効な対策を立てることが出来ず、事態は益々悪化の一途を辿っていった。また、この内閣は世に言う「木炭自動車内閣」とも呼ばれ、政治力の乏しさを露呈した。マリアナ玉砕後、日本軍航空部隊の再建はついに出来得なかった。このマリアナを基地としたアメリカ空軍は、制空権を失くし無抵抗となった日本本土に対する、大規模な空襲を開始した。

 昼夜を問わない空襲と、その警報が各地で鳴り響く中で発刊された「春秋」9月号は、改題後第三号を数えた。巻頭には「墨八首」と題して、岡麓氏の短歌作品が掲載され、形式的な戦意高揚歌とは一線を画して、風雅な趣を添えている。なお、本号に作品を寄せた代表的歌人は、上林角郎、真崎徹、杉本糸子、渡辺會乃、野村泰三の各氏を初め19名の方々であった。 本土への大規模な空襲が現実のものとなった、この月に学童疎開の計画が実施に移された。幼子との別れは夫や、恋人との別れを超えた淋しさで、人々を押し包んでいった。また、死と隣り合わせの日常は、遠い戦場の出来事ではなく人々の日々の生活を覆い始めていた。

 このような情況下で紡ぎだされた歌には、歌人達の死生観が否応無く滲み、静かな緊張感をみなぎらせている。そんな歌人達の思いが溢れ、資料的にも貴重な珠玉の一首とも言える歌を抄出させて頂いた。


 近詠                        中井克比古
  警報下の暗き部屋にてわが父の位牌を包む母の後姿(うしろで)
  挙手の礼してわが道を子いでゆけり障(さや)るものなく耀ふらしも
  私の命一つにこだはらぬ時代(ときよ)に生きてむしろやすけし

 淙々居吟                      上林 角郎
  明日ありと思はぬ日々を送りつつ必ず明日のありと日々思ふ
  強からぬ狩野君さへ徴されたる世とし思ひて努むべしわれも
  決められし疎開にとほく手離さむ子の幼さをのみおもひ居り

 即日帰郷                      真崎 徹
  つづまりは感傷にをきて寄せ書きの旗をりたたむ宿のたたみに
  かんぼぢやの花に触媒する妻よ子なきをその夜嘆きたりしが
  日暦はその日のままになほありて部屋に座ればはや疲れをり

 梅雨どき                      渡辺 曾乃
  サイパンの死闘を思へば庭木々の若葉の照りもわが目に昏し
  工場のベルトの唸り警報と錯覚したるわれをさびしむ
  貧しかるわれを師として疑はぬ子らの瞳に合ひて惑へり

 作品                        野村 泰三
  病み伏していくばくうとく過ぎしゆゑ夏へ移れる光りに怯ゆ
  国をこぞる戦に徹しぬさりながら或る日はなごみて無為なりにけり
  凄惨なり死闘するぞと伝へ来てわが嘆けども銃後にありつつ


 空襲警報の鳴り響く部屋の中で「父の位牌を包む母の背」に注ぐ子のまなざし。「疎開にとほく手離さむ子の幼さ」に寄せる父母の思い。「サイパンの死闘」と、それに続く玉砕に思いを馳せるおみなの悲憤。呻吟や慟哭の夜を重ね、それに耐え、越えながら詠まれたこれらの歌から滲み出してくる想いを、重く受け止めていきたい。

 本号には、これら短歌作品の他に古野清人氏による「トバ湖畔の聖者」と題する随筆を初め伊澤幸平氏、北村淑子氏らによる論文、紀行文が掲載されている。戦時統制下、用紙窮乏のおり随筆、論文等の編集にも厳選のあとが感じられる。これら論文の中から歴史的にも、また文献的にも貴重な資料として古野清人氏の文章の一節を抜粋し掲載したい。


 ―官憲と現地住民との媒介となる現地出身の官吏、警察官などは大部分がフランス統治時代のイデオロギーを、大東亜共栄圏理念へ切り替えているわけではない。したがって衣料、食料を根本とする経済変動は奔々と痛感されても政治的革新は急速に実現されえないような情況の下にある。そこに現地住民の不満と不安が胚胎し、伝統に宗教的雰囲気の豊かな社会にあっては、必然的に宗教運動を核心とする新しい運動が展開される根拠がある。もちろん、この種の運動が十分に成長するか中絶するかは、主として諸種の社会的要因によって決定される。―

 オランダそして、フランス等欧州列強の植民地として、その桎梏と抑圧の下で呻吟してきた長い歴史をもつスマトラの民衆。そこに戦勝者として登場した日本と、その掲げる共栄圏理念に寄せた人々の惑いと苦悶を思い起こしている。この惑いと不安が「宗教運動を核として新しい民族的な運動へと発展する」との古野氏の指摘は、其の後の歴史の進展と、怒涛のような民族独立への展開をみるとき、氏の洞察の確かさを示している。

 本号では、会員からの投稿歌を中井克比古、泉四郎の両氏が選者となって二部立てで選歌を行なっている。なお、「春秋」と改題以来の選者、高木一夫氏は家族の疎開のため、選歌を休まれた旨が編集後記に記されている。 この作品の中から、緊迫する戦局と明日をも知れない生命を抱きながら、なお湧き上がる思いを岩に爪で刻むが如くに詠われた歌。詩魂の結晶とも言えるそんな歌の数々を抄出させて頂いた。

  ☆汝を産むと二日二夜苦しみし我に応へてかく輝やくか      野島 いさ子
  ☆ひそまりし街の物音に底ごもりしずかに燃ゆる憤り聴け     金剛 みを
  ☆うら若く妻と呼ぶべきひとを置きてみ艦の君の還る日はなし   菅野 貞子
  ☆応召の名簿の中に筆太く君戦死すと書きて涙す         小島 欽一郎
  ☆まなかひはしろき雲立つこみどりのしずけき峡に君は葬むる   石田 愛子
  ☆幼きもの母人等悉く血潮染めたりああサイパン島        原  恵子
  ☆一筋に生きる命を汗にして燃ゆる入日にまむかふ吾は      河本 文子
  ☆ゆく者はなべて追はねどしかすがにこの侘しさや術なかりけり  神谷 ツネ子
  ☆さねかづら逢ふを楽しみ居ると言ふ妻を思へば身も謹しまむ   藤森 正光
  ☆一輪のダリヤが保つひそけさを悲しきまでに感じつつをり    宮路 芳夫
  ☆ただひとり ただひとりなる野のみちに抱きてありし心放たむ  府川 とし枝
  ☆愛し子を三人ささげてその母はしずかに田畑守りています    花鳥 克己
  ☆きほひ立てる心悲しもうつそみの人の生命は儚きものを     岩田 文子
  ☆靖国の神と鎮まりましませど夫と呼ばまし宵もありけり     星佳 歌子
  ☆君征くとききたる夜は今更に防人の歌を吾は思ふも       郡司 礼子


 戦局が苛烈さを極める中、小磯内閣は明日を担うべき多くの有為な青年達を「もののふ」に急仕立てし、消耗戦となっている戦場へと送り出していった。徹底した皇国教育により、使命感に燃えて戦場へ赴いた「もののふ」も少なからず存在したであろう。しかし多くの青年達は後に残される妻を、父母を、そして恋人を思い、断ち切りがたい絆を引きずり、強いられた旅路へと向かったことも想像に難くない。

 ましてや、アッツ島に始まり、ケゼリン島、コット島、さらには在留邦人の全てを含むサイパン島の玉砕の悲報に触れての出陣は、正に死出の旅路を意味した。
 なお、「幼きもの母人等悉く血潮染めたりああサイパン島」と詠われた島。サイパン島では多くの民間人が米軍に捕われる事を良しとせず、また日本軍側も民間人に対する配慮が行き届かなかったため、岬に追い詰められた民間人がバンザイクリフ(マッピ岬)やスーサイドクリフから海に飛び込み自殺を余儀なくされた。多いときでは1日に70人以上の民間人が自殺したとも言われている。アメリカ軍は自殺を防止するために島内に「民間人は保護する」旨の放送を繰り返していたとも伝えられるが、日本軍によって繰り返し吹聴された「残虐非道な鬼畜米英」への恐怖イメージのために、ほとんど効果がなかった事を史実は示している。

 「ただひとり、ただひとりなる野のみちに」たたずむ恋人を残し、また「うら若く妻と呼ぶべきひとを置きて」死出の旅路へ踏み出さざるを得なかった男達。その思いを受けとめ、銃後にあって日々の生活を支えたおみな達。その人々も本土が爆撃にさらされ戦場となる恐怖の中で、生活を背負う二重三重の闘いを余儀なくされていった。

 苦悩に呻く、その声すら上げる暇も無い日々にあって、歌に託した、また、託さざるを得なかった思いの数々。それは呻きを越えた魂の叫びと、その表出でもあった。そんな叫びがこだまとなって、これらの歌群より聴こえてくる。底こもる響きとなって・・・。 憤怒や嘆きに満ちる絶望の中から、一縷の希望を求める如く生み出された詩。そこからは悲愴や哀感を越えた、むしろ澄明な調べが基調音として響いてくる。あたかも初秋の風の音のように。

 北条一族の終焉を見守った地。宝戒寺の参道をはじめ、寺域一面を埋めて咲く花々は白一色に彩られている。萩は言うに及ばず曼珠沙華までもが白一色・・・。人によって更なる人の血が流されるのを拒むかのように・・・。参道をわたる風に吹かれた白萩が、波立つように揺れている。その波間に飛沫のように咲きこぼれる白萩の花。それは烈しい大戦の波間に揉まれながらも懸命に生き、闘ったおみな達が、祈るように求めた希望のともし火にも似て、微かではあるがしっかりとした輝きを放っている。
                           了
       初稿掲載 2008年9月14日
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「ふれあい教室」へ

2017年11月19日 19時27分39秒 | ボランティア
過日、週末に私が住む地域の公立中学校で「ふれあい教室」と題するイベントが行われました。
この「ふれあい教室」は毎年11月の土曜日に、地域に住んでおられる各分野の経験者・有識者等を、
ボランティア講師としてお招きし、二十講座余を開設し十数年ほど前から続いております。

この講座への参加は、中学生はもとより、広く地域の方にも門戸を開き、小学生からお年寄りまで
参加する、文字通りの「地域のふれあい教室」に成長してきました。
私もイベントの仕掛け人の一人として、立ち上げからかかわり、講師の一員としても参加して
参りましたが、この盛況さと、広がり、さらに定着にほっとしているところです。

これらの講座は「コンピュータ入門」「英語教室」「筝曲」等の堅めのものばかりでなく、「紙飛行機作り」
「フォークダンス」「チョコバナナ作り」「合気道」 等々、楽しく、なじみやすい講座まで幅広く用意され、
さながら地域の総合カルチャースクールの感があります。
私の担当した「コンピュータ入門・ホームページ作り」の講座は、中学一年生、二年生を中心に、男女混合の
総勢で10名ほどの方に参加していただきました。

コンピュータの五大機能等の説明から始まり、インターネットの概要と現状、HTMLというホームページ作成言語の
学習等を先ず座学として行い、その後ひな形を基に簡単なホームページを演習として作成して頂きました。
作成例のひな形を使用したとは言え、かつて、この中学校で技能教育として二年生を対象に、三日間6時間コースの
内容を、2時間余に圧縮した物でした。

それにもかかわらず、所定の時間内で、各メンバーそれぞれに工夫をこらし、欅坂46の平手友梨奈の顔写真や、
ポケモンGOの画像をインターネット等より取り込んで、センス良く世界に一つしかないホームページを
完成してくれました。
それぞれの作った ホームページをプリンターでプリントし「お土産」として持ち帰って頂きました。
ただし、カラープリンターの調子がいまいちで、素敵なカラーでセンスの光るホームページの印刷が
出来なかったのが心残りでした。

今回の教室では、HTMLという彼らにとっては初めての言語でしたが、座学の説明内容をしっかり理解してくれ、
若干のアドバイスとヒントで、インターネットから画像を取り込み、背景のユニークな表現まで工夫する技を
それぞれの方が発揮してくれました。
また、女生徒を先頭に疑問点を積極的に質問し、検索し友人同士で教えあう姿が随所でみられ、地域の担い手として
たくましく、優しく成長している様子も伺え嬉しくなりました。

また、今年の9月にメルカリでウイルスを販売した中学生の「新たな非行」に触れ、「やってはいけないこと」の
けじめはネットの世界では特に気を付けること、また、人を傷つける情報は決して発信しないこと、さらに発信
した情報は取り消しが出来ないこと等々を、強調し語らせて頂きました。

ホームページつくりを介して中学生とのささやかな交流でしたが、彼らの聡明さと強さ、そして優しさを改めて
感じる貴重な経験をし、私自身も学ぶことの多いイベントでした。
また、イベント終了後、担当した先生達との話し合いの中で、私たちも含めて、地域の有識者の高齢化もあり、
このようなイベントを担える、次の世代を育てる取り組みの必要性を改めて感じました。
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たくましさと優しさを

2016年11月15日 20時10分52秒 | ボランティア
先週末は、私が住む地域の公立中学校で「ふれあい教室」と題する講座が、17講座にわたって行われました。

この「ふれあい教室」は、毎年11月の第3土曜日に地域に住んでおられる各分野の経験者を、ボランティア講師
としてお招きし、十数年ほど前から続いております。
この教室の一つ 「コンピュータ入門」講座のボランティア講師として、私も参加して参りました。
この講座は、中学生ばかりでなく、広く地域の方にも門戸を開き小学生からお年寄りまで参加する、文字通りの、
「地域のふれあい教室」に成長してきました。このイベントの仕掛け人の一人として立ち上げからかかわり、
講師の一員としても参加して参りましたが、この盛況さにほっとしているところです。

これらの講座は「コンピュータ入門」「能楽」「筝曲」等の堅めのものばかりでなく、「そば打ち」「紙飛行機作り」
「フォークダンス」「チョコバナナ作り」「合気道」 等々、楽しくなじみやすいものまで幅広い講座も用意され、
さながら総合カルチャースクールの感があります。
私の担当した「コンピュータ入門・ホームページ作り」の講座は、中学一年生、二年生を中心に、インターネットの
仕掛けを知りたいと言われる地域の方も二名加わり、総勢で30名ほどの方に参加していただきました。

コンピュータの基礎から始まり、インターネットの概要、HTMLというホームページ作成言語の説明等を先ず座学
として行い、その後ひな形を基に 簡単なホームページを作成して頂きました。
作成例のひな形を使用したとは言え、本来は6時間コースを2時間余に短縮したコースにもかかわらず、所定の
時間内で、各メンバーそれぞれに乃木坂46や、ポケモンGOの画像をインターネット等より取り込んでセンスの
良い世界に一つしかないホームページを完成してくれました。 それぞれの作った ホームページをカラープリンター
でプリントし「お土産」として持ち帰って頂きました。

今回の教室でも、中学生はもとより、地域の方までかなりの理解度を示し、若干の ヒントでインターネットから
画像を取り込み、背景のユニークな表現まで行う技をそれぞれの方が発揮してくれました。 また、中学生が
疑問点を積極的に質問し、検索し友人同士で教えあう姿が随所でみられ地域の担い手としてたくましく、
優しく成長している様子も伺えちょっぴり感動しました。

また、現在WBC侍ジャパンの一員として活躍する、本校の卒業生秋山選手の活躍にふれ、文武両道の取り組みの
大切さとともに、コンピュータのもつ優れた機能を、中学生諸君が将来さらに進化させるために貢献してほしいことを
期待と共に語りました。

また、人を傷つける情報の発信はどんなことがあっても許されないこと、さらに発信した情報は取り消しできないこと、
想定を超えるのトラブルの存在にも想像力を働かせてほしいこと等々を、強調し語らせて頂きました。
ホームページつくりを介して中学生とのひと時の交流でしたが、彼らのたくましさと優しさを改めて感じる貴重な
経験をし、私自身も学ぶことの多いイベントでした。
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地域の「総合カルチャースクール」

2013年11月21日 22時04分54秒 | ボランティア
 私が住む地域の公立中学校では、毎年11月の第3土曜日に地域に、おられる経験者を
講師として「ふれあい教室」と題する講座が、二十数講座にわたって行われています。
「ふれあい教室」は、ここ10余年ほど前から続いておりますが、先週の土曜日
「コンピュータ入門」講座のボランティア講師として参加して参りました。

 この講座は中学生ばかりでなく、広く地域の方にも門戸を開き小学生からお年寄りまで
参加する文字通りの「地域のふれあい教室」に成長してきました。
この教室の立ち上げ時から地域の一員として関わりをもってきた一人として、この成長を
素直に喜びたいと思っています。

 これらの講座は「コンピュータ」「能楽」等の堅めのものばかりでなく「そば打ち」
「紙飛行機作り」「社交ダンス」「チョコバナナ作り」 等々、なじみやすいものまで
幅広い講座も用意され、さながら総合カルチャースクールの感があります。

私の担当した「コンピュータ入門・ホームページ作り」の講座は、中学一年生、二年生と
ともにソフトテニスクラブのホームページを作りたいとおっしゃるご婦人と、88才、米寿の
記念にご自分のホームページを作りたいと学習意欲旺盛なおじい様も含めて、総勢で15名の方に
参加して頂きました。

 コンピュータの基礎から始まり、インターネットの概要、HTMLという ホームページ作成言語の
説明等を座学として行い、その後ひな形を基に 簡単なホームページを作成して頂きました。
 作成例のモデルを使用したとは言え、本来は6時間コースを2時間余に短縮したコースにも
かかわらず、所定の 時間内で、各メンバーそれぞれに素敵な感性を発揮し世界に一つしかない
ホームページを完成してくれました。 それぞれの作ったホームページをカラープリントで
プリントし「お土産」として持ち帰って頂きました。

 今回の教室でも、昨年同様に中学生はもとより、88才のおじい様、ご婦人までかなりの理解度を
示し、若干の ヒントでインターネットから画像を取り込み背景の表現まで行う「凄腕」を
それぞれの方が発揮してくれました。
昨年来、感じて参りましたが、スマホやiPadの活用を含めて各年代層へのコンピュータリテラシーの
浸透度合いの進展には目を見張る想いでした。

 また、コンピュータのもつ優れた機能、活用の可能性への希望とともに、個人情報の大切さ、
さらに発信した情報は取り消しできないこと、スパム、ウイルス等々のマイナス部分への
気づき、想定を超えるのトラブルの存在にも想像力を働かせてほしいことを、繰り返し強調し
語らせて頂きました。
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思春期の子供を、そしてジャカランダ

2013年06月22日 19時09分29秒 | ボランティア
 心配された台風4号も、九州上陸前に温帯低気圧になったとの予報に触れ、ほっとしているところですが、豪雨の心配は依然として続いているようです。
今日ここ横須賀は何とか晴れ間も覗きました。

 以前のブログで触れましたが、先週末に、私の住む町の公立中学校で今期の第一回の「教育力推進協議会」が開催されました。
 この会は、前にも説明しましたが中学校の先生方はもとより中学校区の町内会長、保護司、児童民生委員、青少年指導委員、スポーツ推進委員、行政センター館長、さらに小学校の校長先生等々が参加して年4回にわたって開かれています。

 この会の司会進行を地域幹事の一人として担当の先生と共に担うことがありますが、今回も担わせて頂きました。
今回の討論のテーマは「思春期の子供を育てる。地域でできること」でした。
 地域の次代を担う「子供たちは地域の宝物」との意識も強く、事実諸々のイベントの中で子供たちも企画段階から参画できる場面を設定し、文字通り体を張って子供たちと共に第一線で活動されている方たちですので、当を得たテーマの一つでもありました。

 従って発言内容も地に足がつき、中学生に対する温かな、時には期待するゆえの厳しい視点も含めて建設的な実現可能解を提案する真摯さに溢れていました。
 また、先生方からの部活等をめぐり積極的な発言もあり、地域のメンバーも本音で答える緊張感に満ちた充実した討論も展開され、私自身、今回も学ぶことの多い実りある会となりました。

 なお、この横須賀でも南国の花「世界三大花木」の一つ、ジャカランダが咲いているとのことで神奈川歯科大のキャンパスまでデジイチスケッチに行ってまいりました。
紫に煙る、その写真を掲載したいと思います。
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「ふれあい教室」での講座

2012年11月20日 21時34分04秒 | ボランティア
私が住む地域の公立中学校では、総合学習の一環として地域におられる
有識者を講師として「技能体験」講座のカリキュラムが組まれ、
ここ10年ほど続いて参りました。

今年も先週末の土曜日に、これらを発展させ、中学生ばかりでなく広く
小学生にも門戸を開き「ふれあい教室」と銘打って、これら技能講座と
ともに「竹とんぼ作り」「七宝焼」「社交ダンス」「ホームページつくり」
等15教室が行われました。

私にも、昨年に引き続き、この教室の一つ「コンピュータ入門」の
講師要請があり、ボランティアとして行って参りました。

今年は、小学生のメンバー2人とお母さん方も含めて総勢で18名の方に
参加して頂きました。
事前に用意したパワーポイントの教材は、中学生を前提に作成しましたので
小学生には若干きついかなと思いましたが、真剣な眼差しで取り組んでくれ、
的を射た質問もあり結構理解してくれたと思っています。

コンピュータの基礎から始まり、インターネットの概要、HTMLという
ホームページ作成言語の説明を座学として行い、その後演習、さらに
簡単なホームページを作成して頂きました。
作成例のモデルを使用したとは言え、本来は6時間コースを2時間余の
時間で、各メンバーの感性でそれぞれ世界に一つのホームページの
作成までやり終えました。

今回の教室でも、中学生はもとより小学生もかなりの理解度を示し、
ヒントを与えるとインターネットから画像を取り込み背景の表現まで
行った生徒さんもいました。
最近のトレンドを押さえた斬新で、素敵な文言による自分のホーム
ページのアピール等々、私が期待した以上の出来栄えを示し、
その理解度の深さには感動すら感じました。

昨年来、感じて参りましたが、スマホの活用を含めて若年層への
コンピュータリテラシーの徹底度合いの進展には目を見張る想いでした。

「2位ではダメなんですか」との問で有名になった、日本のスーパー
コンピュータ「京」が、今年の6月にアメリカのメーカーにも抜かれ
3位陥落した事実を紹介し、若い諸君には新しい技術や研究に挑戦し
世界をリードする力量を付けて欲しい旨を希望として申し上げました。

また、コンピュータのもつ優れた機能、活用の可能性についての希望と
ともに、誤認逮捕者まで出した「なりすましPC」事件を始め、その果たす
マイナスの部分へ、さらに想定外のトラブルの存在にも想像力を働かせて
ほしいことを昨年に続き地域の先輩の「思い」として若干語らせて頂きました。
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墓参・帰省

2012年08月19日 21時29分08秒 | ボランティア
 今週、お盆に合わせて夏季休暇をとり息子たちの家族と共に墓参を兼ねて、長野、熊谷と廻ってきました。
墓参を兼ねての帰省は、子供たちからの提案でここ数年続いていますが、それぞれの休暇を調整する大変さはあっても、久しぶりに家族でうちそろって行う小旅行はいいものとしみじみと感じています。

今回は、長野市の善光寺まで足を延ばし「お戒壇巡り」を経験してきました。
「お戒壇巡り」はご存知の方も多いと思いますが、瑠璃壇床下の真っ暗な回廊を巡り、中程に懸かる「極楽の錠前」に触れることで、錠前の真上におられる秘仏の御本尊様と結縁を果たし、往生の際にお迎えに来て頂けるという約束をいただく道場とのことです。
 入口には、タイ国王より贈られた仏舎利(お釈迦様の御遺骨)とお釈迦様の像が安置されています。
 一条の光も指さぬ真の暗闇を、手の感触だけ巡るのは眠っている五感を呼び覚まし手の触感だけで「極楽の錠前」に触れるという得難い経験が出来たと感じています。

 また、久しぶりに訪れた長野市は緑溢れる街並みと、落ち着いた風格すら漂う土産店が喧噪とは遠い賑わいを見せて魅力的な街と感じました。
ネット等の口コミで評判の「元屋」という店では評判通りに美味しい信州そばを味わうことが出来ました。

 郷里に近い佐久平駅の周辺は昨年にも増して緑濃く、昨今多くの地方都市で見られる「都市の疲弊」とは異なり、活気あふれる落ち着いた街並みに成長しつつあるとの印象を持ちました。
細君の故郷である熊谷も「日本一暑い街」を逆手に取った町おこしを行い、また妻沼聖天山聖天堂(本殿)は、今年国の重要文化財から「国宝」となったこともあり町おこしに一段と熱が入っていると感じました。

 故郷で過ごした歳月よりも、そこから離れてからの歳月が遥かに越えた今も、故郷の山河の存在は未だ大きいと感じました。
「山河につながる、血につながる、言葉につながる…」故郷ゆえと改めて感じました。

 帰省を機会に家族のルーツや、故郷の山河とその雄大さを子供たちも感じてくれればとかつては思ったことはありましたが、私が表現するよりも故郷の現実がはるかに雄弁に子供たちに語りかけてくれていると感じた次第です。
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花火クルージング

2012年08月05日 20時27分56秒 | ボランティア
昨日、4日土曜日は横須賀開国祭のフィナーレを飾る「2012よこすか開国花火大会」が
開催されました。

三浦半島にあるイベント会社の主催する「花火クルージング」に細君共々参加し、
この花火を船の上から眺める幸運に恵まれました。
久里浜港からの出航が6:15でしたのでサンセット、花火、さらに満月から二日目の
真円に近いムーンライジングにも出会うことができ三時間余のクルージングは感動の
連続でした。

炎暑の残る中で出航までの待ち時間と、セレモニーのもたつきには若干のブーイングも
ありましたが、真夏の夕べ、優雅なそして至福とも言えるひと時を持つことができ感激でした。

花火はスターマインや水中花火、キャラクター花火等々と4,000発の花火が夜空を染め、
そのたびに船上が歓声に包まれました。

写真は手持ちでの撮影でしたので、思うように取れませんでしたが海に上がる花火の
イメージが表れているものを載せさせていただきます。
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