四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
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人間の「安全保障」 憲法記念日に

2020年05月03日 12時55分52秒 | 短歌
今日は憲法記念日ですが、少し辛口の文章を掲げたいと思います。
日本国憲法は本日3日、1947年の施行から73年を迎えました。

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う「緊急事態宣言」が発出される異例の事態の下で、
安倍晋三首相ら自民党内の複数の方から「私権制限」を拡大させる緊急事態条項の創設を
求める声も上がっています。
コロナ禍が猛威を振るう中、多くの識者からは性急な改憲論議に警戒する声が上がり、
改めて平和憲法の意義を見つめ直す取り組みも行われています。



なお、緊急事態条項についての歴史に少しふれますと・・・。
第二次大戦前のドイツに「ワイマール憲法」がありました。
これには、国民主権、男女平等の普通選挙、議会制民主主義体制、大統領制などが盛り込まれたほか、
基本的人権の生存権や教育を受ける権利、労働基本権など「社会権」が初めて規定され、当時は世界で
もっとも民主的な憲法といわれました。
ところが、この憲法に盛り込まれていた「緊急事態条項」を、諸々の転変の後、かのヒットラーに
よって悪用され、独裁政権の誕生に繋がっていきました。その後の歴史の流れは皆様もご存知の通りです。



これらの事柄を踏まえ、憲法記念日に寄せて拙い短歌を詠んでみたいと思います。
☆木洩れ日にツツジ揺らぐもコロナ禍は未だ荒びて街にはびこる
☆コロナ禍に藤の花をも刈り取られ 蟄居をせよと さらに迫られ
☆文明の弱さをよそに花水木 コロナ禍のなか凛と空向く
☆いのちをも奪いて荒ぶコロナ禍を マスク手洗い 籠りて防ぐ



☆命をもむさぼり尽くす文明の 行きつく果てにコロナ禍の闇
☆統御さえできぬコロナの感染に 籠り続けて命繋ぐも
☆いつの世も苦難強いらるる人々に 差し伸べらるる手は少なくて
☆誰一人取り残さずと謳いたる 国連の旗 コロナ禍の中に
☆誰ひとり取り残さずと誓いたる この言の葉の重き現実
☆人間の安全保障を謳いたる 憲法前文コロナ禍の今に



☆ナチ前夜「緊急事態」条項の 招きし歴史改めて知る
☆ワイマール その終焉の二の舞か「緊急事態」に潜むたくらみ
☆流された血と涙の結晶よ 憲法つらぬく人間「安保」
☆超え来る苦難の歴史刻みたる 憲法今も試練の中に


コメント (2)
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